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大正モダンめぐり in 大阪<阿波座&中之島>

話は前後しますが、前回の旅行記に書いた、城崎温泉へ出発する前に、半日大阪の街をぶらぶらしました。
まずは前から気になってた、阿波座駅近くのクラブコスメチックス文化資料室に伺い、その後、中之島の明治・大正レトロ建築めぐりをしました。



♣︎クラブコスメチックス文化資料室<阿波座>


1903年(明治36年)創業の老舗、クラブコスメチックスさん。(→沿革
私にはマリー・クヮントの親会社のイメージが強いですが、明治〜昭和初期にかけて、有名な「クラブ洗粉」や「美身クリーム」「ホルモンクリーム」などの次々とヒット商品を生み出した、リーディングカンパニーであったようで、こちらの文化資料室では、当時の広告や商品のラベル、ノベルティなど、歴史をたどりつつ大正モダン・昭和レトロな素敵なデザインを多数見ることができます。
*事前予約制なので、電話かメールにて、希望日の前営業日の17時までに申し込みが必要です。当日は受付に担当の方が迎えに来てくれ、部屋へ案内していただけます。

文化資料室はクラブコスメチックスの本社の1階にあります。
地下鉄阿波座駅1番出口のすぐそばです。


今回は常設展のみの見学でしたが、過去の企画展で気になったものがあったので、お願いしてパンフレットをいただくことができました。2024年は企画展の予定はないそうで残念ですが、またこういった特別展も開催して欲しいです。


パンフレットいろいろ。
文化資料室さんのサイトでもpdfで見ることができます。


ちなみに、こちらの本を読んで、文化資料室の存在を知りました。後に資生堂のデザイナーとして有名になる山名文夫山六郎、東郷青児といった面々が広告や意匠を手がけていたそうです。フランスのファッションプレートやオーブリー・ビアズリーのイラスト、アール・ヌーボーやアール・デコから影響を受けたというデザインは、今見ても、とてもモダンでお洒落。「萌え〜」っと、いつまでも眺めてしまいます。(笑)


そして「プラトン社」とは何ぞや、ですが、こちらは大正〜昭和初期に『女性』『苦楽』という文芸娯楽誌を出版していた、クラブ化粧品のグループ会社です。
私は泉鏡花の『りんだうとなでしこ(竜胆と撫子)』の出版元として名前を知り、調べてみたらこの本を見つけて、クラブコスメチックスさんと繋がった、という訳でした。そういえば、鏡花先生の随筆の初出誌で『女性』『苦楽』の名前を見かけたし、「玉造日記」にも旅の出資者として名前が出ていましたっけ。

左側は『りんだうとなでしこ』(大正時代の本!普通に読める状態です)。
検印の台紙のデザインがかわいいです。


♦︎中之島のレトロ建築

その後、中之島へ移動して中之島図書館大阪市中央公会堂へ。明治時代に建てられた大規模な西洋建築で、改修は行われているものの、当時の建物がそのまま残っています。

以前訪れたダイビルといい、中之島のレトロビル群は魅力的で、どちらも美しい当時の意匠を保存しつつも、ファシリティ等は使いやすいようにリノベーションされていて、建築当時の先進的な姿勢はこういうところに受け継がれているのかも、と思いました。

❤︎中之島図書館


図書館の入り口。
一瞬、国会議事堂かと思いました。


ドーム型の天井にはステンドグラス。


中央の階段。


入ってすぐの階段が印象的。モスグリーンがかった、ちょっとくすんだ色合いが好みです😊
それぞれの部屋は小さめですが、結構長い廊下で、奥に奥に続いています。私の通っていた高校が古い建物で、確か板張りだったので、ちょっと懐かしい雰囲気。
やはり人気撮影スポットなのか、ちょうど雑誌か何かの取材中でした。

古文書やビジネス関係の資料がメインの図書館で渋いですが、ギシギシと音のする年季の入った階段を登ると、2階に落ち着いたいい感じのスモーブロー(デンマークのオープンサンド)が食べられるカフェがあり、まったりランチしてきました。


秋野菜のローストとハムのオープンサンド。godt(=美味しい)でした💕


入り口から見えていた、半円型の太陽のようなデザインの窓が印象的な記念室(アイキャッチの写真)が自由に見学できたり、ミニ展示で江戸時代の占いの本が展示されていたり(歌川国貞の挿絵入り)、展示室に2025大阪万博と絡めてExpo ‘70当時のグッズが展示されていたりと、なかなか楽しめました♪



♠︎中之島中央公会堂


赤煉瓦が確かに東京駅っぽいです。


東京駅を手掛けた辰野金吾による建築。コンサートホールと大小幾つもの会議室がある、イベントホールと行った感じでしょうか。
今回はマルシェイベントに出展していた友人に誘っていただいて、イベント開催時しか入れない、中集会室へお邪魔してきました。

中会議室


映画に出てきそうな、舞踏会が行われるホールといった趣きのお部屋で、高い天井とシャンデリア、アーチ型の天井やステンドグラス、天井に描かれた鳥の絵が印象的でした。階段の欄干のデザインも素敵です。


天井画が綺麗でした。大空を飛ぶ鳥の絵が良いです。


お気に入りの1枚。


「ブギウギ」ロケ地だそうです。


こちらでは定期的にガイドツアーも開催されているようなので、また機会があれば参加してみたいと思っています。


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