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VC投資、Web3.0などが一歩リード

Web3.0、DeFiへの投資意欲は継続

米金融調査のピッチブックが、第3四半期のベンチャー・キャピタル (VC)投資についてレポートを発表した。同期では「Web3.0」「DeFi」が最も有力な投資先となり、第2番目はフィンテックで第3番目にバイオテクノロジー投資に人気が集まったという。一方で、VC投資のピークであった2021年の第4四半期に比べ、投資額が大幅に減速した理由として、マクロ経済における影響を挙げ、世界での中央銀行の利上げや高インフレなどが一服すれば、今後需要はさらに拡大すると見ている。VC投資は、全体で47億ドルでそのうちのおよそ2割程度の8億7900万ドルがWeb3.0、DeFiに投資されたという。なお、このレポートは大手投資ファンド15社に関連するシードステージ、アーリーステージにある153社を調査した。

ベンチャー・キャピタル (VC)とは

スタートアップ=新興企業を対象にした投資会社 (ファンド)のことである。将来成長する見込みがあるハイテク企業などに未上場での出資を行い、その企業が成功し上場を果たした時に、高い収益が得られる出資ファンドである。VC投資といっても段階的に、「シードステージ」=起業後もない資金調達手段、「アーリーステージ」=起業を終え2,3年、「エクスパンドステージ」=起業が軌道に乗り始めた段階、「レイターステージ」=上場前の段階がある。

ブロックチェーン技術を駆使したWeb3.0

Web3.0とは、イーサリアムの共同操業者であるギャビン・ウッド氏が2014年に考案した分散型インターネットである。例えばグーグル、ユーチューブなどの特定のプラットフォームを介さずに、暗号資産などで使用されているブロックチェーンを利用し、ユーザー同士・個人間でデーターを分散し活用することができる。ちなみに、メタバースはブロックチェーン技術でインターネット上に仮想空間を作り上げるサービスのことを言う。
Defi=ディーファイ (Decentralized Finance)とは、日本語では分散型金融と言い、基本的にWeb3.0のブロックチェーン技術が使用される。銀行、金融取引所を介さずにユーザー同士で取引を行い管理する。

Web3.0、DeFiは破綻したFTXの影響を受けにくい


業界では、11月11日に破綻を発表した暗号資産(仮想通貨)交換業のFTXの影響がいまだどの程度の規模だったか検証にまでは至っていない。BlockFiなど一部の企業はFTXの破綻連鎖で米連邦破産法11条を申請し、場合によっては仮想通貨市場の落ち込むがさらに加速する可能性もあると言われている。しかしながら、本レポートではWeb3.0、DeFiのような暗号資産エコシステムのカテゴリーは、投資家の関心度がいまだ高く、特にブロックチェーン開発会社であるMysten Labsが3億ドル、Aptos Laboが2億ドルの資金調達に成功していることからFTX破綻による影響は限定的だったとされる。この2社が、イーサリアムやSolana(ソラナ)のような仮想通貨プラットフォームの競合となるぐらい成長したとしたら、投資家らの惜しみない努力が実になる日も近いのかもしれない。



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