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希望の果てに…

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作品紹介

2146年 世界は人工知能(AI)ロボット開発研究機関FOX(フォックス)により支配されていた
それに反する人間側レジスタンスは地中に潜り
機をうかがっていた…

登場人物

(男6 女3 男女不問2) ※兼役可能

ミリー:18歳 女 ハンドラー博士の娘
優しく父親思い セシルと幼なじみ
フィート&クォートと兼役でも可

セシル:18歳 男 孤児 正義感が強い
瀕死の重症を負ったがハンドラーに助けられた
パイント&オンスと兼役でも可

ハンドラー:55歳 男 ミリーの父親
セシルの育ての親
元FOX(フォックス)の技術開発者
ガロンと兼役でも可

ビリー:37歳 男 残忍で自由気ままな性格
FOX(フォックス)の人狩り部隊

X:57歳 男 FOX(フォックス)の創設者
自分の理想の為には手段を選ばない 
エーカーと兼役でも可

エーカー 52歳 男 レジスタンスの隊長
頭脳派 ハンドラーと元軍人仲間 
Xと兼役でも可

フィート 30歳 女 レジスタンス副隊長
クールで時折暗い表情を見せる
クォートの姉
ミリーとクォートと兼役でも可

ガロン  40歳 男女不問
ガタイのいいマッチョ系オカマ
仲間を思いやる熱い性格 
レジスタンスメンバー
ハンドラーと兼役でも可

クオート 20歳 女 天真爛漫でお転婆娘
セシルが好き フィートの妹
レジスタンスメンバー
ミリーとフィート兼役でも可

パイント 24歳 男女不問   弟のオンスの勇敢な兄
両親をFOXに殺されている
レジスタンスメンバー
セシルとオンスと兼役でも可

オンス 18歳 男女不問 兄のパイントを慕う弟
生まれつき体が弱い
レジスタンスメンバー
セシルとパイント兼役でも可

本編

〚レジスタンス第2格納庫〛

セシル:はぁっはぁっはぁっ…こっちだっ!ミリー!

ミリー:セシルっ!はぁ…はぁ…まってっ、もう走れないわっ…

ビリー:ヒャッハァ〜!どこに逃げてもムダだ〜!お前らのアジトは突き止めたっ!
大人しくFOX(フォックス)の仲間になるんだな〜!

セシル:そんな機械に支配された世界で生きるくらいなら、オレは最後まで足掻いてみせるさっ!ほらっ、行くぞっ!ミリー

ミリー:…うん、ねえ、貴方は私達と同じ人間でしょ?なぜFOX(フォックス)の肩を持つの?

ビリー:なぜ?なぜだと?あっはっはっはっ!お嬢ちゃん、アンタ、
何にもオヤジから聞かされていないのか?

ミリー:…父から?…FOX(フォックス)と私の父にどんな関係が?

ビリー:おっと!こいつぁ〜シークレットだったか?まあ、いいやっ!そんな事よりさっさとオレに捕まりゃ〜いいんだよっ!

ビリー:いいぜ〜!感情のまま自由に生きられるのはよ〜!上から命令されるのは、ちと…癪に障るが、その代わり、金に女に食い物っ!

ビリー:何でも欲しいものは手に入る!やりたい放題だっ!あっはっはっはっはっ!

セシル:弱い人々を犠牲にする、チカラが全ての、何の秩序もない世界がいいものかっ!

ビリー:バカなやつだな〜、まあ、お前の考えなんて知ったこっちゃね〜けどなっ

ビリー:ほらっ!こっちに来いってんだっ!

ビリー:痛い目に合う前になっ…とっ!(セシルの腹を殴る)

セシル:ぐあっ…くっ…

ミリー:やめてっ!セシルに乱暴な事しないでっ!

ビリー:おらっ!(殴る)おらっ!(殴る)来いっていってんだろっ!

セシル:がはっ!…くっ(ビリーを睨みつける)

ビリー:チッ、しぶて〜やつだなっ!

セシル:…っ…ミリー!お前だけでも逃げろっ!

ミリー:…そんな…セシルを置いていくなんて…出来るわけないじゃないっ!

セシル:ミ…ミリー…

ビリー:くう〜!泣かせるね〜!とんだ甘ちゃん達だっ!

ビリー:甘すぎて反吐が出ら〜っ!さぁ!お嬢ちゃんもこっちにくるんだよっ!

ミリー:きゃあっ!やめてっ!離してっ!

セシル:や、やめろっ!ミリーから手を離せっ!

ビリー:へっへっへっ!…ん?…がぁっ!何だっ?目が痛えっ!痛え〜よ〜!ぐあっ…

ハンドラー:ビリー!そこまでじゃっ!ミリーっ!セシルっ!無事かっ?

セシル:…うっ…ハンドラー…助かった…

ミリー:お父さんっ!どうしてここがっ…

ハンドラー:とにかく話は後じゃ!

ビリー…:くそっ!目がぁっ!くっ…老いぼれジジイがっ!やっぱり生きてやがったかっ!

ハンドラー:はっはっはっ!しばらくは何も見えんだろう、よし!今のうちに行くぞ!

ミリー:セシルっ!私につかまってっ!

ハンドラー:ワシも肩を貸そう

セシル:…すまない…ミリー…ハンドラー

ビリー…っ…クソがっ!ハンドラー!お前だけはオレの手で必ず息の根をとめてやるっ!その日まで精々生きながらえてみろよっ!あっはははっ!

ハンドラー:ふんっ!ほざいていろっ!まだまだお前のような、輩には負けんっ!

