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17年11月12日 さいたま国際マラソン

 41回目のフルは初めてのさいたまマラソン。54歳の現在、埼玉県民の私にとっては地元の唯一のフル。結果SUB4成る!SUB4生涯勝敗は18勝23敗。(17年当時、以下のレポートの通り、運営に疑問を呈したわけだが、案の定、21年以降本レースはなくなってしまった)

 同大会は埼玉県の県庁所在地・さいたま市で催される。本年6月異動で「埼玉県に18年ぶりに住民票を移したからには1度は出てみよう」、そんな気持ちで申し込んだ。
 最近は筋力の衰えか、練習では1kmあたり30秒もLapTimeが落ちている。秋になってコンディションが良くなっても、10km程度で@6’00を切れない。まさかこんなに低調なまま本レースを迎えるとは思わなかった。従って、今日の目標は現実的に4:13とする。

 レース2日前の金曜日。会社を17:00過ぎに出て、本レース受付の埼玉スーパーアリーナ(SSA)に向かう。北与野駅からSSAに行く歩道は10年振りと言ったところか?愚息が小学校低学年の時に映画「ケロロ軍曹」を観に行って以来だろう。
   SSAの広~いアリーナの受付はガラ~ンとしていてランナーより係員が多い。それだけにスムースに受付完了。受付エリアを出るとマラソン関連の出店がある・・・2軒だけ・・・これもガラガラであっという間に通り過ぎてthe end。閑散というか何と言うべきか・・・。SSA前のけやき広場でのイベント「うまいもの市場」を冷やかすと埼玉名物という東松山焼き鳥、嵐山モツ焼きそば、秩父わらじカツ等の出店が並ぶ。かなりそそられるがビールを飲みたくなるからガマンガマン。帰宅して、夕食は鍋。鍋で酒を飲まないのは辛いものがあるがここも我慢。うどんもたっぷり食べてカーボローディングスタート!
 しかし、なんだかなぁ・・・このレース、事前受付にする必要があるのだろうか?金・土・日と3日間もSSAを借り切るとは相当のコストだろう。あの程度の出店に、あの程度のうまいもの市場でどれだけの収益を見込めるのだ?どれほど埼玉のイメージアップに繋がるのだ?一方、参加費用は国内最高の15,000円。SSAを借りるのは当日だけにして、ゼッケン等を郵送すれば、かなりコストは抑えられると思うが・・・・フルの出場者は15,000人。募集定員は16,000人だったのに埋まらなかったとか?さもありなん。
 また参加賞Tシャツが地味!いまどき白地に胸文字だけって・・・シンプルと言えば良いのか?素材はPUMAで悪くないようだが・・・。ま、これは好き好きだけど。
 なんか事前受付でテンションが下がってしまった・・・。

 当日は8:10にSSA入り。9:00前に荷物を預ける。室内でもう一度軽くストレッチ。お!会社RCのTシャツを着ている団体(7、8名)がいる。でも知った顔はいない。あのTシャツ目立つわ!!私は社名を背負って走る勇気はないなぁ。
 9:10にスタートブロック、指定のBゾーンに入る。寒い!!日陰のビル風は堪える!一人身の気楽さでちょこちょこ前に出て、歩道の下で風が弱く、かつ、陽のあたるところをGETした。ラッキー!

