「明日どうしよっか？」

金曜日の夜に、あなたに尋ねた。

「うーん、何するかなぁ」

そうのんびり答えながら、あなたは犬のチョコを膝に乗っけてよしよししてる。

キッチンでチーズとワインを用意する。金曜日の夜はこうして二人で少しゆっくりしながら週末の予定を立てるのがいつもの私たち。

あなたに撫でられながら、チョコは幸せそうにときどき目を閉じる。

ソファに座ってるあなたの隣に私も来て、ワインのグラスを傾けた。フルーティーな香りとともに一口飲み込んだ。

私もチョコに手を伸ばしてふわふわの毛を撫でる。

とっても小さいチョコ。ほんとかわいい。ついニッコリしちゃうな。

「かわいいね」

そう呟いた言葉が二人同時だった。

私はうんうんと頷いた。

そしたらあなたはこう言ってくれた。

「かわいいのは君だよ」

え、あ、うん、そっか、ありがとう。

ぎゅっとあなたにくっついたら、チョコがびっくりして、ぷるっとふるえた。

#掌編小説 #あなた