〚レジスタンス第3格納庫〛

ハンドラー:大丈夫か?セシル…

セシル:ああ…助かったよ、ハンドラー

ミリー:セシル…

セシル:ハンドラー…オレ…聞きたい事があるんだけど…

ミリー:私も…その…お父さんに聞きたい事があるの…

ハンドラー:…んん…とうとうお前達に話さないといけない時が来たか…聞いてくれるか?

セシル:ああ、話してくれるか?ハンドラー

ミリー:お父さん…お願い…

ハンドラー:あれは…ミリーがまだ幼かった時の話だ…

回想 (15年前 FOX 人工知能研究所)


ハンドラー:もう少し、出力を上げろ!限界まで耐えさせるんだっ!(若い声)

ビリー:ぐあああ〜!やめろ〜!やめてくれー!オレの意識がっ…くるなっ!あぁ…入ってくるなっ…うっ…

X:どうだ?ハンドラー、研究は進んでるか?

ハンドラー:…ああ…しかし、こんな非人道的なやり方、政府が黙っていないぞっ!どうする気だ…

X:な〜に、この研究が成功すれば政府だろうが、警察組織だろうが、思いのままだっ!

X:ハンドラー、キミには期待しているよっ

ハンドラー:(N)どうかしている…生身の人間の脳に人工知能を埋め込み…人間の限界を越えさせて、極限まで身体能力を向上させるなんて…

X:…それと…ミリーの様子はどうなんだ?

ハンドラー:落ち着いている…適応障害も今のところ出ていない…

X:そうか…ならいい…引き続き監視を怠らないようにな…

(実験カプセル越しに幼いミリーを見る)

ハンドラー:ああ…ミリー…私の娘…

(回想終了)


セシル:そんな…ハンドラーがFOX側の人間だったなんて…じゃあ僕を助けたのもFOXの為だったのかっ!

ハンドラー:違う!そうじゃないんじゃ…

ミリー:お父さん…私は…一体…何なの?

ハンドラー:ミリー…

(ドアが開く音)

ビリー:おおっとっ!ビンゴだったな〜!

X:こんなところに隠れていたなんてな、探したぞハンドラー

ビリー:へっへっ!ハンドラー、残念だったなっ!もう逃げ場はないっ!さっきの仮は返させてもらうぜっ!

ハンドラー:……X…まさかお前まで来るとは…狙いはミリーか?

セシル:え?どういう事なんだ?ハンドラー

X:ご名答!…さすがはハンドラー、15年前…突然ミリーを連れて失踪したお前の事はもう水に流そう…素直にミリーを渡せばだがなっ

ミリー:お父さんっ!どういう事なの?

ビリー:そういう事だっ!お嬢ちゃん!父親だと思っていた奴が、まさか自分の実験の為に利用されていたとはな…

ハンドラー:すまない…ミリー…父さんはお前をこの手で…しかし、間違っていた…自分の間違いに気づいたんだ…だからミリー…お前を連れ出し、地下へと逃げた…

セシル:ハンドラーにそんな過去があったなんて…でもオレをあんたは救ってくれたっ!その事実は変わらないっ!自分の欲に溺れたこいつらとは違うんだっ!

ビリー:はあ〜…もういいか?茶番は聞き飽きたぜぇ〜

X:今一度言う…ハンドラー、研究室に戻ってこいっ、人類の進化にはお前の頭脳が必要なんだっ

ハンドラー:…断る、今の私にはミリーにセシル…大事な娘や息子がいるんだ、もうあの頃のような過ちは侵さないと、幼い2人の前で誓ったんだよっ!

ミリー:お父さん…

セシル:ハンドラー…いや…父さん…

ハンドラー:ははっ…セシル…無理に父さんと呼ばなくてもよい…

ビリー:だあ〜!もうっ!おいっXっ!もういいだろ〜?

X:仕方ない…チカラづくで奪うしかないようだなっ!ビリーっ、やれっ!

ビリー:よっしゃー!いくかっ!おらおらっ!爺さんか?小僧からか?それともお嬢ちゃんか?誰からやられたい?ひっひっひっ

セシル:ミリーやハンドラーに手は出させないっ!オレが相手だっ!いくぞっ!

ビリー:小僧かっ!よしっ!こいやっ!

セシル:はあっ、てやっ、そらっ!

ビリー:遅い!遅い!なんだ〜?そのヘナチョコパンチは〜、やる気あんのかよっ…とっ!(セシルを殴る)

セシル:ぐはっ…くっ…(地面に膝をつく)

ハンドラー:セシルっ!おのれっビリーめ!このぅっ!

ビリー:おっとっ…おいおいっ!爺さんが無理すんなっ…て、おらよっ!(ハンドラーを蹴る)

ハンドラー:がはっ!…セシル、ミリー…っ…

ミリー:セシルっ!お父さんっ!お願いっ!言う通りに捕まるから、セシルとお父さんに乱暴しないでっ!

X:ハンドラ〜!お前の娘は実に聞き分けがいいようだなっ!ビリー、ミリーを連れて引くぞっ!

ビリー:え?…んだよっ!もうしまいかよっ!シラケるな〜、あ〜、この爺さんは連れて帰らなくていいのか?

X:ミリーさえいれば、こんな老いぼれはもう用済みだっ!いくぞっ!

ミリー:約束は必ず守ってもらいます…

X:私はこう見えても紳士だからね…ただし、大人しく私に従うならね!

ミリー:分かりました…セシル…お父さん…さようなら…

セシル:ミリー…っ

ハンドラー:っ…ミリー

ビリー…じゃあな!負け犬どもっ!ぺっ!(唾を吐く)あっははははっ!