 9:40定刻にPang!遠くでピストル音が聞こえた。今日ここに立てることを感謝。目標は既述の通り4:13。
 スタートラインを1’40で通過。空は快晴!まずは周りのペースに乗る。スタートラインは狭かったけど、すぐに道幅が広くなり、最初の1kmは5’18。「あれ?こんなタイムで走れるの?」って感じ。我が身が不思議。次の1kmは5’22。「早過ぎる。落とそう」と思うけどそんなに呼吸は乱れていない。横に派手なウェアで茶髪をUPにまとめた細身の高齢女性ランナーがいる。品のない言い方をすれば若作りのBBA。それでも「こんな人が安定したラップを刻むのだろうな」とリスペクトして付いてみる。JRの下をくぐり旧中山道に。4kmまでの2kmも@5’25で進む。最近、こんなペースで走っていない。ちょっと暑い。アームウォーマー(AW)を外す。BBA、身体が温まったのかペースが上がる。早いわ。付くのをあきらめ先に行ってもらう。
 5kmまでも@5’31、こんなペースで大丈夫だろうか・・・一抹の不安を感じながらもそのまま押す。
 北浦和駅そばから旧中山道を外れ、旧い住宅街を進む。7km過ぎの駒場公園を横に見て、国道463号に出たら東進して10km。5~10kmまではイーブンに押しているつもりだが、細かいUP&DOWNの影響で@5’16~48と上下する。呼吸に気を付けて走っていて、@6’00を切るLAPで進めていることが本当に不思議。
 10km過ぎの見沼大橋の上で風の冷たさを感じ、右腕にだけAWを装着。左は時計をしているために装着が面倒なので、とりあえず右腕だけで様子を見ることとした。結局ゴールまで右腕にだけAWというけったいな姿を晒すことに相成った。10~15kmは5’16~48。引き続きイーブンで押している。
 13km付近で、30分早くスタートした女子マラソンのTOPランナーとすれ違う。向こうは29km地点。先頭集団はアフリカ系の3人、少し遅れて岩出玲亜。岩出にでかい声で応援してやった。その後外国人を何人か挟んで、だいぶ遅れて吉田香織。友達でもないのに「カオリ~ッ」と怒鳴ってやった。吉田は以前青梅マラソンのスタート前にニッコリ笑顔を返してくれた好感の持てるランナー。ただ残念ながら、当日夜に見た録画では岩出、吉田2人とも後半に崩れる不本意なレースとなっていた。
 15kmで国道463号から左折して埼玉スタジアム方面に入る。ここからの5kmは道が広く高い建物がなく、視界が広がり陽射しがまぶしかった。17.4kmで折返し、ここは埼玉スタジアムの横だったはずだが、スタジアムはあまり目に入らず。20kmまでは5’20~57。
 国道463号に戻って、給水を確り摂って、さらに東進。中間点を1:58’30位で通過。「N1:56台か。4:13はクリアできそうだな。もう一踏張りしてSUB4やりたいな!」とSUB4へのアタックも考えられるようになった。半信半疑ながら・・・・ま、潜在的には絶えずSUB4は意識している訳だが。
 ここ辺りで黄色のタンクトップ中年女性ランナーに抜かれた。対面の折返しランナーとのエール交歓の声が張っていて元気そう。ちょっと付いていってみた。20km以降のLAPは、6’06(給水あり)、5’22、27、23.1kmで折返して5’27、そして5’09で25km!なんぼなんでも5’09は早過ぎる!黄色女性は明らかにペースアップしている。付くのはあきらめた。マイペースに落とす。
 26km過ぎから一度グッと上る。27km地点で国道から少し外れて、すぐに折返し。折り返し前に、黄色女性にはかなり置いていかれているのがわかった。付いていかずに正解だったな。折り返すと、「お!!」埼玉スタジアムが真正面に見える!なかなかの偉容である。距離調整のための短距離折返しと思っていたが、これを見せるためだったのかな。
 国道に戻ればさらに上り。頑張って上る。上りきったら緩やかに下って、再度の上りの途中が30km。G2:47’37。スタートロスが1’40あるから、ここから@6’00を超えなければSUB4が叶う勘定。この5kmのLAPは5’35~40。上り基調だったのに安定かつ上出来のペース。このペースをキープできればSUB4!欲が出てきた。
 この後、32kmや37kmの給水所に埼玉銘菓(フルーツゼリー、あんこ玉、芋羊羹、草加煎餅等)があることはプログラムでチェックしていた。「4:13狙いだから銘菓を楽しむ余裕がある」と思っていたのだが、SUB4を狙うのなら1秒が貴重。「お菓子なんざあきらめるしかない!行くぞ!!」と思いつつ・・・脚は一杯に近い。左足の大腿裏にはイヤな感じの痛みもある。まだUP&DOWNは続くはず。どこかで@6’00を超えたら、その瞬間にSUB4は厳しくなるという局面。心地よい緊張感で足を運ぶ。
 次のLAP・31km地点は見沼大橋の上。え!@4’28???こんなはずはない。続いてのLAPが@6’40。そうだろう、時間にして1分ほど31km表示がずれていたのだな。冷静に判断できて慌てずに進む。見沼大橋からの展望を見渡す余裕もまだあった。晴れていて気持ちよい。
 5’56、33、36と刻んで35km。G3:15’50。残り7.2km。@6’00で行けば充分OK。改めて「6分」に拘る覚悟を固める。ただ前を見ると明らかに上がっている。「俺は上りが得意だっただろ!」と我が身に言い聞かせ挑む。36km地点はJRを跨ぐ新浦和橋。上る。ガッシガッシ上ってやった。ここが今日の最高点らしい。この急な上りのある1kmを5’47でクリア。うっしゃ!
 ここから下り。下りで時間を稼ぎたいが、もう左足は無理できない。慎重に足を運ぶ。37kmまでは5’44。1分ちょっと走ったら「残り5km」の看板。G3:28’30程度。「6分超えても10秒までなら大丈夫」と理解。半信半疑のSUB4に確信を持ったのはここだったかな?
 右折して37.5kmの給水所通過。右側に舟和のあんこ玉が並んでいる。おいしそうに艶やかに光っている。「食べてもSUB4はイケる」と思ったけど、食べるなら止らなきゃいかん。ここまできてリズムを壊すのは怖い。結局目で味わうだけにして進む。再度右折して北浦和駅に向かう並木道。ここは緩やかな上り。左足が思うように動かないので、幾分右足加重で走る。北浦和駅西口前で左折。中山道。道は広く、沿道の応援も一段と増える。「京浜東北線北浦和駅から(ゴールの)さいたま新都心駅までって、途中に与野駅があるよな。まだ2駅分走らなきゃいかんのか!ふ~~」って感じ。まだ先は長い。油断は禁物。CAPを浅めに被りなおす。ちょっと視界が広くなり、頭蓋骨が締まったような。
 37km以降も5’54、58、52と粘る。40km通過。G3:45’05。やった!もう間違いない!
 給水所、これが最後だろう。係員の女の子に「最後の力水だね、いただきます!」と声をかけたら、明るく「頑張ってください」と返してくれた。ありがとう!!
 41kmまでは@5’50。ラスト1kmは格好よくスパートをかけたいが無理。むしろSUB4を確信した安堵感からの失速を自覚。情けないけどもう動かせない。動かせなくても良いし!埼京線北与野駅の高架をくぐる。ゴールはまだ見えないのか?42kmで右折。再度高架をくぐる。下っている。もう少し!やっとゴールが見えた!サングラスを外す。裸眼でもゴール手前右側に川内勇輝が見えた!するすると寄って行ってハイタッチ!「SUB4おめでとう!」と言ってくれた。「ありがとう!」、そこから5mでゴール!!!ガッツポーズ!!!G3:58’17、N3:56’37!!!
 ラスト1.195kmに7’22(@6’10)かかったが良しとしよう!

