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プリント技法について

こんにちは、FAVART(ファボアート)のGUCCHIです。

今回は、オルタナティブポスターに用いられるプリント技法についてのご紹介です。

一般的な宣伝ポスターや商用ポスターは、安価で大量生産が可能な「オフセット印刷」や「オンデマンド印刷」で制作されることがほとんどです。
それに対しオルタナティブポスターやアートポスターは、用紙や刷り上がりの質感に拘った、「リトグラフ」「シルクスクリーンプリント」「ジグレープリント」のいずれかの技法で制作されている事がほとんどです。

ここでは、これらの印刷方法について簡単にご説明していきます。


「リトグラフ」

石版画とも言われ、水と油が反発する原理を用いて印刷する技法です。
古くは石灰石を用いていましたが、近年では金属板の上に油性分を含んだ材料で絵を描画し、薬品を塗って定着させます。
その後、版面に水と油性インクを乗せると、描写した部分にのみ油性インクが集り、それを紙にプレスして印刷します。
ご紹介する3つのプリント技法の中では、最も古く一番馴染みの薄い印刷方法と言えます。


「シルクスクリーンプリント」

孔版印刷の一種で、インクが通過する穴と通過しないところを作ったメッシュの版で印刷する技法です。
メッシュ状の穴が空いた版に、インクを通したくない穴を乳剤で塞ぎ、乳剤がない部分のみがインクを通し用紙にインクを押し出して印刷します。
1色1版が基本の為、多色刷りには色数に応じた版数が必要となります。
Tシャツのプリント方法としても多く用いられているため、比較的馴染みのある印刷方法と言えます。
1990年代頃に年賀状印刷で年末の風物詩だった「プリントゴッコ」がこの印刷技法と言えば、イメージが湧きやすいかもしれません。
(年齢が若干ばれそうですが、、、。)


「ジグレープリント」

最新鋭のプリント技術を使い、非常に細かい顔料インクを用紙に直接吹き付けることで印刷する技法です。
8色の非常に細かい粒子(15ミクロン程度)を毎秒数百万個噴射して、専用の高級用紙に吹き付けます。
耐久性が非常に高く劣化しにくいことと、7万色を超える色彩により微細な色調を表現できるのが特徴です。
デジタルデータとの相性が良く最近では最も主流の印刷技法です。
ジグレーというとあまり聞きなれないかもしれませんが、実は一番馴染みのある印刷技法と言えます。
簡単に言えば、一般家庭用のインクジェットプリンターの業務用のハイスパックなプリンターでの印刷です。


どの印刷方法も、非常に高い技術が求められる上、手間と時間がかかるために、オルタナティブポスターやアートポスターは、限られた数での販売になる事がほとんどです。

プリント技法の違う作品を見比べて仕上がりの色味や質感の違いなどに目を向けてるのも非常に面白いものです。

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