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Audibleと私

読書は好きな方だ。ただし、何冊も一気に読む事は不可能。読めないまま溜め込んだものも多い。

オーディオブックなるものが流行っているとは聴いていた。
ただ…
少し前の私は、文明の力に頼るのはなるべく控えたい方で、読書はやっぱり活字を眺めて本の匂いを感じたいと思ったりしていた。

だが、自体は一変する…

「高橋一生が朗読する」ものがあるあっては大変な事だ。

しかも、村上春樹の「騎士団長殺し」…!



…とは言っても…村上作品を読む様になったのは最近の事。20代に「ノルウェーの森」を読んだ時、人生の経験値が足りないというのか、単細胞だったというのか…内容の理解にも共感にも苦しんだ。「何故?何故?」という言葉が頭の中にこだました。
海辺のカフカ、アフターダークなどを少しずつ読んだり、最近では映画の「ドライブマイカー」を鑑賞したりして、徐々に苦手意識が少なくなり,むしろ彼の言葉や文章構成のマジックにまんまとハマって、「え?この話どこに向かうの??」という、どこか抜け出せない感覚を楽しめるようになってきた。彼の作品を読み終えると、いつも自分の中の奥深くに眠っている本質みたいものが浮き上がる感覚を覚える。


買って積んで読めなかった本たち。

転職してから車での移動時間が伸びたので、朝と夕毎日朗読を聴いている。

うん。悪くない。

彼の朗読は、文章から滲み出る雰囲気を壊さない意識をしていて、登場人物の台詞の奥に潜む心情まで表現しているように感じる。

淡々としながらも熱い余韻が残る。

騎士団長殺しの主人公「私」とは同世代。

彼の悩みに共感し、一枚の絵の中に物語が凝縮されているような独特な感覚を持ちながら、ゆっくりと
結末を楽しみにしている。


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