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【活動報告】マルモカンファレンスに登壇@JPCA冬セミ

2024年2月10日、ファミラボメンバー数名で、第19回若手医師のための家庭医療学冬期セミナーにてセッション講師を務めてきました。

「マルチモビディティをバランスよく見るための妄想力を鍛えるカンファレンス(通称マルモカンファレンス)をやってみよう!(ファミラボコラボ編)」というタイトルで、南砺市民病院の大浦誠先生が中心にされている多職種を交えたマルモカンファレンスとファミラボがコラボいたしました。

講師はなんと総勢25名。医師、看護師、薬剤師、歯科医、看護師、歯科衛生士、鍼灸師、初期研修医、医学生などなど、職種も多様、所属も多様なメンバー構成で、参加者とともに、事例に何が起きているのか、多角的に掘り下げていく会になります。

症例は、精神疾患を患い、身体症状が出てしまっている患者さん。家庭医として寄り添っていくために必要なことを皆で考えました。

我々がよく行なっているファミカンでは、家族図を見ながら、家族に何が起きているか想像します(もちろん多方向からの視点も忘れていませんが)。しかし、そんな私たちのやり方とは異なり、マルモカンファレンスのみなさんは切り口が斬新でした。

印象的だったのは、患者の「お祭りで笛を吹くのが自慢」という情報に対する「笛は縦笛ですか?横笛ですか?」という質問。

そこから、歯科の専門家たちが「歯があるかないかで笛の音色が変わる(歯がなくなると、患者の自信喪失につながりうる)」「(フルート奏者が場内にいるぞ)どうだ?」「(歯並び)大事ですね」など話題が紡がれます。

プレゼンターからの限られた情報から、多様なバックグラウンドの講師・参加者が妄想し、想像を膨らませることで、患者さんのコンテクスト(背景)が形作られたり際立っていきます。

そうして、皆で、症例患者さんの人間像・生活像が描かれていく、共有されていく感覚を得ました。また、人の意見・視点に触れることで、自分の視野が随分限られていたこと、広がっていくことにも同時に気づきます。

徐々に参加者も議論の輪に入っていきます。

そのようなディスカッションを、全ての人に配慮しつつ必要な視点には触れながら盛り上げていく、マルモカンファのタクトを振る大浦先生のファシリテーション力も圧巻でした。あっという間の90分間でした。

ファミラボからも、親密関係と融合関係の違い、血縁関係にない親密関係の他者との関わり、アルコール依存と原家族体験の関連性、愛着関係が築けなかった方の対人関係の特徴と関わり方についてコメントさせていただきました。

家族志向ケアでも、患者さんやその家族が置かれている状況や何が起きているかを想像して予想し、実際どうなのか確かめていく作業がとても大切になります。

貴重な機会をくださったマルモカンファレンスのみなさんと参加してくださった方々、セミナーを運営して下ったスタッフの皆様に感謝します。

3月31日までオンデマンド視聴ができますので、関心ある方はぜひご視聴ください!(要登録)

今後もファミラボでは様々なセミナー、勉強会を企画していきます。こんな勉強会して欲しい等ありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆:村山愛(君津中央病院大佐和分院)
編集:宮本侑達(ひまわりクリニック)田中道徳(岡山家庭医療センター)



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