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おっさんずラブリターンズ 第七話を前にして

ハッピーエンドを望む人も多いが、すべてが丸く収まるなら苦労はないし、なにが幸せなのかは人によって違う。ひねくれた私には、これが真実でハッピーエンド。

和泉が春田を秋斗と間違えてキス、「うるせぇ唇だな」から、顔を見るたびに動揺し涙目になるシーンを何回も見てきた。
その後に例の公安ずラブシーンがあるわけだが、少し振り返ってみる。

春田に秋斗のことを話し始める和泉。二人の関係が恋人同士であるとよくわかる貴重なシーンである。
車内で張り込みを続ける二人、進展がなくイライラする秋斗は倒した助手席から和泉に声をかける。
「和泉さーん、これいつまで待つの?俺に行かせてくださいよ。」
「黙れ、ガキ」
「あんなの5分あれば片付きますって」
「だいたい、あいつらさー」

ここで和泉は「伏せろ!」秋斗に覆いかぶさり急接近。
息を飲んだ後、和泉は秋斗の鼻についたジャムを指ですくいこういいます。
「ジャムなんかつけて子供かよ」
それを聞いた秋斗の表情、子供扱いされるのが不満なんだろうなって顔ですね。
ここで二人の関係が恋人同士なのか未満かを判断することは難しいですが、
「和泉さん、ジャムはこう取るんだよ」
秋斗が和泉のネクタイをくいっと引っ張り、ジャムを絡めとるようにしたところを見ると、すでに恋人同士だったんでしょうね。

プライベートでは自分のことを愛してくれる和泉ですが、仕事となると厳しく部下として厳しく指導する。おまけに、なにかと自分をかばって危ない行動も多かったのであろうと推測します。バディといいながら秋斗は和泉に守られる側であり、追いつくことが難しい先輩でもあったはず。

ここまで推測すのは、和泉が秋斗の話をするときには「愛おしい」気持が出ていること、春田の顔を見て涙するシーンが多かったからです。瓜二つとは言っても、秋斗と春田ではキャラも違うし雰囲気が全く違います。そんな春田を見て切ない顔をするのは、もしかしたら和泉にしか見せなかったプライベートの顔は、明るくやんちゃだったのではないかと。
そして和泉が忘れられない理由は、「私が殺したんです」と言ったように、自分をかばって死んだことはもちろん、二人が本当に愛し合っていたから。

敵のアジトに1人で乗り込んで秋斗を追いかけ、和泉もアジトに到着。
秋斗を捕まえて、こう言い放ちました。
「勝手な真似してんじゃねぇよ、お前。死にてぇのか」
公安の先輩として修羅場をくぐっている和泉には、単独行動は自殺行為です。
ところが秋斗の返事はこうでした。
「いつまで俺のことガキ扱いしてるんすか。もうあんたの生徒じゃないんだよ」
自分は恋人としてだけでなく、バディとしても認めて欲しい気持が滲み出ています。公私共に、和泉の隣にいるのは自分なんだからとの訴えです。
ここは、秋斗の気持をわかって欲しかった。

敵が階下に降りてきたのを見て、和泉を引きずり込むように柱の陰に隠れます。和泉を強引に柱に押し付け、イニシアティブを取ろうとする秋斗。
「抑えろよ、心拍数」
「そんな怖い顔しないの」
たびたび任務中にそのようなきわどい行動を秋斗はしていたはずです。
それに対し、和泉は「殺すぞ」と答える。

前にも書いたけど、和泉の「殺すぞ」は愛してるの同義語です。危険なことはするな、お前が死ぬなら俺も死ぬと同じ。
これを聞いた秋斗の嬉しそうで、なんとも言えない表情は「自分は愛されている」自信。

何度も考えて、考えて、死が二人を別れさせても、この絆と愛は消えることはない。
和泉には幸せになって欲しいのだが、「もう、春田さんを秋斗とは思っていない」といいながら「好きになったのかも知れない、春田さんのこと」って重症。
秋斗の敵を討つか、公安に戻るか、警察学校の教官になるしか道はない。秋斗を忘れなくていいから、幸せになって欲しい。