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流産-呪文を唱えながら-

出産前は、天気が良いと外に出たくなってじっとしていられなかった私。

そんな私が。流産してからは外に出ることが億劫で…一日中、家の中で過ごす日々。

最近、ミシンと刺繍セットを購入。黙々と何かを作っている時間が小さな癒し。

家の中では、旦那と笑える時間が増えてきたけど…

一歩外に出ると、ベビーカーやおもちゃを見つけたり、子連れの家族を見かけたり…今の私にはグサっと心に刺さる光景ばかり。

「いいなぁ」が積み重なると「辛い」になってしまう心。弱いなぁ…

先日、お供え用のミルクを購入しに行った時、「未開封でも返品できませんがお間違いないですか?」と念押しされた私達。きっと、赤ちゃんがいないからおつかいに見えちゃったんだろうな…

ちゃんと我が子はいるんだけど…いない。

我が子のために出来ること!と意を決して、ミルクを買いにお店に足を踏み込んだけど…撃沈。

外に出ると…世の中は、まだ50人に1人が流産を経験しているという現実が広まっていないんだなぁ。と痛感する出来事がたくさん。流産を経験した人はみんな、流産だけでも辛いのに。その後、たくさんの辛い経験を経てるんだろうな…辛かっただろうな。

外では自然と視線が下に向き、コソコソするように歩いてしまう自分。外に出ると笑えていないことに気付いた自分。何も悪いことをしていないのに。

だから外に出たくなくなっちゃう。

ただ。朝起きた時、カーテンを開けた瞬間。晴れていると自然と頬が緩む。嬉しくなる自分。

あぁ…やっぱり私は外の世界が好きだ。

桜が咲く頃には、桜の花を見上げながら散歩したいな。

「焦らず。ゆっくり。少しずつ。」

今日も呪文を唱えながら。自分に何度も言い聞かせながら、生きてこう。

糸-ito-

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