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本当はもっと生き生きと自己表現したい|一宮市教育委員会・校務主任研修から

愛知県一宮市教育委員会よりお声がけいただき、市内の校務主任60名の皆様とダイアログ研修。担当の方が「一宮市は本当に保守的で、、」とおっしゃていたが、古くからの構造が今なお残り、新しい取り組みが難しいであろう中、担当の方の熱い想いでこの研修が実現した。

今年度は市全体で「主体的・対話的な深い学び」を研究テーマにして、先生方は「対話」について独学で研究しているものの、いまいちよくわからない、という声も上がっているようだ。

そんな中で集まった校務主任の先生方。いつもはスクール形式でお堅い研修ばかりだが、会場は今まで見たことがないサークル形式で皆さん入り口で戸惑われたり、びっくりしながらも嬉しそうだったりしながらスタート。

対話の概念について研究をしてきた先生方は、対話の説明をものすごい集中力と真剣さで聞いていらっしゃる。

エンパシーのデモで出てきた言葉。
「校務主任は奴隷」
会場中に頷きと失笑が起こる。

学校で起こる問題から雑用まで、こぼれ球を全て拾う役割。立場は上だが年齢的には自分の方が下になる年上の先生たちへの対応など、対人関係にも苦労が多い。授業中に教室に入れず廊下に出てくる生徒、どうしても授業を受けさせたい担任、ひとまず学校に行けばいいからという保護者。そんな三者の間に立ち、板挟み状態で「自分」の意見など言うこともできない。

  • 本当はもっと気楽に、自分が言いたいことを言いたい。

  • 自分が思うように生徒に接し、意思決定したい。

  • 板挟みで対応することがどれだけ大変か、わかってほしい。

  • 常に管理職や教員、保護者、いろいろな方向に意識を向け、全てを立てるのではなく、本当はもっと生き生きと自己表現したい!

そんな先生が選んだ願いは「自己価値の承認」「イキイキさ」「気楽さ」
奴隷からの解放。

教師としても力があり、年齢的にも次世代リーダーとして期待される脂が乗っている時だからこそ、教育者としての自分を本当はもっとのびのびと発揮したいというジレンマと願いがシステム全体から聞こえてくる。

最後の最後まで、目を輝かせながら食い入るように聞いていた先生方がとても印象的だった。振り返りの声も、みなさん長文でびっしりと熱い想いを書いてくださった。その一部を以下にシェア。

「保守的だ」と聞いていたが、先生たち一人ひとりはとても柔軟で新しいことを積極的に吸収し、未来へ生かしていきたいという前向きで力強いエネルギーを感じた。

一宮の未来は希望に溢れている!

講義の中で、担任をしていたときの自分を振り返り、「~すべき」に重点を置いて、正しいことを強く子どもたちに要求し、おしつけてしまったことがあったのかもと心の中で振り返っていました。これが、先生が言われる愛の無い力は暴力であったのかもと感じました。今後、子どもと関わるときにこの言葉を忘れず接していきたいと思いました。

意識の矢印を自分の内側に向ける(内省)する経験をとおして、自分の願いに気づくことができました。気づくことができたら、ふっと胸が軽くなりました。講師の先生のはつらつさに、元気をいただきました。人にエネルギーを届けられる人になりたいと思いました。

意見が合わなかったり、苦手だと思ったりすることは、それぞれの「べき」の方向性が違うからであり、そこを対立軸にするのではなく、共創造していくことが重要だと感じた。

「保護者の攻撃は悲鳴である」という言葉が印象に残りました。願いが満たされないという保護者の悲鳴に対して一喜一憂し、心を乱された日々がこれまでも大変多くありました。「攻撃には反応しない」という思考はかなり難しいことですが、その奥にどんな願いがあるかを考えるという意識を少しでももてたら、心穏やかに過ごせる毎日が多くなるのかなと思いました。

学校現場にこれからやってくるかもしれない改革、変化のときに、やらされているのではなく、仲間と共感し合いながら自分たちの「こうありたい」という願いをもとに対話をし、自分が、仲間が、そして学校が向上していけるよう力をつけていきたいと思いました。

自分の潜在意識の部分は普段ではとても気がつかない部分であったがこの研修で自分と向き合い、他者にも俯瞰してもらいながら見つめるいい機会になった。なにより自分と同じ悩みを他校の先生方も抱えていてそれを共有できたのはとても安心ができた。

