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COO・浅岡の視点┃不動産DXを進め、男女対等な活躍をもたらす組織の在り方とは

不動産売買仲介に特化したコミュニケーションクラウドの開発を行うFacilo(ファシロ)。仲介業で発生する煩雑な情報の行き来を見逃すことなく、すべてをクラウド上で一元化することで、今までにない業務効率化をもたらす、いわばレガシー業界の革命児的存在だ。業界を大きく変え得るプロダクトだからこそ、その開発は常識に縛られることがないプロセスで行われている。組織づくりも例外ではない。COOの浅岡純子さんに、性別や就業ブランク、ライフステージの変化を問わず活躍できる取り組みについて話を聞いた。

PROFILE
COO 浅岡  純子さん

リクルートを経て、Googleで11年間セールスとして不動産業界を担当。不動産業界のDX推進と誰もが働きやすい会社を創ることを使命だと感じ、株式会社FaciloにCOOとしてジョイン。趣味は週1回の筋トレ。娘の体力に負けないように、この時間だけは死守すると心に決めて1週間を過ごします。

「不動産業界って進んでるね」と言わせたい

浅岡さんがCEOの市川紘さんに出会ったのは前職のリクルートでのこと。その後もアメリカ出張のたびに市川さんのもとに足を運び、米国不動産テックの話を聞いていたのだという。市川さんが立ち上げたFaciloにジョインすることになったのも必然だったのだろう。

「『僕が日本に戻って起業するときは一緒にやらないか』と市川さんから言われたのが3、4年前。私自身も長く不動産領域にいた分、彼が目指す到達点や不動産におけるDX課題を共有していくうちに、次第に『これは私がやらなければならない領域だ』と使命を感じるようになったんです」

リクルート時代にSUUMOを経験した浅岡さんには、不動産業界の課題と可能性が手に取るようにわかっていた。

「不動産業界には、ベースに紙文化が根づいている部分や、数十年にわたる流通売買の流れの歴史がある部分など、これまでDX化を妨げてきた要因が積み重なっています。しかしながら、決して不動産業界そのものが遅れているわけではありません。これまで小売業界や保険業界なども見てきましたが、アドテクの世界の中では、世界的にみても不動産業界は最先端の領域まで使いこなしているケースも増えてきている。 手がつけられていないのは内側の業務フローだけです。不動産業界の人材はおしなべて有能な方が多い分、膨大な事務処理や複雑な関係者調整をヒューマンリソースで乗り越えてきた背景があります。これには、テクノロジー側の問題が大きく関わっていると考えています。Facilo(ファシロ)では業務パーツごとの支援ではなく、痒いところ全てに手が届くようなプロダクトを粘着質に作っているからこそ、トータルソリューションとしてのデジタルシフトが実現できているのだと思います」

不動産業界への愛情を持ってまなざすのは、FaciloによってDXと効率化が進められ、がらりと変わったその姿だ。

「Faciloによって「不動産業界って進んでるね」と言われるような世界を作ること。家を売る・買うという前向きでポジティブな仕事を、もっと多くの人が継続して楽しめるようにしていきたいです。テックが入ることで、業務効率化や顧客コミュニケーションの変化だけでなく、企業カルチャーそのものが変わることがあります。そんな変化を、不動産業界全体で起こしたいですね。現場がFaciloを使って営業するのが当たり前になり、その方々がより一層活躍されて、仕事をクラウド上でするのが当たり前になっていけば、より働きやすく先進的なイメージが浸透していくのではないでしょうか」

自社らしいファミリーファーストの実現

ゲームチェンジャーたるのはプロダクトだけではない。その組織作りを一任された浅岡さんがまず目をつけたのはジェンダーギャップ課題だ。

「国内外の不動産業界におけるジェンダーギャップは強いものだと感じています。アメリカでは不動産エージェントの6割が女性の半面、日本の女性比率はわずか2割。若いうちに志を持って入ってきた優秀な女性社員が、ライフステージの変化に対応しきれずに泣く泣く離職した例も、これまで多く見てきました。ですが、もともと不動産売買業務はマルチタスクで、顧客配慮なども必要な分、ホスピタリティが活かしやすい分野であるはずなんです。だからこそ、Faciloのようなテックが入ることで、より女性リーダーを輩出しやすい世界を導けると考えています」

そのジェンダーギャップを埋めるためのヒントを得たのは、CEOの市川さんから得たサンフランシスコのカルチャー、“ファミリーファースト”。家族やパートナーを最優先にして働ける職場環境を作るため、スタートアップならではの小回りを活かしてダイナミックに制度を設計していく。

「ファミリーファーストは、ハードとソフトの両面から実現するものだと考えています。ハードでいえば、大手ではできないような福利厚生や制度設計を検討して、社労士や税理士を悩ませています(笑)。フルリモートやコアタイムなしのフレックス勤務だけでなく、最近では勤務時間外の会食時や病児保育の際のベビーシッターの補助や、運動会・卒業式など家族の学校行事の際に使える特別有給休暇の支給を開始しました。内容はさまざまありますが、すべて社内のコミュニケーションから起因したものです。結局、ソフトであるカルチャーづくりを含めたインクルージョンがあってのものです。だからこそ当社では、普段から自然な形で家族を大事にできるようなコミュニケーションを何よりも尊重しています。市川さんや社員のお子さん達と顧客対応中に遊んで待っていたこともあります。いくら条件が整っていても、何かあったときに『ちょっと子どもの具合が悪いから今週休ませて』と言い出しにくい雰囲気では、真のファミリーファーストだとは言えませんから」

