ファミラボ:プライマリ・ケア医のための家族支援研究所

医療者が家族支援について学び・深めているコミュニティです。家族と医療・健康に関わる情報…

ファミラボ:プライマリ・ケア医のための家族支援研究所

医療者が家族支援について学び・深めているコミュニティです。家族と医療・健康に関わる情報やイベントなどをお届けします。https://www.facebook.com/familabo113rd/ お問い合わせ:https://forms.gle/SoRrCeCswAqv4dxf6

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ファミラボとは

ファミラボは医療現場で働く医師が家族支援について学び・深めているコミュニティです。 家族と健康に関わる情報やイベント・活動などをお届けしていきます。 私たちがどんな団体なのか、簡単に紹介したいと思いますのでよろしければお付き合いください。 ファミラボ設立の理由医療現場ではたくさんの家族や家族問題と出会います。 病院・診療所では、外来・病棟・在宅といった状況問わずたくさんの家族と関わります。通院中の方のうち約30-45%が何かしらの家族問題を自覚しているとされます。

    • 第38回ファミカン東京(2024/3/27開催)

      今回のプレゼンターは、亀田ファミリークリニック館山の吉羽詩織先生です。事例は数年来にわたる疼痛を訴える前期高齢者でした。 ディスカッション ・困ってはいるが、アドバイスを受け入れられなかったり、何もしてくれないと支援者の気分を逆撫でする。困りながらも助けてもらうのではなく、差し伸べられた手を振りほどくことで、自分の中の無力感や不全感を相手に共有する。言語メッセージと非言語メッセージの不一致の反撃を受動攻撃性という。 ・受動攻撃性が強い場合、治療者が何かしようとすればする

      • 第10回ファミカン三重(2024/2/22開催)

        今回のプレゼンターは、津ファミリークリニックの向原千夏先生です。事例は、胃腸炎症状を主訴に来院し不登校が判明し、定期的に診療をした男児の事例です。 ディスカッション ・家族の過去の大変だった時期に家族がどんな様子だったのか。大変な時期では家族内のフォローがないため、子どもが自分の気持ちを言語化する機会が少なく、感情の学習が乏しい可能性がある。 ・親の心理的ケア役割を担わざるを得なかった親化した子どものため、家族関係に揉まれることも少なかった。そのため、中学校の上下関係に

        • 第15回ファミカン岡山(2024/3/6開催) 

          今回のプレゼンターは、鳥取大学医学部地域医療医療講座の大塚裕眞先生です。事例は、自閉症スペクトラム障害が疑われる中年女性です。パートナーと同居されており、喧嘩を繰り返したり、精神的に不安定となると医療機関に受診することを繰り返されておりました。 ディスカッション ・この方の目標(ゴール)は何か?それを見えないとどうすべきか見えない(この人はどうなったら幸せなのか?本人を軸に「どうしたいの?」が大きな筋としては重要) ・関わる側として時間を決める、接触する頻度を決めるなどの

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        • ファミカン(事例検討会)
          7本
        • ファミクル『家族ライフサイクルを深める』
          4本
        • 活動報告
          15本
        • ファミクル『共感について』
          5本

        記事

          ファミクル「家族ライフサイクルを深める」 第4回 子どもとともに変わっていく家族の形:小さい子どもがいる家族の理解とサポート

          「小さい子どもがいる時期」の家族は、どのような支援を必要とするのでしょうか?  新たな家族と出会い、幸せな気持ちに満たされる一方、さまざまな不安や葛藤を目の当たりにしたことがある方も多いのではないでしょうか。この記事では、この時期の家族が直面する課題と対処法について解説します。 新たな家族を迎えた家族への支援を、一緒に考えてみませんか? 小さい子どもがいる時期に求められる姿勢とは 「小さい子どもがいる時期」というのは、家族にとって新たな章の始まりです。この時期は、今ま