(それから2年後 FOX研究所)


X:調子はどうかな?ミリー

ミリー:良くはないわ…こんな所に何年も閉じ込められて…良い訳がないじゃない…

X:私にそれだけ口答えする元気があるんだ…上々じゃないか…そうだ、今日はこれを君に持ってきたのだよ…ほらっ着なさい…

ミリー:なに?このドレスは…

X:今日はミリー、君の20歳の誕生日だ、私からのお祝いだよ

ミリー:…私には必要ないわ…こんなドレスなんか着て、囚われのヒロインでも演じろというの?…バカバカしい…出ていって…

X:ふっふっふっ…な〜にっ、ここに居るのも、もう少しの辛抱さ…時が来れば出してやる…それまでは大人しく私に従いなさい…再び、ハンドラーやセシルに会いたいならなっ

ミリー:…セシル…お父さん…

(ドアを開けて出ていくX)

ビリー:おっとっ!これはこれは嫌われ役のX様、ご機嫌麗しゅうございますってか?アッハッハッハッハッ!

X:ビリー…そんな所で遊んでる暇があったら、早く奴らのアジトをみつけるんだな…何のためにハンドラー達を泳がしてると思ってるんだ…

ビリー:ちっ…あん時、とっ捕まえて吐かせればいいのによっ!まったく回りくどい事しやがってっ!

X:奴らの陰謀を根絶やしにする為には、どんな些細な根も、取り除かなければならん…どんな手を使ってでもな

ビリー:へ〜いへいっ!ここ数年、動きがないが、そろそろってとこなんだろ?わあったよっ!行きゃ〜いいんだろっ!行きゃ〜よ〜!ちっ!

(レジスタンス 本部)


セシル:はあっ!てやっ!そらっ!

ガロン:そうっ!ええっ!いいわ〜!その調子よっ!セシルちゃんっ♡

エーカー:うむ…なかなか様になってきたな

フィート:そうかしら?まだまだ体の使い方が…

クォート:セシル〜頑張れ〜!ガロンなんかやっつけちゃえっ!

パイント:セシル〜膝だっ!もっと膝のバネを使って拳に力をいれてみろっ!

セシル:はあっはあっ…はいっ!パイントさんっ!

オンス:兄さん…僕にも戦い方を教えて欲しい…

パイント:オンス…お前は生まれつき体が弱いんだ…前線よりも、後方支援を練習しようっ!おいでっ

オンス:…うん…兄さん…

ガロン:ほらほら〜セシルちゃんっ足がお留守になってるわよっ!ほいっとっ!

(セシルの足をガロンが蹴り払う)

セシル:うわっ!ちょ、ちょっと…痛ってぇ!

クォート:セシルっ!大丈夫?…ちょっとガロンっ!やりすぎだって〜

フィート:あれくらいの蹴り、避けられないと戦場では戦えないわよ

クォート:もうっ…姉さんまで…ほらっ!セシル起きれる?

セシル:ごめんっ、ありがとうクォート…はあ〜…

ガロン:あらっ?ちょっとやり過ぎたかしら?何だか責任感じちゃうわ〜、セシルちゃんっ!ごめんねっ!

エイカー:よしっ!ちょっと休憩にしよう!新しい武器の補充も済んだし、皆に渡しておこうっ!それとセシル…今日はお前の20歳の誕生日だったな…おめでとうっ!

クォート:ふふっおめでとうセシルっ!

フィート:まあ、おめでとう…

パイント:おめでとうっ!セシルっ!

オンス:…おめ…でとう

ガロン:あら〜!今日はセシルちゃんにとって、おめでたい日だったのね〜!それなのに私ったら…ほらっ!おいでなさいっ!お詫びに抱っこしてあげるからっ!

セシル:いや…気持ちだけで結構です…ガロンさん

クォート:ガロンっ…セシルが怯えるから下がってっ!もうっ…

セシル:そういえば…ハンドラーの姿が見えないけど?

ガロン:今日はみてないわね〜…

エーカー:ああ、ハンドラーなら、たぶん部品集めにいってるんじゃないか?なんに使うのかオレ達の頭では検討もつかないが…こんなただの鉄クズも、アイツの手にかかれば、こんな武器になっちまうんだからなっ!

(皆に渡した武器を見るエーカー)

フィート:…ハンドラー…くっ(恨めしそうに)

クォート:姉さん…

ガロン:…昔はハンドラーもFOX側の敵だったわけじゃない?でも…今はこうして仲間として、救援物資を運んでくれてるんだし…ねえ?フィート…

パイント:まあ、簡単には許せないけど…今は敵じゃない…ハンドラーは悪人ではないのは認めるよ

オンス:でも…FOXは僕達の両親を…

パイント:オンス…憎しみは連鎖させるものじゃない…断ち切る為に僕らは戦ってるんだ…それを忘れちゃいけない…なっ?

オンス:うん、わかった、僕も精一杯戦うよっ!

エーカー:よしっ!まあ!色々と思う所はあると思うがオレ達はオレ達で出来ることをしようじゃないかっ!なっ?フィート、ガロン、クォート、パイント、オンス、そして、セシルっ!

フィート:ええ…わかったわ…

ガロン:まあ…ここまでやって来た私達は、家族みたいなものだものっ!ワタシっ!頑張っちゃう!

クォート:私も〜!セシルも入ってなんか新たに家族って感じが増したよねっ?へへっ

パイント:オレは1人でも戦力が多い方が助かる…よろしく頼むぞっ!セシルっ

オンス:後方支援は…僕に任せてよっ…

セシル:はいっ!よろしくお願いしますっ

(バンッとレジスタンス本部の扉がひらく)

ハンドラー:はあっはあっ…ビリーじゃ!奴らが近くまで来ておるっ!荷物をまとめて、アジトを移動するぞっ!

