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キタダ、詩を読む。…VOL.13 11年前のきょう


11年前のきょう、立ち寄った津の書店でいいなと思った句と歌。


鬼やらひ私といふ鬼打たず 小檜山繁子『乱流』

大谷戸も小谷戸も春の立ちにけり 星野 椿『マーガレット』

針千本海よりあがる針供養 原 裕『正午』

愛すとき水面を椿寝て流る 秋元不死男『瘤』

風船に引かれ消えたる子もあらむ 片山由美子『香雨』

相思はぬ人を思ふは大寺の餓鬼の後(しりへ)に額づくがごと 笠女郎『万葉集』巻四

ふみまよふ恋の心を人とはゞたゞうばたまのやみ路なりけり 樋口一葉『一葉歌集』

君が唇(くち)闇のなかにもみゆるほどあかかりし夜の強きくちづけ 前田夕暮『収穫』

をとこといふ一般名詞で扱ふなと靴をはきつつふと夫(つま)がいふ 日高堯子『玉虫草子』

足の先まで惜しまず黒く作られし鳥が鳴きゆく雪となるらし 久々湊盈子 『風羅集』


いまも、いいなと思う。

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