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そこだけじゃない、影響色々、偏平足。

ども、日差しが春めいてきてどこかに出かけたい、佑吉です。

以前、インソールを納めさせていただいた方に
今まで長い間歩いたりしていると足が痛くなっていたのに
インソールを入れて出かけたら、全然痛くならなかった
と言っていただき、とても嬉しかった思い出があります。

そこで今回は、その方の脚の疲れの原因になった「偏平足」について
お話していこうと思います。

「偏平足」よく聞く足の変形で、足が疲れやすいだけでしょ?
と思われる方が多いと思いますが
今回は、それだけではない「偏平足」のお話です。

まずは偏平足はどんな足の状態なのか、それを見ていこうと思います。
「扁平」読んで字のごとく、平べったくなっている事で
この状態に足部がなっていることを表すのが「偏平足」です。
足部は構造上、28個の骨が筋肉や靭帯、腱・腱膜といったもので
アーチ構造を作っています。
このアーチ構造は、いくつもの骨がアーチ橋の様な構造で並び
更に、足の裏に弓の弦の様な腱膜などがテンションをかけて
引っ張ることにより、アーチ構造を保っています。
この他に、下腿(膝関節から足関節までの部分)から伸びる筋肉によって
引っ張り上げられることによっても、アーチ構造を保つ様にできています。
このアーチ構造は、地面からの衝撃を和らげる役割と
足部の剛性を上げて推進力を効率よく伝える役割も担っています。

足部のアーチ構造は、基本的に3つのアーチ構造が繋がってできています。
これは①内側縦アーチ、②外側縦アーチ、③横アーチと呼ばれるもので
「偏平足」は①内側縦アーチが潰れたものをそのように呼びます。
ただし、これらのアーチは繋がった構造体のため
①内側縦アーチに問題があれば、その他のアーチにも影響し
③横アーチも潰れてきて、前足部の変形を誘発することがあります。
この前足部の変形は、外反母趾であったり内反小趾、開張足で
足部を正面(前額面)から見ると平べったく扁平に見えます。
また、この偏平足には踵骨(かかとの骨)が、内側に倒れてくる
「外反偏平足」「回内足」と言われるものがあります。
この二つは厳密には違い、簡単に言うと
静的、止まっていてる状態でとらえたものが「外反偏平足」
動的、動いている状態でとらえたものが「回内足」になります。
どちらの足部の状態も、あまりいい状態とは言えず
足部のアライメントが崩れを誘発します。

足部には「前足部」「中足部」「後足部」といわれる部分ごとの分類があり
「前足部」は足趾(足の指)の骨とそこと関節を作っている骨までをいい
足先から土踏まずの一番高い所の手前までの部分をいいます。
「後足部」は踵骨と、その上に乗っている距骨という
足関節を担う骨の部分をいい、かかと部分と足関節の部分になります。
そして、「中足部」はこの前足部と後足部の間の部分にある
要石の様な部分になり
舟状骨、内側楔状骨、中間楔状骨、外側楔状骨、立方骨で
構成されています。
そのため重度の偏平足になると
中足部の要石の状態になっている骨の一部が
足の裏に飛び出して痛みを発症し、歩くことが難しくなる場合があります。
ここまでなるには、構造的な問題以外に他の要因もあり
リウマチや糖尿病などの疾患を患っている人に多く見られます。
リウマチは自己免疫疾患で、自分の免疫が自分の関節を攻撃し
壊してしまう事によって、足部のアライメントを徐々に崩してしまいます。
そのため、関節が壊れて足部のアライメントが崩れ
重度の偏平足になる前のいい状態のときにインソールを入れ
足部のアライメントが崩れてしまうのを防ぐことが重要です。
糖尿病の場合、神経障害と血管障害が発症しやすく
この事によって感覚が悪くなり、筋肉の萎縮が起こり
足部の構造を支えることが難しくなることによって
足部の扁平化が起こってきます。
そして糖尿病の場合、足部変形による骨突起部に傷が出来てしまった場合
感覚鈍麻、感覚が鈍くなることによって、傷ができてもわからない事があり
更に、血管障害によって傷が治りにくくなることによって
そこから壊疽、腐ってしまうと切断にまで至ることがあります。
この壊疽、表面に見えない部分にまで進んでいることが多く
足先の壊疽だったものが、治りが悪く再切断を繰り返し
最悪の場合、大腿部、太ももでの切断にまで至ることがあり
透析治療を受けている場合
5年生存率は20%を下回るとの報告もあるようです。
このように、基礎疾患がある場合
足部の変形、偏平足には特に注意してもらいたいです。

