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父が会いに来てくれました

先日のこと。
外出先でカフェの前に差し掛かった時、カフェの通りに面した席でうつむいて何かを書いている男性を見て思わず足が止まりました。
「えっ!お父さん!」

特徴的な眉毛、髪の毛の生え方、まぶたの感じ、面長の輪郭。
70代前半のまだ元気だった頃の父にそっくりだったのです。
驚きと嬉しさでガラス越しのその男性に見入ってしまいました。


3年前に亡くなった父は、畑仕事や料理が好きな穏やかな人でした。
魚を捌くのも、ジャムや梅シロップ作り、らっきょう漬けなども得意で。

私が子供の頃は風邪をひいたら「あれを作らないとあかんな」と、人参とりんごを擦りおろしてガーゼで絞り、はちみつを入れたジュースを作ってくれました。

私と弟は父が作る酒粕の甘酒も大好きで、夕食後にくつろいでいる時に急に頼んでも「よし、作ったろか?」とにこにこしながら台所に立っていました。全然面倒くさがらないんです。

「お父さんの甘酒は美味しいやろ」出来上がった熱々の甘酒を少しずつ飲む私や弟に、いつもとても満足そうでした、、、、。


カフェの前でいつまでもその男性を見ているわけにもいかず、仕方なくゆっくりとその場を離れようとした時、「幸せか?」と父の優しい声が聞こえたような気がしました。
「お父さん、幸せよ。会いに来てくれてありがとう」と心の中で答えようとすると、父への言いようのない感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。

溢れてきた涙を拭きながら人にぶつからないように歩く私を、懐かしい父の思い出がふんわりと包んでくれていました。


「あなたのあの日あの時」

何気ない思い出の中に散りばめられている、誰かからあなたへの愛というギフト。
今のあなたで、もう一度大切に受け取ることで、ありのままの自分のことがぐっと愛おしくなるセッションがあります。ご興味を持たれた方は以下の記事もお読みいただけると嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがございました。

傾聴カウンセラー ながやまかおり