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人それぞれONE PIECEの楽しみ方

やっとのことで、ONE PIECE現状最新刊である104巻まで追い付くことができました!

一巻を読むごとに千~二千文字の感想をUPしてからでないと、次の巻を読めないと言う制約を自らに課して読み進め、気付けば半年。

この半年の間には、ONE PIECEを読破する以外にも仕事で頻繁に出張に行っていた時期があったり、ファイアーエムブレム風花雪月無双をしたり、スプラトゥーン3をしたりしていた(全部羅列するとゲームしかしてないみたいになってしまう)わけで、なかなか余暇をONE PIECEだけに注ぎ込むことは自業自得なりに難しかったんだけども、振り返ってみれば意外と早かったのかな、と思う。

割りと速読な方なので、恐らく一巻ごとに感想を書くと言う縛りを課していなければ、ほんの一月もしない内に読み終えて「なるほど、確かに人気なだけあるね」と、ONE PIECEを勧めてきた持ち主に簡単な感想を告げるだけで終わっていたような気もするけれど、実際のところ感想を書きながら、じっくりと104巻まで読み終えてみることで、やっとONE PIECEの面白さに気づけたような気がする。今ではONE PIECEを勧めてきた張本人に自分の考えた考察を無理やり聞かせていたりするので、人は分からないものだ。

だけど、時には生活の中で重荷でさえあった感想縛りがあったからこそ、ONE PIECEをゆっくりと読み込み、リアルタイムで連載を追ってきた歴戦のファンたちと、少しは同じドキドキ感を持って読み進めて行くことができたような気がする。

ONE PIECEの感想を書き進めて行く上で気を付けていたのは、ネタバレだった。

それまではネタバレには、どちらかと言うと寛容なタイプのはずだった。
しかし、このONE PIECE読破においては折角の感想に、わざわざ取り繕ったような嘘は書きたくないけど、驚くべき展開にはちゃんと驚きたいからと言う理由で、ラフテルの真実をレイリーから聞かなかったルフィと同じくネタバレ断固拒否過激派と化していた。
つまるところ、感想を書く上で「マジで!?嘘おおおお!!」くらい書きたいけど、知ってしまうと、「知ってはいたが驚いた」くらいのテンションでしか書けなくなっちゃうのが嫌じゃん、と言うことだ。

だけれども、ネタバレを避けると言っても、相手は四半世紀連載を続ける世界的大人気漫画。知らない情報を知る読者は、身近なフィールドであるオフィスを見回すだけで無数であり、重ねて時は映画FILM RED へ向けていつにも増して大盛り上がり中だった。
その中で、私が避け切れなかった104巻までのネタバレを少し紹介してみたい。ネタバレ断固拒否過激派のみなさんは下記から読まないでくださいね。

①エースの死
これは最初にして最大の食らってしまったネタバレ。社内の飲み会でONE PIECEを読み始めたことを報告した際、酔っていたのか素面なのか、早々に同僚に「エースは死ぬ」暴露された。万死。
②モンキー・D・ガープ
出張中、フラリと寄った現地のリサイクルショップで、モンキー・D・ガープのフィギュアを発見。この名前、絶対ルフィの近親者だ。このままでは他の知らないキャラクターも発見してしまうと逃げるように店を出る。
③サンジには姉が居る
テレビを点けると、FILME RED公開に向けた特番のクイズ番組が放映されていた。その問題の解答シーンで、サンジには姉が居て、その姉がルフィにキスをしたことを知る。

などなど……このあたりが踏んでしまったネタバレでは大きいところ。特にエースの件は……ショック。何も知らずに期待したり落ち込んだりしたかった。
自らネタバレを求めなくても、普通に生活しているだけでネタバレにぶち当たる可能性があるのが難しい。
だけど、概ねは気を付けただけあって、新鮮な気持ちで読み進めることが出来た。遂にネタバレ回避生活とおさらば。随分と不自由な生活をしていた気分だったので、追い付いた今は解放感さえ覚える。

