ハヤブサ(猛禽類)の調教でやってはいけないワースト9

以下は筆者がハヤブサを初めて調教した際にやってしまった9つの失敗です。
どれも知っていれば防げることなので、読者のみなさんの参考になれば幸いです。

やってはいけないその1

行為:ハヤブサの目を見つめた
結果:ハヤブサが怯えて餌をなかなか食べない
対策:調教中の猛禽に接するときは目をそらす
目を見つめる行為は、慣れていない猛禽には「脅し」として受け取られます。
人間は危害を加える存在ではないと猛禽に理解してもらうことが調教のスタート地点です。
詳しいエピソードは『ハヤブサ使い』第2話に書きました。

やってはいけないその2

行為:ハヤブサの上に覆いかぶさるような姿勢をとった
結果:怯えたハヤブサが逃げ出そうとして暴れる
対策:調教中の猛禽に接するときは姿勢を低くする
これはやってはいけないその1と同様に、
慣れていない猛禽にとっては「危害を加えられる前触れ」として受け取られる行為です。
猛禽のパーソナルスペースを尊重します。
詳しいエピソードは『ハヤブサ使い』第2話に書きました。

やってはいけないその3

行為:ハヤブサの体に無理やり触ろうとした
結果:手をひどく噛まれる
対策:猛禽が嫌がったら触らない、噛まれても手を引かない
人間に刷り込まれた(インプリント)個体は比較的どこでも触らせてくれますが、
親鳥に育てられた猛禽はそうはいきません。
調教が進み、人間に慣れるにつれてある程度の接触は許容してくれるようになるので、
焦ってしまうと逆効果です。
噛まれたからと言って手をひっこめると、噛めばうっとうしい奴(人間の手)はいなくなる、
とハヤブサが学習してしまうので、噛まれても手を引かずにじっとしておきます。

やってはいけないその4

行為:ハヤブサの体重を急に変動させすぎた
結果:ロスト(猛禽が飛び去ってしまうこと)未遂、低体重
対策:1日に体重の1,2パーセント以上を超える変動は避ける
狩りをする(食べる)ために飛ぶ猛禽は、食欲を利用して調教しますが、
そのためには知っていなければならないことがあります。(参考文献)
詳しいエピソードは『ハヤブサ使い』第4話に書きました。

やってはいけないその5

行為:ルアー(疑似餌)をつかんだハヤブサに不用意に近寄った
結果:ルアーを持ち逃げするようになった
対策:ルアーについた肉を食べ終えるのを待ってから、もっと美味しい餌をグローブに握って近寄る
ルアーをつかんだ猛禽は、苦労して自分が獲物をしとめたと考えているのでしょう。
そこへ人間がずかずかと踏み込んだら、獲物を横取りしに来たとみなされても不思議はありません。
ルアートレーニングの最初の1,2回は、ルアーにつけた肉を食べる猛禽を邪魔せず、
食べ終えるまで待ってから、もっと美味しい肉を見せながら接近すると
ファルコナー=うまいものを持ってくる良い奴と学習してくれます。
詳しいエピソードは『ハヤブサ使い』に書くかもしれません。

やってはいけないその6

行為:ハヤブサにフード(目隠しの頭巾)をむりやり被せようとした
結果:フード嫌いになった
対策:フードを被るとメリットがあるとハヤブサに理解してもらった
猛禽は罰を理解しないので、嫌なことを強制することはできません。
なのでオペラント条件づけを用いると調教がうまくいきます。
詳しいエピソードは『ハヤブサ使い』第5話に書きました。

やってはいけないその7

行為:猛禽の自然な発達段階と時期を無視した
結果:ハヤブサが自力で狩りに行ってしまった
対策:猛禽の自然な発達段階に合わせて調教計画を組み立て、遅れずに実行する
鷹狩り用の猛禽の調教方法には、親鳥が雛を自活できるように育てる過程が応用されています。
その過程は遺伝的にプログラムされたものなので、順序を入れ替えたり遅らせたりすることはほぼ不可能です。
言い換えると、人間の都合でまだ狩りをしないでほしい・・・というのは無理なリクエストです。詳しいエピソードは『ハヤブサ使い』第9話に書きました。

やってはいけないその8

行為:高燃費のハヤブサに適さない餌を与えていた
結果:実力を100パーセント発揮できないフライト
対策:赤身の鳥の肉を与える
ひとくくりに動物の肉と言っても、種類によって栄養価が異なります。
栄養が偏った食事では全力を発揮することができません。
詳しいエピソードは『ハヤブサ使い』に書くかもしれません。

やってはいけないその9

行為:野生の猛禽がいる場所でハヤブサをフライトさせた
結果:食われかけた
対策:野生の猛禽の存在が確認できるか、疑いがあるときはフライトを中止する
基本的に単独で生きる猛禽は、縄張りに侵入した他の個体を排除しますが、
殺し合いになることがしばしばあります。
詳しいエピソードは『ハヤブサ使い』に書くかもしれません。

番外編

あなたの猛禽がどんな風に育てられたか把握しておくと調教の役に立ちます。
わたしが買ったハヤブサはおそらくインプリント(人間に刷り込まれた)個体と
言われていましたが、のちにブリーダーに確認したところ、親鳥が育てた個体だと判明しました。調教中、慣れるスピードが遅いなあと思っていたのですが、親鳥が育てた個体なら無理もありません。
同種のインプリント個体を見せてもらう機会があったのですが、振る舞いは手乗りインコのようで、明らかに違いがありました。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

2

KT

ハヤブサ使い

最速の肉食鳥、ハヤブサを調教して鷹狩をするドキュメンタリー。 全11話。 第一話無料公開中。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。