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夢と車輪の下

少し前に怖いような何とも言えない夢をみました。
普段夢の内容はすぐに忘れてしまうのですが、この夢のことは覚えていました。

次のような夢です。
(少し過激な部分があります)

気が付くと僕はどこか広い中庭のような場所に立っていました。
肌寒いくらいの季節で、冬が迫っている秋のよう、
時間帯はまだ明るく、夕方くらいでした。

地面は一面枯れた芝生がひろがっていて、
西洋風のきれいな建物が立ち並んでいる敷地でしたが、
雰囲気的には収容所のようで、怖いなと感じていたように思います。

建物の窓はどこも大きく立派なものでしたが、
真っ黒で内部が全く見えません。
怖さから、「ここは、危ない人たちがいるのかな、、」などと言った考えが浮かんでいました。

大きな建物に沿って庭を歩いていると突然、
目の前に近づいてきている建物の角から、すっと誰かが静かに表れたのです。

そこから現れたのは、
背がとても高く、すごく痩せている高齢の男性でした。

靴は履いておらず、服装は病院の患者さんが着ているような白いワンピースで、少し薄汚れていました。

顔は無表情で、片手に何かを持っています。
それは人の生首の様に見えたのです。

そこで、バッと恐怖が全身に走り、瞬間に緊張が頂点に達しました。
「これはまずい」、「脱走してきてしまったのか」、
などと様々な恐怖や不安も頭の中に湧き出てきました。

するとその男性は突然こちらに向かって走ってきたのです。
僕は全力で逃げました。
ただどこに向かって逃げたらいいのかもわからず、広い中庭の方へ走り出すと、中庭の中央あたりに誰かがいるように見えました。

何も考えず必死でそちらに走っていくと、
そこには、横に木が一本生えている、水たまりというには大きすぎるような水たまりがありました。

先ほど見えた人物は、その水たまりの中央で椅子に座り、
イーゼルに立てかけたキャンバスに向かって何か油絵のようなものを夢中で描いていたのです。

その人物はスキンヘッドで少し赤みがかったような肌をしていて、
少しくたびれたスーツのような恰好でした。
ただし顔は人間のようではなく、目は青っぽくすごく小さくて、
鼻と口が異様に長く、くちばしの様になっていました。

その人物はこちらのことは全く気にもとめず、夢中で絵を描き続けています。
僕を追いかけてきている男性も、この絵描きの人物には全く反応を示さないようで、こちらに向かってきます。

僕はまた必死で違う方向に向かい走り始めました。。

夢はここで途切れています。
この夢を見た後数日間は、あれはどういうことなんだろう、
なぜあんな見たこともないような場所のあんな怖い夢をみたのかな、、
などと考えていましたが、時間が経ち、気にもしなくなっていました。

ここからすこし話がとびますが、
少し前に、ヘルマン・ヘッセさんの「車輪の下」を読み、
この物語はヘッセさんの少年時代の神学校での葛藤なども表れているということで少し調べていました。
すると、マウルブロン修道院というものにあたったのですが、
このマウルブロン修道院の写真を見た瞬間、先ほどの夢が瞬間に思い出され、「ここだ、、」と感じたのです。

その時初めてマウルブロン修道院を見たのに、なぜそう思うのか、
自分がそのように自己暗示しているだけなのかな、、
無理やり意味をつけようとしているのかな、
などとも思いましたが、瞬時に「ここだ、、」と感じたことに何か意味があるのかと考えずにはおれず、それをこちらに書き出してみました。

ユングさんや河合隼雄先生の、夢分析というものをこれについて行ったとしたら、
自分の中のどのような色彩が現れてくるのかなどと、
興味を持たずにはおれませんが、これもまたとても難しいことで、
今後の道を歩んでいく中で少しずつ味わっていきたいと思います。

なんだかシリアスな雰囲気になってしまいましたが、
笑えるような楽しい夢も覚えておきたいものだなと感じました。。笑

それでは!












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