見出し画像

【今週の週末ごはん】#2 クリスマスに毎年作る北欧にんじんキャセロール

ここ数年、クリスマスにはラムラックを焼き、にしんやビーツを買って彩良い北欧料理を何品か作るのが定番だった。けれど今年は直前~当日まで予定が詰まって準備ができず、ごく簡単に済ませたのだが、それでもこれだけは作りたかった。
北欧風のにんじんキャセロール(フィンランド語で「ポルッカナラーティッコ」)。

今年は砕いたくるみをのせました

北欧のクリスマス料理で検索するとすぐに出て来るし、フィンランド料理として有名なのでご存知の方も多いだろう。一時期北欧料理にはまり、レシピを探していろいろ作ってみる中で定番化したのがこれとマカロニラーティッコ(ホワイトソースを使わず牛乳と卵を具に混ぜて焼き、ケチャップをつけて食べる簡単なグラタン)だった。にしんのマリネやビーツを使った料理を作るようになったのもその頃から。

キャロットケーキにも似たほんのり甘く、ミルク粥の優しい風味にスパイスの効いたこれが大好きで、夫は「これを食べるとクリスマスって気がするなあ」と言う。何年か作り続けるうちに、より我が家好みの味になって来た。
複数のレシピを参考にした上で、作りやすさや好みを取ったレシピになっている。

《北欧風・クリスマスのにんじんキャセロール》レシピ:約2人分(グラタン皿一枚分目安)
1)米30gをさっと洗ってざるに取り、バター少々を溶かしたフライパンで優しく炒め、透き通ってきたら水50cc程度を加えて少し吸水させ、牛乳200mlを加えて軽く蓋をし、弱火で15分ほど煮る。焦げないよう時々蓋を取って混ぜ、とろみが出てきたら火を止めて蒸らしつつ粗熱をとる。オーブンは200℃に予熱。
2)にんじん2本はへたを落として皮をむき(今回は正味180g)すりおろす。くるみ適量(なくても可。アーモンドもにんじんに合うのでおすすめ)は軽くローストして砕いておく。
3)おろしたにんじんを1)のミルク粥に加えてなめらかに混ぜ、黒砂糖大さじ1(お好みでもっと甘くしても)、ナツメグ、シナモン、オールスパイス(オールスパイスはお好みで。カルダモンも良い)各少々、ごく微量の塩と白こしょうで調味。にんじんの水分で水っぽい場合はここで少し加熱し、余分な水分を飛ばすと良い。最後に溶き卵1/2個分を加えてよく混ぜる。
4)バターを塗ったグラタン皿(耐熱容器ならなんでも)に3)の生地を流し入れて表面をならし、2)のくるみを散らし、お好みでバター適量をのせて予熱したオーブンで30~40分、様子を見ながら焼く。

にんじんを混ぜる際に生クリームを加えるレシピも見るが、元々牛乳をたっぷり使うので(これでも参考レシピより減らしている)私は不使用。クリームを入れて濃厚にするより、にんじんの水分を少し凝縮させてにんじん臭さを飛ばし、黒糖とスパイスでコクを加える方が好き。
また、にんじんを先に炒めて水分を詰めた後に米と牛乳を加えて粥状にするレシピも試したが、味のまとまりが悪い気がして(ミルク粥の味や食感がやや雑になる)ミルク粥を先に作る方法を採っている。
オーブンで焼く際表面に溶き卵やバターを塗るか、パン粉を散らすか等もお好みで。これらの材料を使うと焼き色は綺麗につくが、味の点では必須ではないと思う。ナッツは香りが良く、にんじんとも合うのであった方が好き。

今年は時間のない中ぱっと作ったが、思い切ってスパイスを使ったからか、気候や体調に合ってとても美味しく仕上がった。
疲れている時、私はにんじんが食べたくなる。殊に冬は肌や粘膜が乾燥して弱りがちなので、にんじんが無理なくたっぷり食べられる料理は嬉しい。スパイスや黒糖も身体を温めてくれる。

この日の他のメニューは以下の通り。
◆塩豚とカリフラワー煮(前日塩をまぶしておいた豚ロースの脂身部分に切り目を入れ、スライスにんにくを挟んで表面のみ焼き付け、カリフラワーで囲むように厚手の鍋に入れ、適量の水を加えて煮込むだけ。味付けは塩・こしょう。カリフラワーが煮崩れてソースのようになるのも良いし、煮汁自体が美味しい)
◆くたくたブロッコリーのショートパスタ(これも我が家定番。アンチョビ、塩漬けケッパー、にんにく、くたくたに茹でたざく切りブロッコリーを混ぜたソースに、ブロッコリーを茹でたお湯で茹でたショートパスタ。今回はカリフラワーの茎も併用)
◆市販の美味しいレバーペースト
◆日比谷「ル・プチメック」のゴーダと三種のチーズパン、シュトーレンスライス(日比谷へよく観劇に行くのでプチメックは行きつけ。この日はチーズが食べたい気分。シュトーレンもたいへん美味しかった)、秋田「川とパンと」のカンパーニュ

それと東京會舘のブッシュ・ド・ノエル(小)。このケーキは甘さ控えめ、中はマーブルプディングの大人っぽい味。崩れにくく、夕方に電車に乗っても安心して持ち帰れるスリムな形状&コンパクトな包装もお気に入り。今年も美味しかった。

みなさま、少し遅れましたがメリークリスマス!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?