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人生の振り返り 迷いそして決断

インターフェロンの注射は、
半年位続けた。
脱毛が止まったのは安堵した。

定期的に通院をしていたが、
インターフェロンの結果は、
思うように出ていなかった。
あの当時の私は、奇跡を信じていた。
毎回通院した時に、先生から治ったよと
言われるんじゃないかと
何も根拠の無い期待をしていた。
そんな甘い話しは、勿論無い。
勝手な期待が大きい程、診察室から出ると
悲しい気持ちになる。
会計待ちの席で、下を向きながら、
泣いたことも何度もある。

私は、この日から、期待をしないと決めた。
期待した程、受けるショックが大きいからだ。
自分自身に期待しない。
他人に期待しない。
未来に期待しない。
自分の感情に蓋をして生きることが、
私の生きる術になった。

ある日の通院日、主治医から、次の段階の
話しがあった。
骨髄移植をするか、まだ認可がおりてない
薬を待つか、次回の診察までに決めて欲しい
と言われた。
難しい決断だなと思ったが、あくまでも
クールに装った。

骨髄検査で、肉身と適合はしなかった。
移植するならドナー登録が必要になる。
その間に急性転化すれば、かろうじて
父の骨髄を移植とは聞いていた。
かろうじてする移植、上手くいかない
ことは分かっていた。

両親には、相談をしなかった。
唯一、相談したのは、母の姉と伯父だった。
伯父は、40代から透析をしていた。
体調悪い日もあったが、家族の為に
働いて頑張っていた。
そんな伯父に相談したかったんだろう。

あの当時の私は、骨髄移植をする勇気は
無かった。
死ぬかもしれない。
亡くなったAさんのことも思い出す。
迷ったあげく、まだ認可されてない薬を
待つことにした。
薬が効かなかったら、移植をしようと
心に決めた。

先生に、薬に挑戦したいと伝えたら、
「今日、ちょうど薬が入ったんだよ」と
言われた。
なんともタイミングが良かった。

奇跡とまでは言わないが、
自分はラッキーなんだと思えた
一瞬だった。
希望の光が見えたのかもしれない。
でも期待はしない。
これが私の生き方。



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