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「DX成功の鍵:Off-JT中心主義への転換」

考えてみれば、企業に就職して以来35年以上、新人研修、主任研修、新任管理職研修などの階層別研修や個別研修プログラムが会社や所属組織から用意され、受講してきました。私個人としては、そこでの学びを活かしてきた方だと思いますが、ほとんどの方は、その場はふむふむと反省含めて納得しても、職場に帰るとなかったことになってしまうと聞きますし、実際にそうなのでしょう。

老害化した先輩後輩・親分子分

それは、仕事のやり方はもとより、社会人としての心構え、立ち居振る舞いなどの修得は、職場でのOJT(実践と指導)と飲み会での指導(説教)が中心であり、Off-JTは、あくまでも補助的なもの、シニカルな言い方をすれば人事部のアリバイとも言えるものでしたので、当然といえば当然です。
そして、仕事はもちろん、社会人やその企業の社員として流儀など、色んなことを教わった時の上下の人間関係である先輩後輩・親分子分が、ピラミッド組織を支えているわけです。今も、伝統的な企業では昭和30年代生まれをトップとしたピラミッド組織で事業を行っていることでしょう。
しかし、その傍らで、以前のような先輩後輩・親分子分の世界観が通用しなくなっていることにも気づいているはずです。もはや老害と言っても過言ではないでしょう。

今こそが転換のチャンス

終戦記念日に、戦前戦中世代が死に物狂いで作ってきた財産を食い潰しただけの戦後生まれの団塊と言われる人たちが抜けた今こそが、先輩後輩・親分子分の人間関係に依存した組織組成から切り替えていくチャンスであり、あくまでも一般論ですが、誰でも人のせいにしようとする世代がトップになってしまう前の、今でないと手遅れになると考えています。

Off-JT中心主義への転換

理のないOJT中心主義

OJT中心主義は、結局、理がないか、あっても理と現実がかけ離れすぎていて、理の意味がなくなっているからこそ存立するものであり、実践実践実践あるのみなので、帰納法的アプローチでの概念形成になってしまい、人によるバラつきが大きいというデメリットがあります。決して多様性などという綺麗な概念ではなく、ただのバラつきです。バラついていないというなら、それは単なる同調依存者を大量に生み出しただけでしょう。
理のないことを正当化するだけのOJT中心主義が、日本企業における合意形成も手間と時間がかかってしまい、改革の実現性が低くなる主要な真因の一つと言えるでしょう。

理の時代

私自身、先輩からノウハウは教わりましたが、理は教わったことがありません。理を求める私は、自分で理を求め、学習し思考し行動して体形化していきました。もちろん、昭和平成の時代は、周囲に理を求める人はいませんし、求める人は理ばかりで実践に関心のない学者のような人たちでしたので、しばらくはその理が生きることはありませんでしたが、やっと日本にも理の時代がやってきた感はあります。

尚、理の時代は、いくつかの理由でガラパゴス化してしまった日本以外ではとっくの昔にやってきております。コンピュータの性能が飛躍的に向上し、論理設計と物理設計が同一化できるようになったことによります。

そして、DXの推進はもちろん、DX後の世界において必要な人財は、理を重視し、論理空間と物理空間の両面で考えることのできる人財です。理を軽視し、論理空間を理解できない(する気のない)人材は、DXが進めば進むほど人罪になってしまうでしょう。そして人罪の処遇は大きな課題になるでしょうけど、どうにかするしかないですね!

貢献と成長とウェルビーイング

まず、ここのスキルや知識習得、DX云々以前に大切なことは、各人が相互貢献(貢献する貢献される良好な人間関係)と自己の成長についての関係性とウェルビーイング(ご機嫌暮らし)についての理をしっかりと認識し、概念形成(メタ認知の獲得と思考のアップデート)と行動変容を図ってもらうことです。

対立、競争、君臨、従属、同調は、変化の激しい時代に勝ち抜いていく(誇りを持って存在し、提供する価値を社会(顧客)に受け取っていただき続ける)ための組織力を毀損するだけでなく、個人の成長とウェルビーイングを阻害します。また、成長しウェルビーイングな個人を生み出す確率を著しく低下させることでしょう。

成長する能力

貢献と成長とウェルビーイングの理を身に付けてもらって上で、DXの成功の鍵として、善良で理を重視するメンタリティをもち、論理空間を理解し設計でき、物理空間との行き来ができるスキルを具備してもらうことを前提として、その組織が求める人財像に向かって「成長する能力」を身に付けてもらうことです。

成長する能力の要素と関係を表したもの

「成長する能力」は、もはや決してハラスメントまがいの指導や、激しい競争環境に晒すことによって、ある一定の歩留まりを期待して身に付けてもらうものではなく、理をもって、学習と思考と行動、そして上司などの支援によって身に付けていくものなのです。

現有勢力のリスキルのスタートは個々の知識習得ではなく「成長する能力」からでしょう。

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