          ファミクル「家族ライフサイクルを深める」 第4回 子どもとともに変わっていく家族の形:小さい子どもがいる家族の理解とサポート

          【活動報告】マルモカンファレンスに登壇@JPCA冬セミ

          2024年2月10日、ファミラボメンバー数名で、第19回若手医師のための家庭医療学冬期セミナーにてセッション講師を務めてきました。 「マルチモビディティをバランスよく見るための妄想力を鍛えるカンファレンス(通称マルモカンファレンス)をやってみよう!(ファミラボコラボ編)」というタイトルで、南砺市民病院の大浦誠先生が中心にされている多職種を交えたマルモカンファレンスとファミラボがコラボいたしました。 講師はなんと総勢25名。医師、看護師、薬剤師、歯科医、看護師、歯科衛生士、

          【活動報告】マルモカンファレンスに登壇@JPCA冬セミ

          第37回ファミカン東京(2024/1/24開催)

          今回のプレゼンターは、南砺家庭・地域医療センターの清水洋介先生です。重度認知症高齢者の介護をめぐる、子どものきょうだい葛藤がある事例でした。 ディスカッション ・長女のこだわりの強さ、言葉をそのまま受けとるコミュニケーション、これまでの生活歴からは、ASDの可能性もある。 ・葛藤の背後に次女は両親を取られた、という不公平感があったとかもしれない。 ・堅実的な原家族の中で、堅実的な道を歩んだ次女に対して、異質だが自由奔放に生きた長女に対する次女の反発もあるかもしれない。 ・き

          【活動報告】ちちぶ圏域ケア連絡会研修会にて講演

          2月3日にちちぶ圏域ケア連携会議研修会において、当団体代表宮本医師と顧問山田医師が「事例から学ぶ明日から役立つ家族療法のエッセンス」と題した講演会を行いました。 秩父地域 は「ちちぶ版地域包括ケアシステム」 と呼ばれる1市4町協働で地域包括ケアシステムを有し、全国的にも珍しい体制です。 毎月行われる勉強会の頻度の高さから、医療福祉関係者の意欲の高さを感じられました。また、医療従事者の中にはラジオ番組をされたり、コロナ禍以前は住民の方に演劇を行ったりとさまざまな活動を展開し

          【活動報告】ちちぶ圏域ケア連絡会研修会にて講演

          第14回ファミカン岡山(2023/12/13開催) 

          今回のプレゼンターは、都立松沢病院/給田ファミリークリニックの志水健太先生です。事例は、愛着障害を抱え、母親を巻き込んだ「確認行為」がやめられない思春期女性でした。 ディスカッション ・個人レベルでは愛着障害+複雑性PTSDの要素あり。基本的安心感が育っておらず、他者との安定した関係を求めている。 ・強迫行為というより、母親への試し行為という意味合いもありそう。また母子のコミュニケーションは伝わらない事が積み重なって、分かりやすい『物』の要求になった可能性はある。また、

          【活動報告】シンポジウム「一歩先の家族支援〜家族療法の視点から考える日常診療〜」報告(第2回日本地域医療学会学術集会)

          2023年12月15-17日に日本地域医療学会の第2回学術大会が三重県志摩市にて開催されました。 日本地域医療学会は2021年に設立したばかりの学術団体で、地域における保険・医療・福祉・介護等の研究・教育・技術の向上を目的としております。 ファミラボ運営メンバーである宮本、村山、若林でシンポジウム「一歩先の家族支援〜家族療法の視点から考える日常診療〜」を行いました。 当日は家族療法の理論とエッセンスを事例に基ついてご紹介し、30分ほど会場の皆様から質問や意見をいただきま

          【活動報告】シンポジウム「一歩先の家族支援〜家族療法の視点から考える日常診療〜」報告(第2回日本地域医療学会学術集会)