また、ONE PIECEを読んでいると伝えると、どの話が好き?と聞かれることが結構ある。途中、聞かれたときに「大きい話と話の間に挟まれる世界情勢」と答えたら驚かれた。こちらは驚かれたことに驚いた。
特にアラバスタ編が終わった25巻あたりで、怒涛のごとく重要人物が紹介されて、それまで朧気だった世界の勢力図が見えてきた。五老星、王下七武海、そして四皇……それらの名前が明かされたときの、世界観が広がっていく高揚感。
だけど、聞いてきた方は、むしろそうした幕間はつまらない方だと言う。特にデービーバックファイト編とか。否、そんなこと言わないで欲しい。こちらとしては、激闘と激闘の間に挟まれる、ちょっと一息吐ける日常編(デービーバックファイトは決して日常ではないけど)が、大抵のどの漫画でも好きなので、結構デービーバックファイト好きだったよ!?進撃の巨人で言うと、新リヴァイ班が隠れ家の掃除してるあたりとか大好きなタイプなもので……。
ちょっと話が逸れた。何が言いたいかって、どうやら向こうは、どの話が面白い≒どの戦闘の盛り上がりが最高にボルテージが上がったのか……つまるところ、主に戦闘シーンを楽しんでONE PIECEを読んでいるらしいと言うことだ。ちなみに大きな章で言うと、ドレスローザ編が好きらしい。
一方、こちらは主に世界の謎を知りたい一心で、手がかりになるピースを集めて楽しんでいる。だから、そうした情報が一気に放出されがちな幕間が好きであって、どこの章が好きかと言うと決めにくい。だけど、強いて言うなら、ウォーターセブン編~エニエスロビー編までが好きかもしれない。ロビンもアイスバーグさんもかなり好きなキャラクターだしね。

あとは、周囲の数人くらいの声から総合するに、あんまり評判の宜しくないらしい(同僚の彼女は昔ここでONE PIECEから離脱したらしい)空島編で、ロビンがジャヤの真実に気付いたシーンは個人的にテンションぶち上がっていた。
恐らく世界で一番好きな小説を挙げるとすると、J.P.ホーガンの「星を継ぐもの」を挙げることになるのだけど、その「星を継ぐもの」は言うなればSFの皮を被ったミステリーだと思う。その壮大な宇宙が人類に仕掛けた謎が綺麗に解き明かされたとき……そのときと、同じようなテンションの上がり方だった。空島編が好きで、星を継ぐものを読んだことがない方が居たら、ぜひ読んで共通点を味わって欲しい。

空島編……否、空島編に限らずロビン周りはすごくSFアドベンチャーしてる。ONE PIECEでは、ルフィと共に旅をする仲間たちは、航海を共にする上でらルフィの海賊王になると言う夢を一緒に追っているが、それぞれが自分の夢を追ってもいる。
ゾロは世界一の剣豪になるために、ナミは世界地図を書くために、サンジはオールブルーを見つけるために……などなど。
その中で、私はロビンと同じく歴史を知るために、と言う夢と同じ視点でONE PIECEを読んでいるんだと思う。戦闘シーンを重点的に楽しんでいる人は、強いて言えばゾロの夢と同じ視点で、と言うことになるだろうか。
ルフィたち麦わらの一味の夢もそれぞれなら、読者の視点も彼らの数だけ様々で、それだけ楽しみ方があるってことね。

また、その作品と、初めて触れ合った自分の時期、というのは結構重要だと思うんだけど、大人になって改めてONE PIECEに触れたからこその味わいと言うのもあった。子供の頃の自分では、きっと今楽しんでいるような謎解き要素は読み飛ばしていただろうから。
これは子供の頃にアニメで見ていたセーラームーンを、大人になってから改めて見返したときにも似たような現象があって、子供の頃には気づけなかった、作品に散りばめられた意味深なファクターについて、大人になってから初めて気づいて「ああ、こんなに深い話だったとは!」って、驚くという経験があるんだけど、たぶん今ONE PIECEを読んでい抱いている感覚に近いかな、と思う。
刑事ドラマみたいに大きいホワイトボードに顔写真とか相関図とか書きながらワイワイ考察してみたくなるよね。
周囲の大人でも、ONE PIECE追いきれてないけど考察動画を見るのが好きと言う大人は多いので、この考察しがいってのが、ONE PIECEの魅力でもあるし、ヒットする漫画は多かれ少なかれ、そういうところがあるのかもな。

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