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シン・仮面ライダーを観賞

公開初日、 #シン・仮面ライダーを観てきた。
結論から言うが、面白いとは言えない作品だった。

いつも言っている事だが、アートはどこをどう観るかがその答えとなる。私の場合は、やはり仮面ライダー1号2号を描くのなら、"テレビ放送時のイメージを崩さないものにして欲しい"と言うのが今回の結論に直結している。

今回は珍しく、どの点において納得がいかなかったのかを箇条書きで説明していきたい。そしてその後に、その内容に触れたい。それから、私がUPしたYouTubeもあるので、昭和の仮面ライダー1号2号が好きな方や今回新たにシン・仮面ライダーを観てきた方、または観にいくつもりで迷っている方は参考にしていただければと思うところだ。

では、まずどのような点が腑に落ちなかったを書いてみよう。以下の通りだ。
①キャスティングミスが度を超している
②緑川ルリ子がとにかく喋りすぎ
③話が難しい
④役者の声が悪い
⑤変身ポーズをしっかりさせなかった
⑥よく分からないキャラクターの登場
⑦主役の本郷猛が常時震えていて意味不明

大きくまとめてこんなところだ。
ではこれから一つずつ説明していこう。
①キャスティングミスが度を超している
本郷猛を演じた池松壮亮が、その役に合っているとは決して言わないが、まあ許せなくはない。そこは良しとしても、頭に来たのが仮面ライダー2号の一文字隼人を演じた柄本佑だ。これはあり得ない。
仮面ライダーは男臭い部分がありながらしかしキリッとした男っぽさで声もヒーロー感がなくてはならないのだ。そのイメージを作ったのが初代仮面ライダー1号を演じた藤岡弘と、2号を演じた佐々木剛である事は否めないところだ。
今回2号を演じた柄本佑だけの責任でもないのだが、プロなら何でもかんでも仕事を引き受けてはいけない。自分がやるべき仕事なのかどうかくらいは判断して欲しい。柄本佑は仮面ライダーの要素はゼロだ。特に2号なんて以ての外だ。
その喋り口調もセリフもいちいち軽々しく、笑い声も甲高く、見た目が全く仮面ライダーに向いていない。
今、アマゾンプライムビデオで【あしたのジョー】を観ているのだが、プロボクサーになるにはそれに向いている体と言うのがあるというのだ。仮面ライダーをはじめとする正義のヒーローになるにもその見た目というのは当然あると思う。その点を鑑みても柄本佑の仮面ライダー2号への起用は信じられないキャスティングミスであると言えるのだ。
他の役者もキャスティングミスを感じるものは何人もいるが、これが1番酷い。

②緑川ルリ子がとにかく喋りすぎ
緑川ルリ子は本来かなりの脇役で、仮面ライダーというドラマに花を添えるために用意されたような超脇役な存在だ。それを主役級にしたところは目を瞑るにしても、とにかくセリフが多過ぎる。セリフで片っ端から説明してしまう始末。更に、服を着替えるシーンがあるが、その時の「着替えるのを見ないで」的なワンシーンが不要だ。あんなシーンは仮面ライダーにはいらないのだ。戦隊ものはヒーローが何人もいてそのグループの中での恋愛に前例があるのだが、仮面ライダーに女の色気や恋愛は御法度だ。何故かと言えば、仮面ライダーは曲がりなりにも子供達に正義や勇気や優しさや思いやりや世界平和を解かなければならないメッセージのドラマであって、そこにくだらない女の色気や恋愛があると、見ている少年たちの心にブレが生じてしまう。恋愛は実体験や恋愛ドラマの中で楽しんだり学べば良いのであって、決して正義の象徴と化した仮面ライダーでやってはならないタブーだ。「平成ライダーでは当たり前のようにやっているではないか!」と思っただろうか?それがそもそも間違いという事だ。

③話が難しい
監督が自分のオリジナリティや仮面ライダーに対する思い入れや好きの感情を詰め込むのは構わないが、今回のは初回の観賞で意味がわかるような、子供が理解できるような内容では到底ないと言える物語の難しさだ。その要因の一つとして、出てくるワードが聞きなれない言葉のオンパレードであり何のことを話しているのかパンフレットや何かの解説を見なければ理解し難いところまで行ってしまっているという事。そしてその上セリフが多いから頭がパンク状態で置いてきぼりを食らうのだ。

