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国債のごみ箱「日銀」に地方の借金も捨てよう


〇国債で「つくられた」好景気

 日本経済はいわば「腹が突き出ているのに手足の末端に栄養の行き届かず壊死し始め、偏った栄養のせいで重篤な内臓疾患を抱えた病人」のようなものです。日本経済は数字の上では好景気といえるものです。国債の大量発行で膨らんだ日本経済は株価も企業業績も全体的には上向き。日本の経常収支は黒字で、海外資産がたくさんあり増え続けている。
 しかし国債の大量発行で「つくられた」日本の好景気の恩恵にあずかれたのは所得を投資に回せるくらいおカネに余裕のある人たちで株価が上昇する銘柄が多い中、めでたく上級国民入りした人もいるでしょう。経済成長しなくても日経平均は上昇するものなのですね。
 好景気で上昇した株価と違いわたしたちの給料は上がっていません。企業は景気が良くなって業績が良くなったから従業員の給料を挙げなければならない法律はないですし、企業にはそんな義理なぞ従業員へないのです。むしろ資本主義社会において業績が良くなれば利益を還元するのは従業員ではなく株主なのです。国が強制的に国民の賃金をあげられるのは社会主義の国だけです。
 また海外資産の増加もいってみれば国債で生み出されたお金が海外へ流出して戻ってこず日本国内で使われないお金が増えているのです。必要な社会資源の予算(老朽化したインフラの整備、次の世代のための教育や若い世代の子育て支援etc.)にカネがいかない、国内の投資先や株が買われるのは儲かっているところだけで、あまりうまみのない海外勢に押されまくって経営が苦しいところ(ディスプレイとかね)には投資先や株の購入先としてカネが流れない。
 そしてつくられた好景気では地域経済まで活性出来ていません。
 都市部と地方の経済格差は地方交付税交付金くらいの調整では如何ともしがたい状況で地方から都市部への働き手であり出産育児を行う若者の流入が止まらない。
 東京や大阪などの財政が豊かな自治体は高校までの教育費を無償化できるが地方の自治体は台所事情が厳しいからそんなことできない。さらに若者も地方を離れ仕事があり子育てしやすい都市部へ流れていく。
 人口が減少しているから地方が衰退しているのではなく各自治体の借金が子育て支援とか公共事業の予算の縮小で生活インフラの整備とかに充てられないから地方経済が衰退して人口減少しているのです。
 この負のスパイラルを断ち切るには国が国債発行を思い切って大量発行し地方自治体の公債を引き受けて日銀という「ごみ箱」に捨てるべきなのです。中央銀行の役割は国の富の偏在を是正するためにあると思っています。地方にカネがないから日本が衰退しているのです。手足の末端にカネという血液が流れていないから壊死しつつあるようなものです。
 そして海外に流出した日本のお金を「お金不足の」国内に呼び戻すために個人の海外資産にとんでもない額の税金を課すなどの対応を政府は今こそすべきなのです。

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