エーカー:ついに、ここも見つかったか…少し予定より早いがそろそろ潮時かもな…オレとフィートは2階から、ガロンはクォートとパイント、オンスを連れて東側の扉から脱出してくれっ!

フィート:OK!ガロンっ!クォートのこと頼むわよっ!

ガロン:任せてちょうだいっ!この子達は私が守ってあげるわよっ!

クォート:姉さんも気をつけてっ

パイント:大丈夫か?オンスっゆっくりでいいからなっ!ついてこれるかっ?

オンス:うんっ、兄さん…これくらい平気さっ

ハンドラ:扉の前までビリーが来おったぞっ!セシルっ!ワシと一緒に西側から逃げるぞっ!

セシル:わかったっ!ハンドラーは先に行ってっ!オレがしんがりにまわるからっ!早くっ!

(扉を蹴る音)

ビリー:見つけたぜっ!ハンドラー!ま〜だしぶとく生きてやがったのが、ノコノコと間抜けな面見せやがってっ!おいっ!聞いてんのかっ!早くあけろっ!おらっ!(扉を蹴り破る)

エーカー:ハンドラー!セシルっ!上からフィートと援護するっ!その隙に西側の扉まで走れっ!

セシル:わかったっ!…ハンドラー、走れるかいっ?

ハンドラ:ああ…なんとかな…ぐぁっ…くっ…

(ガラクタ品に左足を強打し、うずくまるハンドラー)

セシル:ハンドラ〜しっかりっ!

ビリー:おうおうっ…逃げ遅れた老いぼれと、小僧を発見いたしましたっとっ!はっはっ〜!久しぶりだな〜お前達っ

ハンドラ:くっ…ビリー…ミリーは無事なんだろうな?

ビリー:ミリー?はて?誰の事だったっけな〜?もう死んでんじゃね〜のか?お前が開発した実験の犠牲になってな〜!アッハッハッハッハッ!

セシル:ビリー…ミリーに何かあったらオレが許さないからなっ!

(銃弾の音)

エーカー:いまだっ!早く行け〜!

ビリー:ちっ!上からか、お前ら!上に回れっ!ジジイと小僧はオレ1人で充分だっ!へへっ

(人工ロボットが動きだす)

フィート:エーカー!敵ロボットが登ってきたわっ!数が多いわっ!引きながら交戦しましょう!

エーカー:了解!

セシル:ハンドラー立てる?、とりあえず扉まで行こうっ!

ハンドラ:すまない…セシル…悪いが足を痛めた…お前だけでも先に逃げろっ!ミリーの事を…助けてやってくれっ

セシル:ハンドラー…そんな…置いてはいけないよ

クォート:セシルっ!西側も敵に回り込まれたよっ!こっちに走ってっ!

ビリー:へへっ逃がすかよってんだっ!

ガロン:仕方ないわね〜!クォート、パイント、オンス、後はお願いねっ!

パイント:…わかった…クォート、オンス引くよっ!

オンス:うん…兄さんっ

クォート:セシル〜!必ず生きて戻ってきてよっ!待ってるから〜!

ビリー:だあ〜もうっ、やっかましいヤツらだな〜!で?誰からやるんだよ?

ガロン:あらっ?ビリー、私を忘れたの?

ビリー:うぇっ、なんだ…オカマのガロンかよっ

ガロン:あら?なに?ビリーちゃんっ、私が相手じゃ不服かしら?昔は一緒にオカマのご飯を食べたい仲じゃないの〜

ビリー:気持ちわり〜こと言ってんじゃね〜ぞっ!このモヒカン頭がっ!

ガロン:あら?貴方だって同じようなヘアースタイルじゃないの?私達って気が合いそうねっ!うふっ

クォート:セシル…今のうちに逃げられないかな…

パイント:ほらっ行くよっフィート…

クォート:うん…セシル無事に逃げてね…

ハンドラー:ガロン…すまんっ

セシル:ほらっもう少し…ハンドラー頑張ってっ!

ガロン:じゃあいくわよっ!ビリーちゃんっ!ちょっと痛いけど覚悟してねっ

ビリー:はんっ!ほざけっ昔のオレと一緒にするなよっとっ!

(ガロンに蹴りを入れる)

ガロン:あら?なかなかやるじゃな〜い!いい蹴り上げよっ!じゃあコレはどうかしらっ!

(ビリーに蹴りを入れる)

ビリー:ふんっ、遅せぇよ!アンタの方がパワーはあるが、オレほどの速さはない!

ガロン:そうかしら…じゃあこうすればいいんじゃない?ほいっと!

(ビリーにナイフを投げる)

ビリー:なっ!クソっ!飛び道具かっ!…どこ行きやがった…うぐっ!離せっ!おいっ!オカマっ!このっ!

(ビリーを羽交い締めにするガロン)

ガロン:あら〜!いい声で泣くじゃな〜い?素敵よ〜!ビリーちゃんっ

エーカー:全員逃げられたか?後はハンドラーとセシルだけだなっ

フィート:…エーカー、私…やっぱりビリーを置いてはいけない…昔は仲間だったし…それに…

エーカー:気持ちはわかるが今の奴はXの言いなりだ…行こう…

フィート…ごめんなさい…エーカー(エーカーの腹を撃つ)

(銃声)

エーカー:ぐはっ…!?…フィート〜!

ビリー:クッソッ!馬鹿力がっ!

ガロン:ほらっ?ほらっ?もっと強くだきしめて…あっげっるっ♡

ビリー:ちっ!仕方ねえ〜!少々ビリッとするが…我慢しろよっ!

