長男、お弁当で泣く。

妻「たびお、明日の終業式あとに学童で弁当たべて、わくわく(学校の公園で遊ぶ学童みたいなもの)行って帰る予定(今の所w)なので、帰りにウインナー買ってきてくださいー!」
私「はーい!」

昨夜、仕事の会食時に妻から来たLINE。
小学1年の長男たびお(7歳・仮名)は明日が終業式。午前中で終わって帰ってきても私も妻も仕事で相手してやれないよと伝えたら、「わくわく行くー」ってことになったらしい。
目の前の人と話をしながら「ウインナーってことは、たまご焼きに、
野菜はほうれん草でも炒めて、おにぎり握ろうかなー」なんて明日の
お弁当メニューが頭を巡る。

フル×2タイムの共働きである我が家の家訓は、
【仕事も家事も育児もフィフティーフィフティー】
食事は僕の担当なので、仕事中でも献立をあれこれ考えるのが
日課になっているのだ。

さてさて、終業式当日の朝、
子供たちの準備をしながら、
ウインナー&ほうれん草炒め、たまご焼き、おにぎりを握って弁当に詰めたら、おかずコーナーに隙間ができたので、冷凍食品を一品追加。

たびおに見せると「イエーイ!」と笑顔。
(このリアクションだけでその日の幸せ一杯分)

23年12月22日のお弁当


雪降る寒空の中、登校してからしばらくすると、
インターフォンが鳴り、黄色い帽子だけがモニターに映り「ママー!今日、お弁当いらないって〜!」とたびおの声。

???

玄関を開けたたびおに向けて、妻が「なんで帰ってきたの?だから、終業式の後に、わくわく行くんだったら、弁当もって行かないとね、気が変わって帰ってくるなら弁当もて帰ればいいって言ったじゃん」と至極真っ当なことを言葉を投げかけても、たびおはだんまり。時計の針はすでに遅刻確定を指している。

「お友達に今日は弁当いらないよって言われた」とか細い声を出しながら、
棒立ちのたびおの目から涙がこぼれた。
わかる、わかるぞ。
誰かと違うことに敏感で、指摘されると
その恥ずかしさの前では親の言葉も途端に吹き飛んでしまう。
わかるんだけど、時間に追われた僕は「そんなことで泣くんじゃないよ!
しゃんとしな!」と、早起きして作った弁当が行き場を役目を果たせなくなったことも相まって、ついキツい一言を浴びせて次男を保育園に送るついでに小学校まで送っていくことに。
小学校に着き、無言で正門まで歩いていく後ろ姿はいつもよりも小さくて背中に「しょんぼり」という文字を背負ってるのが見えた気がした。

帰宅すると、妻はちゃんと話を聞いてあげればよかったと反省してた。
妻はいつも子供たちの話にちゃんと耳を傾け、わかるように噛み砕いて物事の意味を理由を説明してあげる。
だからこそ、たまには多少キツい言い方してもいいんじゃないかと思う。
その方がありがたみも説得力も増すってもんだとすら思う。
2人で反省会をしてお互いの仕事が始まった。

午後。
出先から帰ってくると、たびおの「おかえりー」の声。
すっかり元気なっている。

3人でお昼ご飯。
たびおはパクパクお弁当を食べてくれた。
「おいしい」と言って妻とニッコリ笑い合っている。
苦手なほうれん草との長期戦にも勝って完食してくれた。

外はまだ雪が舞っている。
長男の初めての2学期が終わった。


息子へ。
他人の目なんか気にせず、自分が正しいと思った道を行けばいい、
ロックな生き方してくれー!って願うのは、そういう生き方に憧れつつも、僕らが他人の目を気にして生きてきて、今もそうだからなんだよ。



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