没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる 東京都写真美術館
『没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる』を見に東京都写真美術館に行って参りました。今回は予定が空いていた息子も一緒です。(無理やり)
行きしなの車中で「どんな展覧会なの?」の質問には「日本で1番有名な写真の賞があって、木村伊兵衛賞って言うんだけど、その木村伊兵衛の写真展」と返しまして「ふ〜ん」の回答。面白そうに説明できず反省…。
GW中というのもありますが、かなりの混み具合。シニアの方から若い男女まであらゆる層の方が来場されてました。
第1章『夢の島ー沖縄』からスタート。戦前の穏やかな日常の沖縄が収められていて混沌とし始めている今の時代への警鐘を感じる。
第2章『肖像と舞台』が個人的には最も良かったです。初っ端から、川合玉堂、上村松園、横山大観が並んでまして、三人三様、各人の個性がびんびんに伝わってきます。
天井高がとんでもなく高い和室で、とんでもなくデカイ画面に向かい、さてどう描くかと思案している玉堂を真横から捉えた《画室の川合玉堂》。高潔な高僧のよう。
そして、自宅の池の前で灯籠を背景に岩に腰掛けタバコを軽やかに手にし先をみつめる《横山大観》。日本画の大家と知らなければ、ヤクザの親分と言われても納得の凄みを感じます。
この2枚を見れただけで来たかいあり。
その他、志賀直哉、谷崎潤一郎、永井荷風など、どれも文豪感が凄く伝わってくる作品ばかり。なんていうんでしょう、どれも気品があるんですよね。撮られている人物に元々備わっている、最も良い部分を引出して捉えている感じがしました。
その後、『第3章 昭和の列島風景』『第4章 ヨーロッパの旅』『第5章 中国の旅』『第6章 秋田の民俗』と続きラストが『第7章 パリ残像』。
木村伊兵衛のカラー写真初めて見ましたが、凄く鮮やかでフレッシュ感満載。
息子にどれが1番良かった?と聞いたら、最後に展示されていた《霧の夜、バルザックの銅像》とのこと。霧がかった広場を街灯が照らすカラー作品。確かに綺麗。木村伊兵衛のカラー写真がより世に広がれば若い人たちへの認知度も高まるのでは、思った次第です。
その後せっかくなので山種美術館の『花・flower・華2024』も梯子しまして、写真で見た横山大観と上村松園の作品も出ていたので一緒に確認。ちなみに1番良かったのは速水御舟の《墨牡丹》だったということでクリアファイルを購入して帰路に着きました。(うーん渋いけど分かってる!)
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