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夏の匂い、私の場合

8月も終盤に入り、いよいよ子供達にとっての楽しい夏休みも終わりに近づきました。

私は田舎育ちですので、夏休みの遊びと言えば川で魚を捕まえるか、山でクワガタムシやカブトムシを捕まえるのが定番でした。

近所の友達と自分の捕まえてきたクワガタムシやカブトムシの大きさを競って自慢し合ったりして、毎日とても楽しかったです。

私の育った地域はとても田舎でしたので、子供の足でもほんの5分から10分も歩けばクワガタムシやカブトムシがいる場所に行くことが出来ました。

カブトムシは夜行性ですので、子供にとっては中々見つけにくい虫だったのですが、クワガタの方は夜でなくても見つけることが出来ましたので、早朝や夕方に虫が集まる木が生えている場所まで出向いては、コクワガタやノコギリクワガタ、たまにはミヤマクワガタやヒラタクワガタなんかも捕まえて自宅の飼育箱で飼っていました。

ご存知かと思いますが、クワガタムシやカブトムシはクヌギなどの木から染み出る樹液に集まってきます。

樹液を出す木からは独特の酸っぱい匂いが辺りに漂うのですが、かなり強い匂いを発散しますので、10メートル以上離れた場所からでも匂いを感じる事が出来ます。

田舎の子供にとって、自分だけしか知らない「秘密の木」を持つことはとても重要で自慢出来る事なので、虫取りに行く際は周りを気にしながら必ず一人で出かけたものです。

と、子供の頃の思い出をここまで書いたのですが、実はその酸っぱい独特の匂いを最近、大阪の自宅近くで時々感じる事があります。

いつも仕事に行くときに自転車で「緑道(りょくどう)」と呼ばれているちょっとした林の中を通る道を走るのですが、その際に時折ほんの一瞬ですがあの懐かしい樹液の匂いを感じる事があります。

緑道の両側に生えているのは照葉樹が主体ですが、どんぐりの実がなる落葉樹もいくつかあるので、そのどれかからあの匂いがしているのだと思います。

その匂いを感じる度に、自転車を降りて匂いの発生源を探したい衝動に駆られるのですが、木の生えている場所は斜面になっている為中々入っていきづらく、また今度また今度と思っている内に夏も終わりに近づいてしまいました。

私はあの匂いを感じる度に、子供の頃にタイムスリップした感覚を味わうのですが、それはとても幸せな事かもしれないと最近思います。

その緑道は小学生の通学路にもなっていて、毎日沢山の子供達が通る道なのですが、恐らく誰一人あの匂いからクワガタムシやカブトムシを連想する子はいないのだろうと思います。

都会の子供達にとって、クワガタムシやカブトムシはデパートやペットショップで買ってくるもので、林の中に分け入って捕まえてくる生き物ではありません。

仕方ないと言ってしまえばそれまでなのですが、林の中で実際にクワガタを見つけたときのあの高揚感やワクワク感はデパートには売っていません。

ただしクワガタの横に必ずいるオオスズメバチの恐怖もオマケで付いてくるワクワク感ではあるのですが…。

ところで今日は、私の実家がある地域では地蔵盆だと田舎の友人から連絡がありました。

地蔵盆が終わると、夏休みも終わりの雰囲気が一気に高まります。

宿題を最後まで残すタイプだった私は、地蔵盆の終了を合図にいやでも毎年机にかじりつく事になったのですが、今ではそれも良い思い出です。

今日はいつもの介護関連の話題を離れ、「夏の匂い」にまつわる思い出を書かせていただきました。


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