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政治家

<タイトル>

クリームの作品に同名タイトルの曲がある。

<詞>

桑田佳祐
「世の中の正義を追求するのって楽なんですね、きっと。過激とか本音とか思われるけど、ちっとも過激じゃない。
だから、この曲ではインチキ万歳、オレが政治家だったらこうするもん、と歌ってる。」(1990年)

―「政治家」という曲は、今の政治家があまりにもヘンだから自然に出てきたものなんですか?桑田さんの作風として、皮肉れる権力は皮肉ってやろう、みたいなものはないと思うから、ああいう題材が出てくるのはよほどのことなのかなぁって思って聴いたんですけど。

桑田佳祐
「あれは逆にアンチテーゼっていうか、あんまり体制のことを悪口言うのは面白くないなって思ったんだよね。
“消費税反対!” とか、“今の政治家バカ!” とかっていうの、今の世の中では言うの楽でしょ?
それより反体制にケツを向けるというか、そういうロッカーがいてもいいんじゃないかなぁって思ったんだよね。

俺は例えば、汚職議員のことを題材にして詞を書いてたとしたら、それが怒りに変わっていくというより同情になっちゃうんだよね。自分自身の日常の感覚に似てるなあって思う。そういうタイプなんだよね。

だから、ボブディランで言えば<風に吹かれて>の “答えは風に舞っている” みたいなさ、ああいうのが好きなんだよね。なんか俳句っぽいし、<ライクアローリングストーン>の“ど~んな気持ちだい”とかっていうのはあんまり好きじゃないしね。

ジョンレノンがさ、新聞の切り抜きから<A Day In The Life>を作ったっていってたけど、新聞の一片の切り抜きでもさ、歌にすると凄く綺麗に舞い上がっていく。

(中略)

非常に世の中に間抜けなエピソードってあるでしょ。プロ野球でも好プレーもあれば珍プレーもある。国会だって好プレー珍プレーがある。そういうアナザーサイドの見方をね、日本人もするようになってきた。歌の中ではそれが露骨にできるでしょ。

だから、ほっぺたにシミのあるおじいさんも国会議員をやってるわけでしょ。そのシミの裏側にはどんな人生があるかなって“珍プレー”の見方もできる。だからそれを積み重ねていくと歌の題材には困らないなあって思う。」(1990年)

<曲・アレンジ>
私、この曲を聴くたびに漠然と “ああ、ビートルズだなぁ~” と思うのですが、それが何の曲かっていうのがさっぱり出てこないんです。どなたか教えてください。「恋をするなら」? 間奏のピアノソロは「Not A Second Time」だと思うんですが。

91年の年越しライブ「闘魂!ブラディファイト」の“サザン&ビートルズ合体メドレー”にもこの曲が挿入されていたので、何らかの“ビートルズつながり”があると思いまっせ。

<2000.03.11 記>

2019年(?)の「やさしい夜遊び」でこれをかけた後の曲終わりに

「(久しぶりに聞いたら)スティーリーダン入ってるよね、これ。」

と桑田さん言ってました。なるほど。

<2023.12.11 追記>

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