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樹氷を見に行く②

去年の12月、雪山に初めて登った。

そしてまた、最高の登山日和に樹氷を見に行ってきた。家から10分くらいのところに登山口があるので、雪の状態や天気他、絶好のチャンスを狙って待っていたのだ。正直なところ登山は初心者レベルである。雪山なんぞ、装備の名前も何も手探りで揃えたばかり。

振り返れば小学生の時、毎朝山登りかマラソンが交互にあり、学校の裏山を駆け回っていたので、山登りは特別なことではなかった。小学生の夏休み、親子登山という行事で立山と新穂高に登ったことがある。たぶん登山慣れしている人が連れて行ってくれだんだと思う。今思えば貴重な体験をさせてもらえていた。

大人になってからは山の中に移住してきて、公民館行事で近くの山に登ることが数回あったくらいだ。もう何年も登っていなかったけれど、久々に山登りの楽しさを思い出したのが今回登った山だった。去年の春から4回目。初めての雪山はさすがに慣れた人に連れてってもらおうと思っていた。

でも、初雪のあと一人で登ってみて、装備を揃えて気象条件も穏やかな日なら自分のペースで登ったほうがいいかも、と思い直してひたすら待った。YAMAPで登った人の活動日誌をのぞかせてもらい、山頂の雪の状況、風速、天気予報、などなど毎日チェックして機会を狙っていた。

土日は100人近い人たちが押し寄せるので、条件がよくても登らないことに決めていた。平日で前日に雪が降り、朝から雲ひとつない晴天で一日晴れ予報の日。今日こそは、と決めて早朝に家を出た。私の前に車が3台。7時前に登山口から登り始めた。

朝日に背を押されて進む

しばらく歩くと、朝日が木々の隙間から差し込み、真っ白く積もった雪がオレンジ色に染まる。日の出の時間に森の中にいないと巡り会うことのできない光景だ。標高1,600mちょっとあるので、山頂付近まで来ると樹氷が見え始める。

息をのむ美しさ

途中で2人抜かしたので、先の一人分の足跡を頼りに山頂へ到着。さらに先の山頂まで行くと、中央アルプスと南アルプスを望める絶好のポイントがあるので、ワカンを履いてそこを目指す。前の人の足跡がなければ道が分からないほど雪が深いので、一番乗りでなくてよかった。360℃、雲一つない晴天。この日を待ったかいがあった。足跡を残してくれた人はさらに先へ向かったようで、後ろの人が追いついてくる様子もなく、最高の景色を独り占めする贅沢なひとときを味わった。

どこまでも青い空

念願の青空と樹氷のコントラストは一応見られたのだけれど、贅沢を言えばもう少し樹氷が成長していたらよかったなぁ、と思う。1月に雪があまり降らなかったせいか、モンスター級に成長した樹氷には出会えなかった。またいつか、リベンジで見に行けたらなぁ、と思う。

厳しい環境の中で生きる姿は、本当に美しい

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