ガロン:…ん?…ぐがっ!ギャアアアアアア!

(ビリーはガロンに電流を流した)

ガロン:…か…かはっ…(その場に倒れる)

セシル:…!?…ガロンさんっ!

ハンドラー:…くっ、ガロンっ…

ビリー:おおっと!さすがにオレもビリッときたぜっ!

ビリー:まあオレの名前はビリーだからなっ!ちょうどいいっちゃっ、ちょうどいいかっ?

ビリー:アッハッハッハッハッ、まぬけなオカマはおコゲになって一丁上がりだなっ!へへっ

ハンドラー:ビリーよ…やはりお前は私の手で葬らねばならんか…

ビリー:ハンドラー…オレをこんな体にしたのはお前だっ!この恨みわかるよな〜!

ハンドラ:わかっているさ…私の過ちだっ!だからこそっ!ここでお前を楽にしてやるんだっ!ビリー!

(銃をビリーに向けるハンドラー)

ビリー:おおっとっ!今度は銃か…よ〜く狙えよ?ほらっ?どうしたんだ?頭を狙わないと死なないぞ?ハンドラ〜!お前がオレをこんな機械のカラダにしたんだからな〜!

(服を剥ぎ取ると、頭以外はロボット姿のビリー)

セシル:…!?…そんなっ…カラダが…

ハンドラー:…すまんっ…ビリー!お前だけ地獄にいかす訳にはいかんっ!共に行こうっ!

(ハンドラーはベルトに手榴弾を巻き付けている)

セシル:ダメだっ!ハンドラ〜!

ハンドラ:うぉぉぁー!

(ビリーを撃ちながら突進するハンドラー)

ビリー:がはっ!クソったれがっ!来やがれっ!ハンドラ〜!!

(バーンと銃弾が鳴り響きハンドラーの胸を撃ち抜く)

ハンドラ:がはっ…ぐほっ…

(銃を構えたフィート)

フィート:ビリーは殺させないわっ!ハンドラ〜!

セシル:フィートさんっ!…どうして…ハンドラー!ハンドラー!しっかりっ!

ビリー:誰かと思ったら…フィートか…久しぶりだな〜!相変わらずいい女じゃね〜かっ!

フィート:ビリー…久しぶりね…こんな姿になってしまって…

ハンドラ:…フィート…はぁ…やはり…私を…恨んでおったのか…

フィート:忘れた時は無かったわ…あの時、レジスタンスのみんなの囮になって、ビリーは最後まであなた達FOXと戦ったのよっ!

フィート:そんなビリーをこんな姿にしてっ!いつか殺してやる機会を伺ってたのよっ!やっとそのチャンスが私に巡ってきたわっ!アッハッハッハッハ!

ハンドラー:…フィート…ぐっ…

セシル:ハンドラー!もう喋っちゃダメだっ!

フィート:ふふっいいザマねっハンドラ〜床に這いつくばって命乞いでもしたら?

フィート:市民達がFOXにしたようにねっ!それでもあなた達は無惨にも始末したわねっ!政府に逆らう反逆者として…

ハンドラー:セシル、ワシの代わりに…ビリーを…やるんじゃ…頼むっ…奴を生かしておいては…ミリーは助けられんっ…(銃をセシルに渡す)

ビリー:フィート〜よくやった!それでこそオレの恋人だっ!ほらっもっとこっちへ来いよっ!久しぶりの再会だろっ?へへっ

フィート:昔の貴方はそんな凶暴じゃ無かったのに…全て…ハンドラーによって奪われてしまったのねっ!

(再びハンドラーに銃を向けるフィート)

セシル:やめろっ!これ以上ハンドラーを傷付けないでくれっ!

セシル:…頼むっ!たしかに、ハンドラーは過ちを犯した…

セシル:でも、オレにとっては命の恩人なんだ…

セシル:ミリーと二人、オレを本当の息子のように育ててくれたんだっ!

セシル:大事な親なんだよっ!フィート…あんたにも、クォートという大切な妹がいるだろ?…目を覚ましてくれよっ!

フィート:言いたい事はそれだけかしら?セシル…

(セシルに銃を向ける)

フィート:私とクォートの両親もFOXに殺されたわ…その張本人がハンドラーなのよっ!

フィート:セシル…目を覚ますのは貴方の方よっ!貴方もきっと、ハンドラーに利用されているだけ…

ハンドラー:セシル…私を殺せ…すまんっ…

セシル:出来るわけないじゃないかっ!そんな事…そんな事が…父さん…

ハンドラ:…セシル…

フィート:いいわっ!私が2人まとめて殺してあげるわっ!あの世で仲良く暮らしなさいなっ!

(銃弾の音 エーカーがフィートを撃つ)

フィート:くふっ!かはっ…(倒れる)

エーカー:いまだっ!セシルっ!ビリーの頭をねらうんだっ!

ビリー:ちっ!まだ上にいやがったかっ!

セシル:ビリー!覚悟しろっ!

フィート:だめ…やめ…て…(涙)

(銃音 セシルがビリーを撃つ)

ビリー:ぐはっ!…(倒れる)

エーカー:セシルっ!ハンドラーを連れて逃げろっ!オレはフィートに腹を打たれた…ここから…すぐには動けそうにない…ぐっ…

セシル:わかったっ!ハンドラーいくよっ!頑張って…

ハンドラー:……ぐふっ…

フィート:ビリー…待ってて…今助けにいくから…

ビリー:はあっ、はあっ、クッソっ!頭を撃たれたっ!

ビリー:がああああ〜!うっ…うう…フィ…フィート…

フィート:ビリー?…ビリーなのね?

