見出し画像

安全な場所にいる人たち


仲良くしていた清掃スタッフの若い人、
今日で辞める日だったので、話したんだ。
過去にリスカしてる人だったから、いろいろ話を聞いて、発達障害かもしれないねとか、
障害年金の申請の仕方とか紹介してたの。
高校も中学生の時のいじめの後遺症で、行けなくなって
中退してたから、高校も通信でいつでもいけるからねって。
そして、今日。
本業で、デリヘルやってると話してくれた。
「まだ、2年なのに、人気ランキング2位なんだよ」って
笑って話すの。
本番も、裏(お店には内緒)でやるって言ってた。
彼女に悲壮感がないことに、ここまでなるのに、どんだけつらかったんだろと思ったよ。
最後に、「あなたの手を取って、その世界から連れ出してあげられなくてごめんなさい」って謝ったよ。
口だけで、書類を渡すだけでは、救えないんだなって
思った。
彼女が、ここまで苦しくなる前に、気づいて助けてあげる大人がいなかったことが悔しいよ。
うちの学校で、「あーこの学年になりたくなかった」「本当に教員って、ブラックだよな」とか不満ばっかり言ってる教員が、馬鹿に思えたよ。
どんだけ、安全な世界に居て、もの言ってんだろって思うよ、言わないけど。
あちら側に行ってしまったことのある私や彼女とは
住む世界が違う。
最後に「優しくしてくれてありがとう」と言われて、
泣いたよ。
「何か困ったことがあったら、訪ねてきてね」と
お守りがわりに言うことしかできなかった。
私には、手をかけないといけない娘がいて、
他人には、全然、全力では心を配れない。
できない自分が情けない。
「一日、3回の日は、稼げて嬉しい、身体はきついけどね」
その世界のその仕事は「最高の接客業だと私は思ってるよ」と伝えた。
何回もすると、あそこは擦り切れて爛れて痛いし、好きでもない人のアレを舐めるのも気持ち悪い。
でも、プロだから、彼女は、気持ちを入れてお客様を気持ちよくさせるために頑張っている。
すごいなあ。この子は心も綺麗だな。幸せになってほしいと願ったよ。
そんな日でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?