校務主任として担任の先生方が働きやすいように、笑顔でいられるように接していかなければいけないと思いすぎていたかもしれないと思いました。担任の先生方のために、と思う自分と、慣れない仕事の多さや忙しさに担任の先生方のために動けていない自分とのジレンマから、自分が担任だったときには、、、そんな思いが自分の中に渦巻いていることに気づくことができました。自分をもっと大切にしていきたいです。

今までは、「対話」は相手がいるものであると考えていたが、まずは自分との対話であり、そこから相手との対話がある。自分の考えを深く考えることよりも、相手がどう思うことが大切であるかと考えていた。自分のことを深く考えてみると、あまり考えていなかったので、すぐに考えることができなかった。今回の研修で、自分の願いを改めて考えることができた。まず、自分がどんな願いがあり、そのためにどう行動するかを考え、その上で、相手の思い(願い)も考えて、行動していきたい。

知らず知らずのうちに「べき」になってしまっていることが多い日常ですが、少し立ち止まって、「自己共感」することが大切だということが分かりました。いきいきと仕事をするためにも「自己共感」を大切にしていきたいです。

多くの学びとパワーをいただいた。

現在、どの学校でも「対話」が重要した学習活動が行われている。自分が思うのは、『対話』の定義の奥深さゆえに、混乱を招いてしまっているのではないかということである。今回の講義では、とても分かりやすく教えていただいた。 『対話』を生み出すのに大切な「主体性」(主体的な学び)を確保することが大切だと思った。まずは「自分自身を見つめる・受け入れる」ことが対話の第一歩。

あらためて「主体的・対話的」の意味を確認できました。授業を通して、何となく活動・指導してきたものをもう一度明確にし、まず自分を見つめ、理解しようというところから、再始動していきたいです。ちょうど1月から担任をもつことになり、児童といかに成長していくか、元気が出た研修となりました。また、普段から「べき」が優先され、奥にある「願い」をないがしろにしていないか、気をつけていきたいです。

会場の配置から、今回の内容がどんなものなのかワクワクしました。「対話」とは何か、演習を交えて教えていただきました。「他者との対話の前に自分との対話が重要である」という点は、あまり今まで意識してこなかったことでした。これからは自分の中にある「願い(ニーズ)」に意識を向けたいと思います。

これまでの自分にまったくなかった視点だったので、新たな発見ができてよかったです。今後に生かしていけるといいなと思います。

自分も相手もどちらも上下関係はない。それは、子どもと教師のような年齢や立場が違っていてもあてはまることである。お互いに大切にしたい「願い(ニーズ)」があるということを改めて学びました。自分のことがきちんと分からないと、他者のことも理解できない。まずは、自分のことをよく理解することが大切だということも勉強になりました。

実際に自分のことを体験的に探ってみたが、「べき」の底(前提)にあるものを探ることで、相手に対して冷静に見られるようになりそうですし、きっと相手のもっている「願い」も同じなのではないか、と思いました。自分自身を受け容れ、自分のもっている願いを実現する力をつけて、相手と向き合っていきたい。

教員はたくさんの「べき」(責任)を背負っています。私はそれをつい周りの人にも求めてしまいがちです。校務主任となり、それを声に出して求めることの大切さ、それ以上に自分の抱く「べき」を押し付けてしまう危険性も日々感じています。それを「願い」と捉えれば自分自身も気持ちが楽になり、また周りの人にも理解していただきやすいものであるということに、今回の研修で気づかせていただきました。

・普段から私自身も含めて、言葉足らずでトラブルになってしまうことがあると感じていました。学校の研究協議会もchromeを使って、黙々と打ち込むだけになっていました。これではいけないと感じる場面がありました。相手と向き合い、願いを見つけながら対話することの大切さを肌で知りました。

自分自身が昭和世代なので、「べき」に縛られてる部分が多い。自分をまず「べき」から解放しないと厳しいと思った。また、生徒の指導に対しても、気を付けていきたい。また、感情の起伏が激しく怒っている人に直面した際は、根底にどんな願いを持っているのかを冷静に考えれる自分でありたい。

元気をいただきました。嫌だな、苦手だなと思う出来事の裏には、「~すべきだから」という自分で作り出した縛りがあるのだと教えていただきました。その「~すべき」の奥にある思いに気付き、そこを満たしていくことが大切だと学びました。これから関わっていく人たちの、心の奥にある思いに気付けるように心がけていきたいと思いました。

おしらせ

自己や他者との対話をサポートする全世代向けダイアログ(対話)カード。こちら☟でご紹介しています。

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