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きんぐぼんびー



あなたが半分に割って食べた
もう片方のりんごがテーブルの上で
放置され瑞々しさは放棄され
このままサザエもカツオもワカメもタラちゃんも一向に出る気配もないまま
何の面白みもなくやがて腐る
りんごを食べると歯茎から血がでませんか?っていつのコマーシャルか思い出せないけど愛を食べるとこころから血がでるのはたしかだ 大切な人を亡くしたひとが
詩人になるのは必然的だ
白紙の上に何度でも忘却の淵から
引きずってきてはマス目をひとつひとつ
うめてゆく書き上げてもひとつも積み上がらないまた最初からひとつひとつうめてゆく ここまで書いて飽きちゃった
わたしが書かなくても誰かがもっと素晴らしい詩を書き上げるよなと思ったら
なんか嫌になっちゃって桃鉄100年やっちゃった いいよ詩なんか書かなくたってかなしいならかなしいでいいし
くるしいならくるしいでいいし詩人ってみんな貧乏だしほんとうに書きたくないことから書かないとダメだって思うから
一向にモテないしチヤホヤされないし
誰も部屋片付けてくれないし遊んでくれないし油性マジックでヒゲ描いたら消えないし野良触らしてくれないし今日の看護師不機嫌だしそうやってグリグリ針先でやったら痛いに決まってるしどうして
同時多発的にしあわせは発生しないんだろうどうして詩人はわれさきにと哀しみがるんだろうどうしてわたしは人の詩を真剣に読めないんだろういつまでダラダラ書いちゃうんだろうっていいか
あたまバグったもうむりだ日本刀みたいに切れ味のいい詩を書きたいと思ったけれどこのなまくらじゃトマトもキレイに切れやしない詩人だけでメシ食えてるの
谷川俊太郎だけだってマジ夢ねーな
詩人の先輩なにしてたの?こんな体たらく詩人なんて人前で言ったらあたおかだってほとんど言われる気がするから言わないようにしてるしこんな恥ずかしい存在にしたのは詩人の先輩あんたらのせいだ まさかここにこの詩の着地点があったとはお天道様にもわかりゃしないな
ざまあみろまたへんてこな詩がひとつ
でけたでけた



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