6月23日 漠然と辛い

友達と話しながら帰る。また明日、と別れ道で交わす。1拍空いて、いや明日休みじゃん、と振り返るも遠くに背中が見えるだけ。走っている。相変わらずパワーが違うなと感心する。そして直ぐに見えなくなってしまったので、私も同じく家に向かう。家までは距離は短いけれど上り坂で、そこを1人ぽそぽそと歩く。

そういえば午前中は雨が降っていたな、といつもより黒いアスファルトを見てふと思い出す。行く時は降っていなかったから忘れていた。傘もないし。そしてそのまま地面を見ながら歩いていると、あっという間に家にたどり着く。

玄関の扉を開けて家にはいる。そのまま靴を脱いでリュックサックを背中から下ろす。すると、下ろした重さのぶん身体が軽くなるどころか、重たくなった気がした。あぁ今日も頑張って自分を騙していたんだなって。

でもそんなの、みんなそうだろ?みんな元気な自分を演じてる。元気いっぱいで走って帰っていった友達も、家に着いたら案外ぐでぐでしてるかもしれない。なんなら私よりもうまく演じてる。

そうか、みんな辛いのか。そうか、みんな大変なのか。それはわかった。でもだからといってこの気持ちが晴れるわけじゃない。安らぎもしない。

どんよりと雨が降る直前のまっ黒い雲がただ漠然と広がっている。せめて降ってくれればいいのに、無言でこっちを監視している。


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