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カタールのゴーストタウン アルジュマイルへ行ってみた 

トップ写真 世界遺産アルズバラと旅人 こんなに小さい(笑)


豊かな国カタール

今日はオマーンから離れ、カタールについて。

国民の平均所得。
調査資料の出元により違いはありますが、
世界1位はスイス。
中東の国カタールが第二位。
そんなデータもあります。

まあ、それは盛り過ぎとしても、
世界ベスト10には入っています。

ちなみに日本はというと、
30位よりも下。
お隣の国、韓国にも抜かれてしまっています。

知ってましたか。

私が子供の頃、地理の授業で習った西アジア。
当時は、まだまだ発展途上国という印象。

それが約40年の期間で、この変化。

所得はもちろん抜かれてしまってますが、
豊かさという視点で見ても、

カタール国民は国から土地や家をもらえます。
日本のように、自分で土地を買って、
ローンを払い続ける。
なんてこともありません。

おまけに税金がほぼかからない。
0に近い。

なんとも羨ましい限りです。

ドーハ 美しい夜景

世界遺産アルズバラへ

カタールの国土は日本の秋田県とほぼ同じ広さ。

今回の訪問ではドーハから離れ、
北西部にあるアルズバラを尋ねてみました。
と、言っても余裕で日帰りですが。

ドーハから車で60分から90分。
途中、ドーハの前の首都であったという町を通過。
(首都とは思えない)
砂漠地帯を走り、辿り着いたのがアルズバラ。
カタールで唯一の世界遺産です。

海の向こうには目視でバーレーンが見えます。

向こうに見えるのはバーレーン

正直な印象としては、がっかりな世界遺産。
個人的感想ですが、
えッ!これだけ?
そんな感じです。

現在残っている建物としては一つ。
周りを城壁に囲まれた城砦だけ。

カタール世界遺産 アルズバラの要塞

18世紀に建設された、歴史的には比較的新しい物。

この地域は、紀元前より天然真珠が採れ、
交易の拠点であったようです。

昔は天然真珠の産地

世界遺産の砦とその周辺の遺跡は、
18世紀に創られ、1811年には紛争で破壊され、
20世紀には人が住まなくなりました。

結果、
多くの遺跡が砂漠の中に眠っています。
完全な形で見られるのは現在の砦だけ。

オマーン編でご紹介したニズワフォートと
比べてしまうからなのですが、
少し物足りなさが残ります。

壮大なオマーン ニズワフォート

世界遺産になった理由としては、
湾岸地域の歴史上重要な遺跡ということで、
登録されたということです。

今後、砂漠に埋もれている街並み。
砂を除き、復元されると、
かなり見ごたえがある世界遺産になると思います。
ドーハの開発はどんどん進んでますが、
こちらはのんびりしたものです。

周りには採掘されていない遺跡が眠ってます

感動のゴーストタウン

正直、アルズバラの世界遺産遺跡については、
感動することはなかったのですが、

その近くに、凄いの見つけました。

近代になってからのカタールの激変を物語る廃村。
正にゴーストタウン。

アルジュマイルという廃村。
打ち捨てられた村。

かつてこの区画のような村であったアルジュマイル

海に接して作られた町。
見事なまでにゴーストタウン化。

まさにゴーストタウン

潮風と砂漠の砂の影響からか、
建物のほとんどは崩れ、
かつてはここに家があったのだろう。
というのが分かるくらい。

かなり古い遺跡と言われたら、
そうかと思ってしまうほど、
古代遺跡のような風貌。
なのですが、この街が捨てられたのは1970年代。
私が生まれてからのことなのです。

かつてはこの海で魚を採って暮らしていた
石塀の間はかつての路

海に接したロケーション。
崩れ果てた石積み。
その中でモスクだけは、
手入れされていたのか。
形を残しており、
近年、白く塗装されていました。

アルジュマイルのモスク ここだけはきれいにしてます

なぜ、この村がゴーストタウンとなったか。

それまでこの村に住む村人は、
夏場は漁業を中心に生きており、
冬場になると、オアシスがある砂漠地帯へ移動。
キャンプを張って生活していました。

決して裕福とは言えない過酷な生活。

天然資源により国民生活が激変

ところが、そんな生活を一変させたのが天然資源。
石油と天然ガスが見つかり、
国が一気に豊かになっていきます。

これまで魚を取って生活していた住民。
魚を取らなくても生きて行けるようになりました。

不便な田舎町を捨てて、
より便利な町へ出て行きます。

一気に人が住まなくなって放置された村。
それがアルジュマイル。

アルジュマイル 建物は屋根がない
アルジュマイルの村と海 

現在、
豊かになったカタール国民の大半はドーハへ一極集中。

現在のドーハは、
美しい建築の高層ビルが立ち並ぶ近代都市へ変貌。
一昔前のカタールの暮らしを垣間見ることはできません。

イスラム美術館より ドーハの高層ビル 計算された建築

お隣の国、UAEも同じで、
町で働いている労働者は外国人がほとんど。
インド、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン等。

ドライバーさんパキスタン人 車はランドクルーザー人気です

生粋のローカルであるカタール人やUAE人が
町中で働いている姿は、ほとんど見かけません。
旅行者の眼に触れるのは空港職員くらい。

あくせく働かなくても、
優雅に暮らしていけるようになった国民。
今のドーハやドバイなどを見ると、
全く想像できないですが、

つい数十年前までは、
この地、アルジュマイルにて人が生活。
朝から晩まで魚を取って暮らしていたのです。

私にとっては、こここそ、世界遺産にするべし。
そう思うのです。

カタール行くならアルジュマイルへ

カタールへ行かれた際には、
ドーハを離れ、一度は訪れてみてください。
観光地化されておらず、
道路も整備されてません。
人もおらず、公衆トイレもないです。

それでも一見の価値がある場所です。
私はいろいろな事を考えさせられました。

天然資源が見つかったことにより、
本当に国民生活が一変。
その背景には、君主制を敷く中東の国々。
天然資源により得た利益。
国民に分配しているからなのでしょうね。

ドーハ イスラム美術館(イランの展示物が多いです)
ドーハ カタール国立博物館(歴史が分かります)

私たちのような民主主義国家の国民からすると、
君主制(首長制)ってどうなん?
そう思う方もいるでしょう。

それでも多くの国民が不満なく暮らしている。
自国民を豊かにしているからなのでしょうね。

一部、出稼ぎ労働者については、
厳しい報道がありましたが。

イベント運営に力を入れているカタール。
天然資源の後の国家戦略を描いて進んでいます。

誘致に成功したF1グランプリサーキット 車窓から

50年後はどのような進化をしているのか。
非常に楽しみです。
私は生きていないでしょうね。(笑)

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本日も最後までお読みいただきありがとうございます。




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