ビリー:フィート…みんなは無事か?FOXから逃げられたのか?

フィート:ビリー…あなた…記憶が…ええっ助かったわっ!あなたのおかげよ…ビリー…

ビリー:そうか、エーカーもガロンも、クォートもパイント、オンスも無事なんだな?

フィート:ええっ…でもガロンは…死んだわ…FOXにやられて…

ビリー:そうか…あのオカマ…不死身じゃ無かったんだな…あっはははっ…ぐふっ…(血を吐くビリー)

フィート:もう…喋らなくていいわ…これからは…私達ずっと…一緒よ…ビリー…

ビリー:…この胸のペンダント…革命の前に…記念に…2人で撮ったよな…

ビリー:綺麗だったな〜…フィート…フィート?なあ?そこにいるよな…

ビリー:おかしいな…何も見えない…何も聞こえない…

(倒れたビリーの胸によりかかるように寝るフィート)

フィート:ビリー…愛してる…わ…

ビリー:フィート…愛してる…ぜ…

(街中 交戦中)


パイント:はあっはあっ…敵が多すぎるっ!オンスっ!兄さんの傍を離れるなよっ!

オンス:うんっ…あっクォート…左前方から…敵数名…くるよっ

クォート:あいよっ!敵さんっこっちこっち!

(少し間を開ける)

セシル:はあっはあっ…ハンドラ〜、ほらっしっかりっ!止血はしたけど、血が足りないっ!野戦病院でも、あればいいけど…

ハンドラー:セシルっ…もういい…下ろしてくれ…

セシル:ハンドラー…

ハンドラー:胸を撃たれたんだ…どの道長くは持たん…それよりコレを…お前に渡しておく…

セシル:チップ?…ハンドラーこれは?

ハンドラー:もしもの時の為に…お前にこのチップを託す…それが全人類の希望じゃ…

セシル:全人類の希望…どういう事なんだ…ハンドラー…

ハンドラー:答えは…Xの待つ研究室じゃ…そこに…このチップを…

セシル:わかった…必ず生きてやり遂げるよ…

ハンドラー:はあっ…はあっ…ミリーの事も頼んだぞ…我が…息子よ…(息を引き取る)

セシル:…ハンドラー…父さん…うっ…うぅ…

(死に際にハンドラーから託された全人類の希望…そして、ミリーを救うためXの待つFOX研究所へと向かうセシル…果たしてミリーを救い出し、混沌とした世界を守れるのだろうか…)

(FOX研究所)

ミリー:…セシル…お父さん…無事かしら…

X:ミリー、時が来たようだ…もうすぐここに届くだろう…

ミリー:あなたは一体…何を企んでいるの?私は何なの?人なの?…それとも…

X:ふっ、人に近いが人よりも遥かに崇高な存在になる為の儀式だ…ミリー…君は神になるんだよ

ミリー:私はそんな事望んでいないっ!

ミリー:私は…セシルと…お父さんと…静かに暮らしたいだけなの…お願いします…もう…自由にさせて…

X:儀式が終われば俗世間の事など、どうでもよくなるだろう…それまではここにいてもらうぞ…

ミリー:…う…うぅ…セシル…

(少し間を開ける)

ハンドラー:……………。(倒れて動かない)

セシル:父さん…くっ…泣いてばかりもいられない…ミリーを助けに行かないと…X…お前だけは絶対に許さない…

クォート:セシル〜!良かったっ!無事逃げられたのね!

パイント:セシルっ!大丈夫かっ?……!?…ハンドラー…そうか…セシル…気を落とすなよ…

セシル:…パイントさん…クォート…

オンス:兄さんっ…エーカー隊長が見つかったよ…あの建物の影に横たわってる

クォート:セシルっ!助けにいこうっ!

セシル:はいっパイントさん…行きましょう!

パイント:…セシル…やっと男の目になったな…よし!行こうっ!

(建物の影)

エーカー:はぁはぁっ!…ぐあっ!うぅぅっ…!(腹の傷口をライターで焼く)

クォート:エーカー隊長っ!無事ですかっ?

ポイント:…これは…ひどい…

オンス:今すぐ…手当します…

エーカー:はぁはぁ…これくらいなんて事はない…クォート、パイント、オンス…それに…セシル…無事に逃げられたか…

セシル:はい…でも、ハンドラーが…

エーカー:そうか…逝ってしまったか…くっ、俺がフィートを止められていたら…

クォート:姉さん?…姉さんがどうかしたの?

セシル:……フィートさんがハンドラーを撃ったんだ…そして…フィートさんは…

エーカー:俺がフィートを撃った、そうでないとセシルまで殺す気だったからな…本当にすまない…クォート…

クォート:…そんな…姉さんが…う…うぅ…

パイント:…クォート…エーカー隊長を恨んじゃダメだよ…隊長もフィートに撃たれたんだ…

オンス:…兄さん…

エーカー:ガロンもビリーも逝ってしまった…残ったのはオレ達だけだ…セシルっ!ミリーを取り戻しにいくぞっ!

セシル:はいっ!…みんなの死を…無駄にしない為にも…Xの企みを止めないとっ!

パイント:よしっ!その意気だっ!セシルっ!

クォート:まって…私は反対よ…ミリーを助けに行って…また誰かが死んで…もうたくさんだよっ!

オンス:…クォート…

クォート:そこまでして、あの子を助けないとダメなの?ねえっ!セシル…あなたまで死んだら…私…

セシル:クォート…死ぬ為に行くんじゃないんだ…終わらせないといけないんだ…これ以上、もう誰にも悲しい思いをさせないためにっ!だからっ!

