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痔 手術記 第3話

第3話
9日目(8/16)〜11日目(8/18)退院

  お盆のお休みに我が国営放送(BS)は、イタリアンマフィア、要はヤクザ映画を3日連続でやってるんだよね。
なんかちょっと違和感あんだけど。
例えば終戦日なんだから、太平洋戦争の映画とか平和を望む映画とか…そんな特集ならわかるけど、「ファミリー」と「血」というアイデンティティで殺人をも正当化し、街を仕切るマフィアの映画をNHKでやるってこの時期じゃない気がするな。と思いつつ、『ゴッドファーザー』は1、2、3の順で好きなんだけど、まさか病院で観れると思わなかった。午後の暇潰しには良かった。全部再見だけど、マーロン・ブランドがかっこいいね〜。

 で、療養中の出来事は至ってシンプル。治る兆候というのは、自力で便が出せて、その便もある程度形のあるやつっていう条件と、あと出血が少量になるということ。
とにかく自力便ですわ!(力説)
でもした後はぐったりするくらい疲れる。
 で、出血が無くなるのは1ヶ月位かかるとはいわれてるね。
あといまだに、無意識に息を吸うでしょ。それって腹筋使ってるから自然に肛門が絞まるのよ。で、お尻に激痛が走るんだよね。
ベッドで寝返りうつ時も無意識に肛門を絞めているから、忘れた頃に急にやってくる痛み。声上げそうになるし、冷や汗も出る。これは傷口が塞がるまで続く痛みなんだろうな。
 毎日の検診で先生に肛門見られて、だいぶ色が良くなって来た、とか、腫れが引いたとか言われるんだけど、アタシは見えないからよくわかんない。
ただ、お風呂で洗っている時に触るんだけど、なんかハンサムな気がする。

「手術して1週間経ったね。便もちゃんと出てるようだから退院だね」と退院2日前に言われ少し安堵。

入院中に思った事(雑感)
①排泄の流れ
手術→麻酔が取れてくる前に導尿カテーテルすべし
→自力で中々排泄できないので、下剤、浣腸の助けを借りる→オナラを出す努力。オナラが出れば自力でオシッコはできる→痛みを堪えながら自力で排泄

②入院セット
病院によるけど、病院が指定してくる「ねまき」と「タオル大・小」は入院セットとかいってお金取られる。このセットには、他にも血を受けとめる「パッド」や風呂のシャンプーやボディリンスも入ってるが、これがバカにならないから(2000円/日 )、自分で用意すると言えば大丈夫なところもあるらしい。
しかし、アタシの場合、パッドの付け方が甘かったり寝ている時にズレたりするから、ねまきやベッドに敷いていたバスタオルに血がつくことがあり、お任せにしていた。

③下着
男性なら必ずブリーフを勧める。トランクスはやめた方が良い。なぜなら術後に患部から血が出ていて、お尻の穴を覆うようにパッドを当てるのだが、ブリーフならパッドをクロッチ部に敷いてそのまま履けば固定されて良いが、トランクスだと紙テープで尻に貼り付けないとズレてしまうから手間。
アタシは術後に看護師さんから「おっ、ボクサータイプだね、合格合格。白ブリーフって意外とブカブカな人いるんだよねー」って言われて、最初何のことか分からなかったが、後からなるほどな、と思った。
女性の場合は、、、いいか。トランクス履いてる人いないね。

④靴下
手術後とかって意外と寒くなるのよ。体温下がるのかな?
あと、病院はずーっと冷房が効いてるから重ね着ができるものがあった方がいいね。とにかく靴下は重宝した。

⑤食べ物
前にも書いたけど、食べたら出すんだから、あまり考え無い方が良いよ。ご飯が薄味だから調味料くらいあってもいいかもね、消化器系の病気じゃないから。でも香辛料は地獄行き超特急だよ。

⑥痛み止め
飲んだら6時間は空ける薬。
常に鈍痛があるから、飲んでも飲まなくても一緒かな、と思い放っておいたこともあったが、看護師さんからなるべく痛みを和らげておかないとオシッコがでなくなるよ、と言われた。
薬なんて飲まないに越したことは無いと思っていたが、そんな弊害があるなんて!と思った次第。

⑦寝る
痛み止めに眠くなる成分が入ってるかもしれないが、結構眠れるもの。家人は寝ている時も足の指をグーパーグーパーしたり、脚を少しずつ動かしておかないと筋力が激落ちする、と言ってたが、肛門が痛いのにそんな動きなんてしたら声を上げてのたうち回るわい!
家人の言わんとしていることもわかるが、寝てるしかないのよ。脚力のために昼間歩こうとしてもペンギンみたいにヨチヨチしか歩けないんだから、脚力も何もあったもんじゃない!

⑧尊厳
これ、肌で感じるもの。尊厳なんて人それぞれで違うものだけど、看護師さんは排泄行為の介助ってすごく気を使ってくれている。例えば大人がう◯こを漏らしちゃうって大変ショッキングなことで、そうならないように看護師さんは真剣に排便回数や排尿回数を毎日付け、内容までしっかり聞き込んでくる。医療行為として当たり前かもしれないが、患者側もカッコつけずに素直にならないと後でほころびが出るよ。尊厳を傷つけられ、負い目(別の病気)にならないようにしないと。病気は、早く治したかったら素直になることだね。

 とうとう退院。
家で飲む薬をたんまり貰って、会計。
痛み止め、化膿止め、便を柔らかくする薬がメイン。
あと、お尻に当てるパッド(これ当分してないとパンツ血だらけだよ)をもらう。
退院しても1週間に1回は通院。1〜2ヶ月で完治という。カンチ〜!いい響き(東京ラブストーリーかよ!)

 会計は、約11万。これが高いか安いかはアタシはよく分からないが、身体を治してもらえた喜びの方が大きい。あとは生命保険の手術入院特約っていうのがあるから、マイナスにはならないみたいだ。

 靴を履いて外に出る。
11日ぶりの太陽だよ、おっかさん!
娑婆の空気はいいもんだ。
と病院を出て深呼吸。暑〜!
早く冷房の効いた部屋に…いかに病室が快適だったか!3食昼寝付きの病室に帰りたくなったよ!

 痔は大きく分けて3つの原因があると言います。一つは生活習慣。座り仕事、長距離ドライバーなど肛門を圧迫しているとそこから発症していくようです。そこにコレステロールの高い食事や飲酒で排便に負荷をかけたり喫煙などで血の巡りを悪くしたりすることがあげられております。若いうちは処理できたのでしょうが、年齢とともに追いつかなくなるのでしょう。
 そしてもう一つは、遺伝。
 痔で手術することを親父に言ったら「とうとうお前も来たか」って言ってました。医者も「身体の作りが似てるから痔は遺伝と言ってもいいくらいだね」と言っています。全く嫌なところが似ちまったもんです。
 最後に便秘の人。
これは切れる方が多いですが、痔で便秘は苦しいですよ。
 私は快食快便ですから、普段は苦労なく排便していましたが、この私でさえ痔の手術後の排便は大変苦労しました(してます)。便秘の方の硬いう◯こなんて排泄時は地獄だと思います。便秘気味の方は要注意です。もう、排便後は疲れ切ってぐったりします。

 という事でいろいろ書いて参りましたが、痔の手術入院記はこれにてお開きとさせて頂きます。私の偏見や特異なケースもあったかもしれませんが、なるべくフラットに書いたつもりです。長い文章、お付き合い頂きありがとうございました。

第3話 終了

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