足部の構造から基礎疾患のお話になってしまいましたが
話を戻して、偏平足に影響する筋肉についてのお話をしていきます。
偏平足は内側縦アーチが潰れた状態、土踏まずが潰れた状態ですが
この内側縦アーチを引っ張り上げる筋肉が
下腿(膝関節から足関節)から伸びて引っ張り上げています。
これらの筋肉は、表面に見える筋肉だけでなく
見えない中心部にある筋肉も多く、血管や神経が隣を通っています。
そのため、内側縦アーチを引っ張り上げるために頑張っていると
疲労を起こし、柔軟性が減少し硬くなってしまいます。
こうなってしまうと、血管の循環の働きを邪魔してしまい
足部から体幹に向かって、血液や水分などを戻すことが難しくなってしまい
足の浮腫みの原因になったり、冷えの原因になったりします。
そのため、偏平足の方には浮腫みや冷えを感じる方が多くなります。
これらの症状は、マッサージをしたりストレッチをしたりすることで
ある程度緩和されますが、毎日立ったり歩いたりしているので
毎日のように負担がかかってしまいます。
そのため、いつまでたっても症状が改善せず
いつまでも辛い思いをしてしまいます。
そこで内側縦アーチを引っ張り上げる筋肉を鍛えて
アーチを作る事をしていくのですが
長年の負担によって筋肉が伸びて硬くなっている場合
そこから鍛えていくのは難しいです。
そのため、まずは伸びて硬くなった筋肉の柔軟性を取り戻していきます。
この時、今まで同じように潰れっぱなしの状態では
また同じように伸びて硬くなってしまい
同じことの繰り返しになってしまいます。
そこで、潰れない様にしてやることが大事になり
その時に便利なのがインソールになるのです。

インソールは今までたったり歩いたりするたびに潰れていた
アーチを支えてくれます。
また、しっかりした靴と併用することによって
踵骨の倒れも抑制することができ、効果が大きくなります。
実はこの靴の選定も、偏平足には重要で
靴の影響で偏平足が悪化してしまう事があります。

足部には中足部と呼ばれる部分があり
そこにはアーチ構造の要石の役割をする骨がある、とお話しましたが
この要石の役割をする骨が緩んでしまうと、偏平足を悪化させます。
この緩めやすい動きが、足の裏を伸ばすような動きで
歩くたびにこの動きが出てきます。
踵を着いて、重心が足の真上に乗り、そのあと親指にかけて抜けていく
この重心が真ん中に乗り、親指に抜けていくときに
足の裏を伸ばすような動きになり、アーチ構造を崩してしまいます。
そのため、靴の底が柔らかく、どこでも曲がったり捻ったりできる靴の場合
この動きを止めることができないため、普段使う靴にはお勧めできません。
更に、アッパーの踵に芯が入っていない靴の場合
踵骨の倒れを止めることができず
足の構造を支える機能が不十分になります。
そのため普段使いの靴では、最低限、アッパーの踵に芯が入っていて
靴の底が指の付け根の関節部分以外で曲がらない靴を選ぶことが
条件になります。
この条件を満たした靴を履くだけでも、かなり大きな効果を得られるので
靴を履く際、このような靴を選ぶと
足への負担が少なくなり、疲労感や浮腫み、痛みが軽減されると思います。
そして、このような靴にインソールを入れることによって
更に負担を少なくし、足を守るだけでなく
その上の膝や股関節、体幹といった部分への負担も減ってきます。
他に、アーチ構造が保たれることによる推進力の効率的な伝達によって
身体への負担が減ることにより、更なる疲労感軽減が得られます。
このように、靴の選定とインソールの使用により
アーチ構造を引っ張り上げる筋肉の負担も減らしていくのです。
そして、負担が減り伸びて固まった筋肉に柔軟性が出た後に
そのアーチを引っ張り上げる筋肉を鍛えることによって
インソールに頼り切ることなく
アーチ構造を保つことができるようになる可能性があります。
仮にアーチ構造が保てなかったとしても
その引っ張り上げる筋肉に柔軟性が戻ることによって
足部への血管や神経への負担が減り、疲労や浮腫みが減っていきますので
インソールを入れて筋肉の疲労が取れるのと同時に
トレーニングにより強化されれば、インソールを外していただくのがいいと
私は思います。
その後、また症状がでれば、インソールを使ってもらったり
長距離長時間歩くなど、高負荷の行動をすると分かっているときは使用する
といった、使い分けを行いながら付き合っていく事が大切だと思います。
そして、もし、日常生活に支障が出るようなことがあれば
必ず病院を受診し、治療を行ってください。

偏平足は様々な所に影響を及ぼす足の変形です。
構造的に足部だけの問題で終わらないため
どこに問題が起きているのかを見極め
筋肉に負担がかかってるのであれば、その負担を減らし、強化していく
基礎疾患があるのであれば、その疾患をキチンと治療していく
構造的に問題があるのであれば、それを支えてあげる
これらの事をしていき、負担を減らし楽しい毎日を送って欲しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
もし、気になる事や質問、お手伝いできることがあれば
お気軽にご連絡ください。
また、ご縁を繋いでいただけると、とても嬉しいです!

ではでは


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