④役者の声が悪い
これを読まれている方の中にどれ程この話が通じる方がいるだろうか。
どんなジャンルにせよ、"プロのレベル"や"プロ水準"というものが存在する。90年代初期くらいまでの役者は見た目もさることながらその声が聞くに堪えるものであったのだ。故にオリジナルの仮面ライダーのテレビ放送を見れば分かるように殆どの役者が声ができている。藤岡弘、佐々木剛、それから立花藤兵衛を演じた小林昭二や滝を演じた矢吹二郎などがいい例だ。それから忘れて欲しくないのはショッカーの首領の声である納谷悟朗だ。納谷五郎のような人が声を扱うプロの水準を超えた一流の人なのだ。
今の役者で「声がいいな」と思わせるような人はほんの一握りだ。本作の中で声も存在もキャラクターにフィットしていたと言ってもいいのは長澤まさみだ。その次に西野七瀬や浜辺美波ではないかと思う。とにかく声の悪い役者が揃った作品で、その点においても観るに耐え得ない作品だ。

⑤変身ポーズをしっかりさせなかった
これは私の希望ではあるが、しかしながら当時の仮面ライダーを観て育った人なら誰しも変身ポーズをして仮面ライダーに変わるその様を見たいのが心情ではないだろうか。訳のわからないところで変身ポーズだけさせるとは何事だ!

⑥よく分からないキャラクターの登場
森山未來が演じたキャラクターや、松坂桃李が演じたキャラはなんだったのだろう?と疑問視せずにはいられない。本当にあんなものが必要だったのだろうか?パンフレットや解説の本などを読まなければその意味が分からないというのはプロとして失格ではないだろうか?
よく宮崎駿の作品は深いと言われる。そしてどのような点においてそうなのかと問えば殆どの人がこう答える。「宮崎駿がインタビューで言ってるけど/こんなふうに買いてる本があるんだけど・・・」などなど。それでいいのだろうか?その作品の中で人を感動させて初めて凄いアーティスト、凄いクリエイターではないのか?それを他のインタビューや何かの記事を読まなければ分からないというような、濃いファンにしか理解されないようなものを作っておきながら何が凄いのだろうか。私はそういう意見を持っている。「お前のような無名の人間が何をいうか!」と思う人もいるかもしれないが、何が悪い。これが言論の自由だ。

⑦主役の本郷猛が常時震えていて意味不明
今回の本郷猛、いや、池松壮亮は何故あんなに震え続けていたのだろうか?意味が分からない。

以上、上記した7つが腑に落ちない点だ。しかしこれだけでは、シン仮面ライダーがまるで面白くなかったかのように伝わるかもしれないし、少し私の好感度も気にして(別に気にしてはいないが笑)、良かった点も述べておこう。

①ライダーのマスクやスーツ、敵のマスクやスーツなど、それからサイクロン号は物凄く格好良かったと思う。
②ロケ地が素晴らしかった。これは恐らくオリジナル版にリスペクトを込めて、旧1号の撮影で使ったロケ地に行ったか、似たような場所を選んでのことだと思う。
③長澤まさみの振り切った演技は流石だと言えよう。この人は役者だ。
④作曲家、菊池俊輔のオリジナル音源にかなり寄せた再録音で音楽が使われていた。これには胸が躍った。
菊池俊輔は70〜90年代のドラマやアニメや特撮ヒーローもので多くの名曲を生み出した、私個人としても尊敬している作曲家だ。ドラマ【乳姉妹】【暴れん坊将軍】【ドラゴンボール】【ドラゴンボールZ】【ドラえもん】【パーマン】【エスパーマミ】【ノラクロくん】【オバケのQ太郎】など言い出せばキリがないほど名作に関わった日本を代表する名作曲家だ。
⑤子門真人の歌でレッツゴーライダーやその他の曲が流れた事
子門真人は【およげ!たいやきくん】が1番有名だが、芸名をいくつか変えて歌を歌っている【仮面ライダー】や【北斗の拳2】などが知られるところかもしれない。

このような点は素晴らしかった。

今回の作品を100点満点中で言うなら、68点だ。

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