見出し画像

ゲーム業界に身を置いた所からの意見③

まずはオンラインゲームの時代までさかのぼ
日本の海外産のオンラインゲームがあった事から説明
していきます。

17年近く前、日本語に翻訳された海外のオンラインゲーム
であった「ロード・オブ・ザ・リング」がありました。

その当時、日本語版に翻訳、運営する会社は1社だけしか
なく、私はスカウトしてきた相方とプレイしていました。

サーバーは別回線であったので、全くプレイヤーがいない
に近い状態でしたが、当時ですら既に鳥肌が立つほどの
出来で、まるで映画を見ているような多角的な角度から
イベントやクエスト等が映し出されていて、自分の
キャラクターは映画の中に登場した人物では無くて、
オリジナルキャラクターでのプレイをするタイプでした。

私と相方は毎日してましたが、当時、仕事として、
信長の野望オンラインや他のオンラインゲームもしていた
ので、だいたいのシステムは把握していました。

信長の野望オンラインでは1週間に一度はメンテナンスを
入れて、しっかりとした作品として、日本人だけの
サーバーにしていました。4つの据え置き機であるPS2
等のサーバーが最初に始まり、それから暫く経った時、
PCサーバーが1つ新たに追加されました。

私はチームリーダーをしていたので、今後、間違いなく
過疎化していくサーバーでするよりも、PCサーバーに
行こうと声をかけて、説明し、10名ほどの少数精鋭チーム
だったので、また一からその新しいサーバーでする事に
なり、全員で新たなサーバーでプレイする事になりました。

当時はまだオンラインゲームのユーザーは多くいたため、
どのサーバーよりも人は大勢いました。

それから数年経った頃、据え置き機のサーバー4つは、
合併して過疎化対策としましたが、PCサーバーでは
大勢の人がいたので、据え置き機同士のみの合併で
何とかしのぎました。

現在も日本人サーバーでのみのMMORPGとして、
運営されています。年に1回は拡張パックを
出しているので、出来る事も多くあるので、
なかなか飽きさせない仕上がりになっています。
月額定額制のままで、課金システムは無しです。
月額の金額は1320円となっています。

高品質でこの値段なら納得できるものです。

私は掛け持ちで「ロード・オブ・ザ・リング」
もしてましたが、2年くらいはプレイしていた
のですが、一切、メンテナンスも無く、拡張パック
も出ない事に不安を覚えました。

オンラインゲームの世界では絶対に有り得ない
事だったので、海外産のオンラインゲームを
扱う日本の運営会社は1つだけだったので、
とても不安でした。

そして、予想通り、海外の本社に知られたのか、
日本への配信は打ち切られる形で、会社は倒産し、
日本語版は日本から消えました。

その後もオンラインゲームは出ていましたが、
日本語版は出ないままでしたが、英語版なら
プレイは可能でしたので、ハードユーザーたちは
英語版で外国産のオンラインゲームをして
ました。

当時でももうそこまでの段違いの作品ばかりが
外国で出てました。当時はMMORPGが主体と
なっていましたが、FPSはまだそれほど人気は
ありませんでした。

私がしていた今も現役で世界一だとされている
「エルダー・スクロールズ・オンライン」も
日本語版は無かったので、英語版をプレイして
ました。

日本が最初にオンラインゲームを出したのは、
スクエニのFF11でしたが、これは当時、海外で
トップクラスの人気を誇るオンラインゲームを
まるまるパクったゲームでした。

それをFF用語を使ってPS2で出していたので、
当然、ハズレはしませんでした。
業界内ではパクリに関して呆れていた人たちも
多数いました。

それから1,2カ月後に信長の野望オンライン
が出ました。2003年に日本人のみのサーバーで
それを作った総合プロデューサーとは何度か
お会いしましたが、私と同じくらいの切れ者で、
後にコーエーテクモの社長に就任しました。

私は雑誌社に引き抜かれて、コーエー担当に
なりました。信長の野望オンライン、そして
オフラインの人気ゲームでもある三国志、
信長の野望等の攻略担当、企画担当、分析担当、
インタビュー内容担当、等が主な仕事でした。

コーエーのゲームは基本的に難しいので、
攻略できる人が私しかいませんでした。

私の場合は企画担当でもあったので、それまで
担当していた人は、コーエーから送られてくる
資料は全ての雑誌社に送られるもので、基本的
な素材でしかありませんでしたが、情報として
それを掲載しているだけでした。

誰もが一度は考えた事はあると思いますが、
ゲーム雑誌が数社にわたり出しているのは
何故か?