COOから見る「Faciloという組織」

リクルート、Googleを経て、創業期のFaciloにジョインするのは決して簡単な決断ではなかったはずだ。彼女の目にFaciloはどう映っているのだろうか。

「CEOの市川さんは、未来志向とコミュニケーション思考が強く、「こうしていきたい」という部分を言語化して伝えるスキルに長けています。言語化能力が高い市川さんが、PdMとして「なぜこの要望が顧客から上がってきたのか、なぜ重要なのか」抽象的な話をわかりやすくストーリーテリングしてくれるんです。だからこそ、エンジニア側も腹落ちしながら開発を進めていけるのだと思います。また、不動産業界の要職の方が、こぞって市川さんの不動産DXに関する講演を楽しみにしてくださるのも、アメリカでの経験値というだけでなく、変化の激しいVUCAの時代に日本の不動産業界の将来像を描く説明能力に惚れ込んでくださっている部分もあるのではないでしょうか。

CTOの梅林は、まさにビジネスマインドのあるエンジニアそのもの。すごく本質的で、要望が上がってきたときに、根本原因が何にあるのかを考えた上でコミュニケーションしてくれるので、何かと気づかされることが多いです。エンジニアグループもまた梅林と同じように、ビジネスマインドを持って不動産業界の課題解決に熱中している人ばかりです。梅林はシリコンバレー在住ですが、社内はオンラインとオフラインの境目もなく、プロダクトによって密接に繋がっているため距離も感じません。大手企業で同じオフィスの別のフロアにいるエンジニアより何千倍も近い距離で、リリース状況を随時共有できるのは、この規模ならではの強みですね」

ひとしきり二人への愛を語り終えたところで、自身の役割をあらためて力強く定義した。

「私はCOO(Chief Operating Officer)ですが、真ん中のOは“Other things”だと考えているんです。Sales&Marketingが主軸ですが、足りていないピースがあれば総務も人事もイベント企画もなんでもカバーします。市川と梅林が開発力と技術力でチームを牽引していってくれる分、社内の組織づくりと実行力増強には注力しています。現場や顧客から上がってきた声をしっかり伝え、市川が描く未来を実現するためのスピードを加速していける組織にしたいですね。そのためにも、メンバー採用には今後も力を入れていきたいと思っています。

男女対等な組織づくりがしたいからこそ、ライフステージの変化によるブランクは、正直言って全く気にしていません。一度身に着けたスキルはなくなりませんし、人の価値は時間ではありませんから」

この言葉通り、実際にFaciloでは、5年間の育児ブランクから復帰した業界トップセールスや、黎明期に1ヶ月の育休を取得したCS責任者が第一線で活躍している。もちろん、男女共にだ。そこには、お互いを尊重しながらひとりひとりが自立して働く組織カルチャーを見ることができる。

事業と組織を作っていけるワクワク感

家族を持っている人だけではない。様々なライフスタイルやスキルを尊重し、パフォーマンスを上げる環境がFaciloには揃っている。

「Faciloの良さは、いい意味で大人なスタートアップであるところ。フルリモートの職場環境で生産性高くハイパフォーマンスを出し続けることを理想としているので、個の自主性を大切にしています。「仕事を通して何を実現したいか」という軸を持った人であれば、コミュニケーションしやすいのではないでしょうか」

取材を通し、何度も出てきたキーワードが「一人一人」だった。誰もがフラットで、対等であること。それぞれが持っているバックグラウンドやライフステージが尊重されることが言葉一つからも伝わってくる。

「年齢や性別なんて些細な情報よりも、個人の能力や価値を重んじる関係を築いていきたいです。今後、組織が大きくなっていくにつれ、内部にもレイヤーができてくることもあるかと思いますが、そういったレイヤーができたとしても意見交換は常に対等にしていきたいと考えています。マネージャーは偉いわけでなく、あくまで役割でしかありません。強いリーダーシップ以上に、心理的安全性を実現するサーバントリーダーシップが何よりも重要だと考えているので、現場の実現したいことをどれだけ汲み取り、活かしきれるかこそが自分自身の役割だと思っています。ここは市川さんも同じ意見だと思います。会社のBBQにたとえるなら、これからも私と市川さんがみんなのために肉を焼いて、みんなに配るような組織でありたいなと思います」

Faciloはまだ創業期。事業をともに創っていくやりがいはひとしおだ。社員のやりたいことがFaciloを通して大きな価値になり、業界を変えていく。最後に、浅岡さんが笑顔で語った一言でこのインタビューを締めくくる。

────「『事業をやるって、こんなに面白い挑戦ができるんだ』というワクワク感を、ぜひ一緒に味わってほしい」。

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