クォート:わかってるっ!…わかってるわっ!…でも…う…うぅ…

エーカー:クォート…お前が無理なら、ここに残していく…フィートやハンドラーを弔(とむら)ってやってくれ…

クォート:ぐずっ…いえ…いくわっ!最後までみんなと一緒にっ!…ごめんね…セシルっ

セシル:…わかった…でも危なくなったらすぐに逃げるんだっ!いいね?クォート

クォート:うんっ!ありがとう…セシルも無茶はしないでねっ…えへへっ

パイント:よしっ!じゃあいこうかっ!研究所までは地下通路を通って出来るだけ戦闘を避けようっ!

オンス:予備弾の追加、補充…整ったよ…

エーカー:よしっ!行こうかっ!先頭はパイント、セシル、クォート、オンス、しんがりはオレで研究所に向かうぞ!

エーカー以外全員:はいっ!(揃わなくても良い)

(FOX研究所 監視カメラからセシル達を確認)

X:どうやら来たようだな…ビリーめ…所詮は失敗作だったと言う事だな…

ミリー:セシルっ!…お願いっ!来ないで…罠よ…

X:ふっ、セシルっ!早くここまで来い…それ以外の者はどうでもいい…

(FOX研究所 館内)


パイント:着いたぞっ!研究所の真下だっ

エーカー:よしっここからは別行動だっ!

オンス:僕は…兄さんについていくよ…

クォート:…私はセシルといくっ!無茶しない為にも見張ってないとっ!

セシル:そんな…クォート…もう僕だって子供じゃないんだから…

パイント:あっはっはっ!クォートがなんか姉さん女房みたいだねっ!

エーカー:…お前達…ピクニックじゃないんだぞっ!全く…あっはっはっ!まあ、沈んでても仕方ないっ!そのくらい明るくいかないとなっ!

パイント:じゃあ僕とオンスは後方から支援するよっ!隊長はセシルとクォートと先に行ってっ!

セシル:了解!行こう!クォート

クォート:うんっ!

エーカー:よっしゃ!一気にいくぞっ!

(銃声の音)

(少し間を開ける)

セシル:着いたっ!ここにミリーが…

(研究室 扉前)

エーカー:セシル…警備がやけに手薄だったのが気になる…罠かもしれん…気を抜くなよ

クォート:セシルは私が守るわっ!どっからでもかかってきなさいよっ!

セシル:うん…扉をあけるよっ!

(Xの待つ 扉の前)

(扉の開く音)

X:ようこそっ!我がFOX研究所へ…これはこれは、皆さんお揃いで…

セシル:Xっ!…くっ…お前のせいで父さんは…

X:おやっ?どおりで顔が見えないと思ったが…そうか…逝ったか…それは残念だったな…

セシル:お前だけは…許さないっ!さあっ!早くミリーを返せっ!

X:ハンドラーが死んだと言う事は、セシル…お前が持っているんだろう?

セシル:…何の話だ?

X:とぼけなくてもいい…全人類の希望…チップだよ…ハンドラーから受け取ったはずだ

エーカー:セシル?ハンドラーから何か預かったのかっ?

セシル:…ん…んっ…

X:久しぶりだな…エーカー…わたしの誘いを断って反逆者になるとは…お前もハンドラーと同じで…バカなやつだ…はははっ

エーカー:X…いや…エルリック大佐…

X:懐かしい名で呼ぶじゃないか…エーカー大尉…元部下のお前が私に逆らうとわな…

エーカー:元軍人だったアンタが…まさかだよ…世界の神にでもなるつもりか?

X:神になるのは、私ではなくミリーだよ

(研究所の一角、ガラスの部屋にいるミリー)

セシル:ミリーっ!くそっ!…

ミリー:セシルっ!お願いっ!逃げてっ!(小さな声で)

クォート:セシル…

X:さあ!セシル…ハンドラーから預かったチップを渡してもらおうか?

セシル:ミリーを解放するのが先だ…でないとこのチップは渡せないっ

X:私と交渉するつもりか?…バカが…周りの状況をよく見てみろっ

(FOXロボットがエーカーとクォートを拘束する)

エーカー:ぐおっ…くっ…離せっ…

クォート:きゃあっ!…痛い…あぁ…

セシル:やめろっ!…わかった…でも…ミリーと話をさせてくれ…それからだ…

X:……ふん…まあ、よかろう…最期の言葉くらいは聞かせてやろう…ほらっ…ミリー…出るんだっ…

ミリー:セシルっ!

セシル:ミリーっ!無事か?どこも怪我してない?

ミリー:私は大丈夫よ!セシルこそ大丈夫なの?

セシル:あぁ…でもハンドラーが…父さんが…ごめん、ミリー…助けられなかった…

ミリー:そんなっ…お父さん…ぐすっ

X:感動の再会は果たしたか?ミリー…セシルからチップを受け取ってこちらにくるんだっ

ミリー:嫌よっ!もうあなたには従わないわっ!

セシル:ミリー…僕の後ろに下がって…

X:おやおや?…約束が違うのでは?また痛い目を見たいなら別だがなっ…やれっ!

(FOXロボットがセシルを拘束する)

セシル:がぁっ…くっ、ミリーっ!…

ミリー:セシルっ!離してっ!離しなさいっ!このっ…離せぇぇぇー!!(ロボットを殴り倒す)

(ミリーの感情が爆発する)


エーカー:…!?…なんだ?

クォート:本当にミリーなの?なんだか…雰囲気が…

セシル:ミリー?…どうしたんだよ?急に…

X:あっはっはっはっ!ついに目覚めたかっ!いいぞっ!感情の起伏が激しく上昇している!そうだっ!もっとだっ!怒れっ!人類に対して怒るんだっ!