答えはインタビューがあるからです。
コーエーは特にお得様で、昔は雑誌などで
よく見開きでゲームの紹介などをしている
のを見た事はあると思いますが、あれは、
載せてある会社が買ってくれたページに
なるので、大手であったコーエー等は
2ページや4ページを、紹介とは別に購入
してくれていたので、お得意様でした。

コーエーや他のシミュレーションゲームでは、
私は地元の広島県では、友人たちから広島県
では間違いなくトップだと言われていました。

全国でもトップクラスだろうとも言われて
いましたが、最初は信長の野望オンラインで
スカウトされたのですが、
シミュレーションゲームも得意だと言うと、
担当にされました。

オンラインの方では取材内容を考える担当に
もなったので、コーエーの事はよく知って
ましたが、プロデューサーがどんな人かで、
取材内容も変わるので、最初はプロデューサー
がどんな人なのか調べました。

非常に優秀で、一発目である信長の野望を
オンライン化する事に見事なまでの仕様変更
をしていたので、手強い事はわかりました。

取材内容が何故そこまで大切なのかと言うと、
全雑誌社に送られてくる資料は掲載して良い
とされるものであって、取材内容で質問した
答えは、それとはまた別に独占記事として
掲載しても良いという形式をとっていたので、
インタビュー内容次第で、各雑誌社に違いが
出て来るので、複数の雑誌社が存在するわけ
です。

主にインタビューにいく時は、拡張パックや
やや大型の仕様変更などの時だけで、
オフラインに関しては取材は無いものでした。

何度かインタビューをした後で、コーエーが
自信を持って出す拡張パックの発売が決定
され、多くの資料は一応見ましたが、
コーエーとしても、目玉商品的な一番秘密に
している情報は完全未公開でした。

私はあのプロデューサーが自分ならどうする
かを考えて、まずはゲーム内の知人たちに
次の拡張パックでこうなると思うんですが、
どう思いますか? と尋ねたところ、それは
無いでしょう、あったら凄いですけどと
言われました。相方や編集部の人からは
絶大な信頼を得ていたので、全て任されて
いたので、それだけに失敗は許されないと
思っていました。

取材日までの数日間、色々な事を考えた末に、
やはり最初に思った内容で行く事を伝えて、
それで勝負することになりました。

いつも私も同行していたのですが、基本的に
私は付け加えや、話の内容から新たに尋ねる
事が出て来た場合に備えていくだけであって、
取材をするのは相方に任せてました。

私が考えていた事を、相方が総合プロデューサー
に伝えると、部下のプロデューサーに目を向けて
苦笑しました。

その瞬間、勝った!と確信しました。
「どこからの情報なのですか?」と相方に尋ねて
きて、私に視線を向けました。

そして、異例ではありましたが、一番秘密にして
いた内容全てを当てた内容だったので、
会社としては出されたら困る内容でしたが、
取材内容は出しても良い取り決めだったので、
話を持ち掛けてきました。

次の取材では独占インタビューにするので、
この内容は掲載しないで欲しいと言われました。

私としては、もう感無量で、どうでも良かった
のですが、相方が私に視線を投げてきたので、
私は頷くことで了承した事を伝えました。

その後、2年ほど経った時に、私は重度の不眠症
になり、会社に迷惑がかかると思い、私は自ら
辞める事を編集者と相方に伝えました。

二人は代理の利かないポジションだから、同行
や会社に顏を出すのも打ち合わせの時だけで
いいからと言われ、私はブレインだから脳だけ
使ってくれればいいと言われて残る事にしました。

信長の野望オンライン、大航海時代オンライン、
FF11、三國無双オンラインに関して同様だったのは、
月額定額制の方法をとった事にあります。

そしてこれら以外は全て、大赤字を喰らう形で
早いものではたったの三ヵ月で運営停止になりました。

ソーシャルゲームの感覚だとどうしても分かりにくい
ものであると思いますので、簡単に説明しますと、
まず、開発費の安さは話にならないくらい安いです。
人件費もほとんどかかりません。
その上、ソーシャルゲームは儲けが大きすぎるので、
運営としてはソーシャルゲームに力を入れるのは、
当然の事と言えます。

オンラインゲームが上記の4つ以外は全滅した事に
より、ソーシャルゲームが海外では人気が出ていると
知った開発会社は、再び出遅れていた事もあり、
日本は慎重になっていました。

私もその最初の会議に出たので覚えていますが、
今でも同じですが、ソーシャルゲームはゲームとは
呼べないくらいのものです。
だから日本は出遅れて失敗したオンラインゲームの
二の足を踏む事を最初は恐れていました。

