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【床下インスペクション】印象に残った体験談

インスペクションにて
床下に潜り込んだ際の話。

その物件は1階室内に複数、
ゴキブリホイホイが置いてあった。
後でそれを実感、痛感することになった。

依頼主要望で床下調査は点検口から
行けるとこまでもぐるお約束。
さあ、行ってみよう!

床下が狭い為、めったにしない移動法でもぐる

床下は私の場合、通常うつ伏せほふく前進する。
今回はあまりに狭すぎてそれができなかった。
普通なら「もぐれないですね」と諦めても良さそうだったが、何故かあきらめたくない冒険野郎的な気持に押され、しょうがない・・・
「あおむけ寝そべり移動方法」で侵入開始!


床下の環境は、健康にも精神的にもあまりよろしくない…

築35年超えている家の床下は私の経験上、健康に良くない環境がとても多い。

今回は特に湿気とカビ臭がきつい。床下は土と砂混じり地面。地面に一部カビも見える。それなりの防護装備だが今回は激しく汚れる覚悟をした。湿気でジメジメしている床下は潜り込むと直ぐにわかる。

おまけに、床の繊維系断熱材の劣化が激しく、オバケのように垂れ下がりが多く見られる。それが仰向けで移動する顔付近に「蜘蛛の巣」のように邪魔してくる。勿論、蜘蛛の巣もある。
何が何だかグチャグチャの環境。

少し進んでから、無事室内へ生還できるか不安になった。なんせこれから1時間前後、この環境に居続けなくてはならないのだから。
閉所恐怖症ではない私も、閉所恐怖症になりそうな感覚・・・


自問自答はいつもの通り・・・

仰向けのまま少し進んではライトで左右を照らしながら基礎や土台や水道管などを確認していく。
仰向けのまま写真もとりながら進む。目視するが見落としも考えられるため写真はバシバシ撮る。ジメジメしている床下でホコリも立つので、吹雪のような無駄写真も当然出てくる。いつも床下だけで100枚位にはなっているだろう…
疲れたら、照らしているライトを枕がわりに小休憩。そして動くこの繰り返し。床下もぐりした次の日はだいたい軽い筋肉痛になる。
体がカビ臭くなり、調査後は銭湯や温泉に直行したりする。防塵マスクしても喉はいがいがするし、耳や目や鼻もホコリがすごくつく。
防護服など洗濯も別に分けて行っている。
「この仕事よくまあやってるよな〜」と自分に呆れながら粛々と進む。


不具合があったから確認できたという事も…

先が見えていても、どう体をやりくりしても奥に進めない所に到着。
さすがに無理できない。無理はしない。手を伸ばし広範囲に写真をバシバシ撮る。

実はこの奥に行けない部分、コンクリート基礎が壊され穴になっている不具合部分だったのだ。配管工事をするために無理に基礎に穴を開けて壊した様子。コンクリート破壊残骸も残っている。
もともと人が出入りするためではないのだ。

築年数がだいぶ経過した家では、床下を全て人が潜っていけない作りになっているケースもそれなりにある。もぐらなければわからない。
もし正常のままの基礎だったら奥は見れなかったし写真も撮れなかった。が、複雑な心境でもある。

仰向けのまま来た道を足方向へバックしていくのは無理。来たルートと違うルートから戻ることに。


今回のメインへ到着…

あおむけほふく前進しながら、床下地面の土が一部盛り上がっている所を通過。体の厚みより狭かった為、顔や体が床の断熱材にこすれながら進んだとき・・・断熱材から顆粒状の粉末が沢山顔に落ちてきた。
勘弁してよ〜 ちくしょ〜! 
汗だく閉所の空間内で気持ちも限界に近かったからこの粉末攻撃は余計にいらつく。精神的ダメージ大。

地面の盛り上がりを通過して少し進んで、ある事に気がつく・・・
複数ある床束(床を支える短い柱)の根本に顆粒状のものが至る所にみられる。写真に納め、その後無事脱出できた。


あとで調べたら…

ご依頼主から一言。あえぎ声すごかったですね、私達にまで聞こえてきましたよ~。立ち会う方のほとんどに言われるひと言に、いつも通り笑ってなごみタイムだ。

さておき、調査翌日写真データを確認、事例写真や文献資料から、その顆粒状のものがゴキブリの糞に間違いないことが判明!
ゴキブリの糞を顔面にあびたのか~~~~ゴキブリは、床の断熱材にも入り込むし、糞もする、という情報をまさに身をもって体験いたしました。

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