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読書喫茶ヒミツヤサンというあまりにも魅力的な喫茶店

ひと月前から気になっていた喫茶店があった。
その名も「読書喫茶ヒミツヤサン」新潟県上越市の西城町というところにある小さなお店だ。

オープンしたのは今年の8月だったけれど、当初はクラファンした人向けの限定開店だったから、私はいい頃合を見計らっていたのである。そして今日がちょうど「いい頃合い」だったわけだ。

11時に開くからちょうどの時間に着いて扉を開けた。洒落た店の扉を開けるのはいつも少しドキドキする。ヒミツヤサンは「店主さんの好きな物を詰め込んだ秘密基地」のような雰囲気のあるお店だから尚更だった。笑顔で店主さんが出迎えてくれて、私は窓際の1人がけの席に着いた。このお店は「読書喫茶」の名を冠しているだけあり、1人がけと2人がけの席しかない。そして原則「私語禁止」である。(お店の紹介文で学生時代の自習室ぶりにこのワードを見て少し楽しくなってしまった。学生時代は嫌だったのにな、私語禁止。)2人で来ておしゃべりをしたい時には筆談をするのだ。むしろロマンチックかもしれない。

「喫茶店で読書って憧れるけど、割とおしゃべりに使う人が多くてなぁ...特に噂話とか聞こえてくると耐えられんのよなぁ...」という私には、このコンセプトはピッタリすぎた。仮に読書しないとしてもゆったりした音楽が流れる静かな空間で落ち着いて喫茶店メニューを楽しめるというのは心に優しい。疲れてる時のヒーリングスポットとして立ち寄るのに向いてそうだ。友達と話しながらお茶するならチェーン店でもいいけど、ひとりでとなると少しハードルが高いのである。

店主さんこだわりの固いプリンとふわふわカフェオレを注文し、レジ横に並ぶ本を眺める。幸いにして好きな系統の本がたくさんあった。小説にしようかとも思ったけれど、あんまり没頭して電車の時間に間に合わなくなっても困るので「コッペパンわに」の漫画を読んで待つことにした。

「コッペパンわに」

...けれど、割とすぐにプリンとカフェオレが運ばれてきた。好きな本読んでると時間ってあっという間に溶けるなというのを身をもって体感してしまった。

プリンは銀色の燭台のような綺麗な器に佇んでいる。頭に乗ったクリームの帽子がキュートだ。私はあまり固めのプリンというものを食べたことの無い人間なので美味しさを十分に表すのが難しいのだが、卵とミルクの味がしっかりしていて「お母さんが家で作ってくれたプリンの理想形」という感じがした。


キュートなプリン

ふわふわカフェオレは泡立てたミルク...ではなく、綿菓子をコーヒーの上に乗せ、その上からミルクを注ぎ入れるという楽しいものだった。砂糖が添えられていたけれど、まずは敬意を表してそのままひと口飲んだら、思いのほか優しい甘みがあった。急いで砂糖を入れなくてよかったと自分の判断に心の中で拍手した。

ふわふわカフェオレ

どうせならゆっくりしたかったから、プリンを先に食べ終えたあと、カフェオレをゆっくり飲みつつ先程の「コッペパンわに」を最後まで読み切った。今度は自分で読みたい本を持って訪れようと思う。

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