しかし、非常に安く作れるので、開発会社はGREEに
出す事にしました。日本は当時、スマホ大国で、
逆の発想でソーシャルゲームは流行りました。

逆の発想とは、普段はゲーム等した事が無い女性層、
男性層、等が大勢飛びつくように増えていき、
圧倒的利益を生み出しました。

私はその時、非常に嫌な予感が頭をよぎりました。

オンラインゲームでの大失敗をした会社は、
利益のみに重点を置いた事により、プレイヤースキル
の無いゲーマーが増え続けました。これにより、
それ以前にも問題視されていた人材育成もしないまま、
利益のみを追いかけているのが現在でもあります。

実際に聞いた話ですが、「黒い砂漠」という
オンラインゲームが昔出たのですが、それをスマホでも
出来るよう簡略化したものが、ソーシャルゲームに出し、
ゲーマーでなかった人は、本物があるなら本物がしたい
と言って、最高級のゲーミングPCを買って、
「黒い砂漠」をしたそうですが、1時間もしないうちに
辞めたと言っていました。理由はオートモードも無い
から、自分で操作なんて出来ないと、その女性は言って
ました。私は慣れるまで頑張ればと言いましたが、
「絶対に無理」だと言って辞めてしまいました。

高額なゲーミングPCだったので、だいたい予測は
できますが、高い買い物をして、更にはソーシャルゲーム
の中ではリーダーとしてそれなりに強いと認識して
いただけあって、本物の世界では全く通用しない事
にも落胆してました。

私もソーシャルゲームをしますが、たまにボイスチャット
とんでもない発言を耳にする事があります。
「何もしなくていいから楽しい」と30歳くらいの人が
言った時には、その女性は「楽しくない」とすぐに
いってましたが、私は相当、深刻な問題だと思いました。

何事もそうですが、頭を使わないとどんどん退化して
いきます。今のソーシャルゲームではほとんど頭を
使わなくてもプレイできるので、開発会社も同様に
本当に出来の良いゲームが作れない状況になりました。

コーエーも一番の目玉商品とされる信長の野望シリーズ
も昨年、会社の経営陣でもあり、総合プロデューサー
でもあったシブサワコウが引退しました。

あれほどの作品を作れる人となると、難しいとしか
思えません。少子高齢化社会になり、若手も頭を
使わないようにどんどん負の道を進み続けています。

オンラインゲームを出した時、サカつくやダビスタ
と言った開発会社が一番自信のある作品を出しました
が、日本人は基本ケチが多いので、酷い事になりました。

まず月額定額制と課金をセットにして、更にはサカつく
では有能な外国人選手も課金で、一日の試合数も3回と
限定され、それも課金でするという恐ろしいシステム
で出しました。

元手を一気に取ろうとしたのでしょうが、質も低く、
その割に合わないほどお金のかかるゲーム等、誰も
しません。

悲しい出来事も中にはありました。
ハドソンが出したボンバーマンオンラインゲームでは、
初日にオンライン化を大きく発表すると共に、
高額商品が当たる大会を開きました。

大型テレビや高額モニター等の商品もあり、相当お金
をかけて大会を開いたのですが、
日本全国で100人未満しか人は集まらず、初日にして
運営停止が決まったような状況でした。

とにかく手広く出したため、大赤字を生んだのです。
プレイに関しても、世界でも有り得ないシステムで
ユーザーは完全に離れました。

そしてGREEからソーシャルゲームを出していき、
儲けが良いだけに抜け出せず、今は人材がいない
状態になりました。

人材募集広告などをたまに見ますが、そんな人材が
フリーでいるわけない的な優秀な人材を
募集しています。

ソーシャルゲームの中では強いかもしれませんが、
多くは課金で強くなっているので、自動操作など
無い世界的なゲームにも行けず、極一部の、
「鉄拳シリーズ」は日本人には難しすぎるので、
あまり日本では人気はありませんが、海外では
大人気の対戦アクションゲームとして大会も
開かれています。

私も自分の地元ではトップクラスでしたが、
あれは本当に難しいゲームでした。難しいほど
燃える私ですが、あれは凄いゲームすぎます。

これは「エルダー・スクロールズ・オンライン」の
プロモーションビデオになります。
海外ではソーシャルゲームのだけでは終わりが来る
事を理解しているので、このような大金をかけた
良質な作品は常に生まれ続けています。

エルダー・スクロールズ・オンラインはスカイリム
というオフラインゲームの延長線上に当たる作品と
なっています。

このようにプロモーションビデオに関しても
ユーザーのやる気を出させるようにしっかりと
お金をかけて作られています。

日本は見習うべき点の多くを捨てて、
ソーシャルゲーム一本で行くような道を
歩いています。

ゲーム業界の話は今後もしていこうと
思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?