 ゴールシーンはテレビ埼玉が映しているはず。カメラはどこだかわからない。ゴールして雑踏の中を30秒ほど進み、そこで再度サングラスを掛けたのだが、結果的には早かった。帰宅後テレ玉で確認したら、サングラスを掛けた姿しか映っていなかった。やむなし。
 雑踏のゴールエリア。バスタオルを背中に掛けてくれて、メダルを首にかけてくれる。500PET、パンを受取る。係員は大学生かな?高校生かな?女の子、皆、明るくて元気。自身が満足いく結果を得られるとゴールエリアの雑踏すら楽しい。
 ゴールエリアを抜け、SSAに戻る。預けていた荷物はすぐに受け取れて、広いアリーナの端の方で陣地を確保。まずはストレッチ。へたり込む前にやっておかないと!それを終えてゆっくり着替えた。
 SSA1Fを出る際に記録証を受取る。1Fから一度外に出させられて、SSA2Fに再入場させられる。それでいて、すぐに同じ出入り口から退出。なんで1度出たSSAに再入場させられなきゃいけないのかな?すごくでかい箱を用意している割には工夫が足りないような気がする・・・
 13:40にゴールして、会場を後にしたのは14:30位だったのかな?

 帰宅してゆっくり風呂に入ってから、録画していた本大会女子マラソンを観る。東京五輪選考レース(MGC)の出場権を狙っていた岩出玲亜、残念ながら基準タイム2:29に2分以上及ばなかった。驚いたのは、給水ごとに水を被っていたこと。私は頭から水を被るほどの暑さは感じなかった。むしろ風で腹部の冷えを心配する位であったのに・・・トップランナーとの差異をまざまざと感じた。あとは川内優輝、2:15台で走り、30分前にスタートした女子招待選手・吉田香織を抜いてのゴール。ご苦労さん!
 長い1日、充実した1日が終った。
 望外のSUB4だった。昨年10月の別海以来の1年1ヶ月ぶりのSUB4。正直「もう二度とSUB4はできないのかもしれない」と思っていた。練習で@6'00を切れないのに、なぜ42kmを平均5’36で走りきれたのだろう。実戦が大事だということか?これからも「距離は練習で踏み、スピードは実戦で磨く」ということを心がけるか!

 今日の総括。
 コンディションに恵まれたのが第一。快晴微風。スタート時は13.2℃、ゴール時は15.9℃。この位がマラソンには丁度良いのかな?スタート前の寒さをAWで凌ぎ、レース中には片手だけAWという形で体温調整ができた。
 目標4:13として臨んだことも気負わずに良かったのだろう。マラソンは難しいね。
 5km毎のLAPは27’01、45、37、51、31、28’12、13、29’15、13’12。
 10km毎は10-54’46、20-55’28、30-55’43、40-57’28。
 前半がざっくり1:57、後半が1:59。よく粘れたということで良いだろう。
41回目のフルで18回目のSUB4。大満足の一日だった。
                               以上


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