          ファミクル「家族ライフサイクルを深める」 第3回 愛する人と新しい家族を築く:カップル形成期の理解とサポート

          新しいカップルが家族となるとき、どのように新しい人間関係を築くのでしょうか? 今回の記事では、「カップル形成期」に焦点を当て、詳しく解説します。 ここでは、パートナー、家族、友人との新たな関係の築き方から、新しい家庭を作りつつ外部とどう関わっていくかについても掘り下げていきます。 新たなカップルが自分たちの新しい旅立ちを迎えるお手伝いを、一緒に考えてみませんか。 カップル形成期に求められる姿勢とは カップル形成期は、新しい家族システムを創り上げるための深い関わり合い

          ファミクル「家族ライフサイクルを深める」 第3回 愛する人と新しい家族を築く:カップル形成期の理解とサポート

          活動内容一覧

          ファミラボは医療現場で働く医師が家族支援について学び・深めているコミュニティです。 家族と健康に関わる情報やイベント・活動などを提供しております。 講演・ワークショップ2023年 ・日本プライマリケア連合学会冬期セミナー WS 家族図道場度冬の陣 https://note.com/familabo_113rd/n/n8a96592e523e?magazine_key=m3dfe5c4eff29 ・日本プライマリケア連合学会学術大会『ファミカンを体験してみよう!ケースカン

          第3回ファミカン匠(2023/11/27開催)

          ファミラボ指導医のみによる事例検討会「ファミカン匠」を開催しました。今回は、日本のプライマリ・ケア現場における家族志向のケア分野のパイオニア岡山家庭医療学センター奈義・津山・湯郷ファミリークリニック 所長ー松下先生から事例を提示いただきました。 複雑な事例提示をスッキリとまとめていただいており、これ以上何か議論をすることはあるのかと思うほどの家族支援をされていましたが、さすが匠の皆様。90分ノンストップでさまざまな議論がなされておりました。 事例は20代の女性、夫・子ども

          【活動報告】ちちぶ圏域ケア連絡会研修会にて講演

          10月18日に「ちちぶ圏域ケア連携会議研修会」​で、当団体教育顧問である山田宇以医師が講演を行いました。 秩父地域 は、「ちちぶ版地域包括ケアシステム」 という1市4町協働で地域包括ケアシステムを構築をされています。全国的にも珍しい体制です。 ちちぶ圏域ケア連携会議はそのシステム構築の一環で、さまざまな勉強会や事例検討会を行っておられ、医療・保健・福祉・介護関係者だけでなく、住民とも顔の見える関係づくりを意識されているとのことでした。素敵な取り組みですね。 今回は、『病

          【活動報告】ちちぶ圏域ケア連絡会研修会にて講演

          第13回ファミカン岡山(2023/10/11開催) 

          プレゼン内容 40代後半女性。生活習慣病を抱える夫との家事・育児分担、姑との関係に葛藤を抱えながら、キャリアウーマンとしての生活を続け、過労となり、適応障害の診断となった症例。問診から、過活動の傾向を指摘されている。夫との関係は子が生まれるまではある程度良好だったという。 ディスカッション ・患者の個人内因子に関しての介入の余地 ・文化的背景の影響 ・夫婦間コミュニケーションパターンについてや家族の発達に関して ・家族各々の視点 ・退院時の家族面接に関しての準備について

          【活動報告】家族アセスメント・カウンセリング・ワークショップ開催@JPCA秋季セミナー

          日本プライマリケア連合学会(JPCA)では、毎年秋季生涯教育セミナーという全国セミナーを開催しており、今年は9月23-24日に開催されました。 秋季セミナーにて『日常診療に役立つ家族アセスメント・家族面談の基本』『高齢者診療で役立つ家族アセスメント・家族カウンセリングの技法』を行いました。 日常診療に役立つ家族アセスメント・家族面談の基本JPCAメンタルヘルス委員会の皆様と一緒に家族志向のケアのワークショップを行いました。 家族志向のケアや家族療法はメンタルヘルス領域と

          【活動報告】家族アセスメント・カウンセリング・ワークショップ開催@JPCA秋季セミナー