ミリー:きっ!(睨む)…Xっ!…あなたは許さないっ!絶対にっ!みんなみんな…私の大切な人達を傷つけて…命を奪って…

セシル:ミリーっ!落ち着いてっ!どうしたんだよ…

ミリー:セシル…ごめんね…私は…普通の人間じゃないみたい…感情がコントロールが出来ないの…悲しみや憎悪がカラダ中から溢れてくるの…

X:そうだっ!それでいいんだよっ!ミリー!人間でありながら人を超える崇高なる存在…まさに神の領域…素晴らしい!

ミリー:X…お父さんのカタキ…はあぁぁぁっ〜!

X:おっとっ…ミリー…セシルがどうなってもいいのか?…大事な家族なんだろう?

ミリー:セシル…

X:さあ…ミリー…素直にセシルからチップを奪ってこちらへ来るんだっ!いい子だから…

セシル:ミリー…お願いだっ、正気に戻ってくれっ!…あの優しい笑顔が…また見たいよ…

ミリー:セシル…ごめんね…チップを渡して

(セシルからチップを奪うミリー)

セシル:ダメだっ!ミリーっ!いくなっ!

X:あっはっはっはっ、そうだっ!ミリー!やはりお前は聞き分けがいい!

X:さすがは私が育てあげた…最高の…実の娘だっ!

セシル:え?どういう事だ?Xがミリーの本当の娘だって?…父さんはハンドラーのはずじゃ…

エーカー:…いや、本当だ…ハンドラーに子供はいない…ミリーはエルリックの実の娘なんだよ…

クォート:そんなっ!…我が子に何て事を…

ミリー:ごめんね…セシル…何となく気づいていたの…でも信じたくなんかなかった…

ミリー:こんな人が私の本当の父親だなんて…でも、もうそれも終わる…もうこんな事終わらせないといけない…

X:さあっ!ミリー…我が娘よ…こちらにチップを渡しなさい…

セシル:渡しちゃダメだっ!ミリー

ミリー:…はい…これで満足でしょ…

X:ふっふっふっ、ふっはははっ!ついにチップが私の手にっ!

X:これで更なる人類の進化が期待できるぞっ!

X:ミリーさあっ!このチップを埋め込んでやるっこちらにきな…

X:う…ううっ…ミリー?…がはっ…

(ミリーがXの腹を手刀でつらぬく)

ミリー:X…あなたの野望もここまでよ…

(チップを取り返すミリー)

X:がはっ…ミリー…くそっ…こうなればお前達ごと、この研究所を爆破してやるっ!あの世でせいぜい仲良くするんだなっ!

(Xがボタンを押し、研究所館内にブザーがなり、ロボット兵が停止した)

エーカー:おらっ!てやっ!クォート!無事かっ?(ロボット兵を倒す)

クォート:たあっ!やあっ!こっちは大丈夫!それより、セシルとミリーをっ!

セシル:ミリー…大丈夫か?

ミリー:…はぁ…はあ…セシル…頭が…痛いの…

エーカー:ミリーの頭のチップが暴走したんだ…何か脳に異常をきたしたのかもな…たしか…ビリーの最後もそうだった…

セシル:ミリー…もう喋らないでいいから…

(研究所爆破まで、残り5分 アナウンス)


クォート:セシルっ!早く逃げないとっ!

セシル:ああっ!ミリーは俺が連れていくっ!

エーカー:よしっ!先にいけっ!セシルっ!クォート!走るぞっ!

X:はは…はっ…ぐっ…もう終わりだっ!この世界では…もう人類は生き残れない…機械が支配する…この世界に…希望はない…

セシル:あるさ…必ず実現してみせるさ…ハンドラーが…父さんが取り戻そうとした世界をね…

X:…ふっふふ…では、あの世で見物してやろう…

X:私が…夢半ばで諦めた…理想郷を…

X:ミリー…すまなかった…(倒れる)

ミリー:…………。

(少し間を開ける)

パイント:セシルっ!無事かっ?ミリー?大丈夫なのかい?

セシル:ええ…気を失ってるだけです…

オンス:兄さんっ…早く逃げないと…建物が崩れてきてるよ…

エーカー:とにかく脱出だっ!走るぞっ!クォート!セシルっ!

セシル:はいっ!(同時に返事する)

クォート:うんっ!(同時に返事する)

(研究所 外へ)

(崩れ落ちる FOX研究所)

クォート:はぁ〜!危なかった…

エーカー:ああ…パイントやオンスが、敵を間引いてくれていなかったら、やばかったなっ!2人ともよくやった!

オンス:…うん…僕、頑張ったよ…

パイント:偉いぞっ!オンスっ!さすが自慢の弟だっ!

セシル:ミリー…無事…出られたよ…ハンドラーの所に戻ろう

ミリー:…セ…シル…これを…あなたに…

セシル:これは…ハンドラーのチップ…これをどうしたらいいんだ?

ミリー:チップを…解明できる…のは…Xだけだった…でも…探せば…もしかしたら…

エーカー:全人類の最後の希望か…あとどのくらいの人間が生きてるかわからねえけどな…

クォート:でも、今、生きてる私達は先に進まなくちゃならないよねっ!

パイント:そうだねっ!人間らしく…人として生きる為にね…

オンス:うん…僕も…探すよ

セシル:ミリー…一緒に行こう!これからも…

ミリー:セシル…ええっ…行きましょう…希望を捨てずに…それがお父さんとの…約束だから…

セシル:ああ…必ず…探しだすよ…オレ達の希望をね…

END



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