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週末レポート;ホームステイ先の夢

フランスにまたしても行った。
今回は、飛行機での移動は短く感じた。
あっという間だった。
腰も痛くならなかったし、脚もむくまなかった。
すぐに着いた。

宿泊のホームステイ先は日本人家族がいる一軒家。
外見は街並みに馴染んだフランス様式だが、中に入れば、日本式。
畳のある部屋に障子やツヤのある濃くて茶色い廊下。
畳の敷き詰められている居間いっぱいに、ヨーロッパ式の絨毯が敷かれていて、
やや片隅よりに、マホガニーの円テーブルと椅子が置かれている。
小さな男の子と女の子がおばあさんの両隣に座っていて、
折り紙の折り方をじっと見ている。
お姉ちゃんなのだろう、女の子は時折、私の方をチラチラと盗み見ている。
「こんにちは」と言ったらよかったのに、折り紙と私を見る女の子にうまくタイミングが合わせられずに言えなかった。私は、その女の子よりも未熟だ。
私の部屋へ案内され、雑事を済ませると、すぐに街へと出かけてしまった。
『あいさつ、しなきゃダメだった…』と後悔と反省をしながらも、
坂の上から見える街の様子に、ワクワクが止まらず、すかさず駆け降りていった。

川ではスリッパのようなものを履いて、水面を滑ったり、
マルシェで花をごっそり買ったり、
移動式サーカスのテントを見たりした。

夕方、坂を上り、ステイ先に着く。
ところどころ、はげている白いドアを開けると、中は不思議にもやはり日本の部屋だった。どこでもドアのように、日本と繋がっているような感じだった。

反省した通り、帰ったら、家族全員に再度、挨拶をした。
そして、マルシェの花束を渡した。
着物を着たおばあさんに各部屋を案内してくれるよう頼むと、快く案内してくれた。
仏頂面で話しかけにくかったが案外、優しいのかもしれない。

「これは、蚤の市で見つけたもの」
「これは、私の姉が作って日本から送ってくれたもの」
最後は、
「内装は和室としてリフォームするよう、私が言い出したのだ」
と教えてくれた。

最後の一言は私がなぜかひどく納得した言葉だった。
フランスも日本も好き。どっちかではなく、どちらもバランスよく取り入れる。
異国の地でも、自分がリラックスできるよう、
新しいスタイルに確立してく様をかっこいいと感じた。

時計を見ると、午前11時29分。
私の母の声がする。
「もう、お昼になるよ」
あぁ、どうりで到着するのが早かったわけだ。

高校生以来の睡眠時間を、フランス旅の夢に費やしていた。

また、フランスへ行きたいと確かに私は思っている。
起きて、はっきりと確信した私なのであった。

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