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28歳男の無人島単独100日間生活

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2019年におこなった瀬戸内での単独無人島100日間生活についてまとめたものです。
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ぼくが無人島へきた理由

「男が冒険をするのに理由なんているんですか?」 その一言で説明が終われば、どんなにか楽だったろうか。 しかし親を説得するにも、なにより自分自身を納得させるためにも、ぼくには理由が必要だった。 むろん、友人にも仕事先にも無人島へ行く理由を聞かれる。なぜ?と。 都度、「行きたいから行くんです」とはぐらかし、ロクに理由を説明しなかった。だって話が長くなってしまうし、理解も得られないだろうし、なにより変にコメントをされて、自分が無人島へ抱く期待やモチベーションが下がることが怖かっ

真っ赤な鷹にあこがれて

寝て過ごすも一日。ただ、一切は過ぎ去っていく。 その日々に愛を抱こうが、後悔しようが、価値を見出そうが、見出さまいが、それらはなんの関係もなく。 ただ、一切は過ぎ去っていく。 ー 無人島生活。95日目。 あと5日が経てばこの島を去り、おそらく、いやきっと、もう戻ってくることはないだろう。 立場をわきまえず偉そうに自分の哲学や思想を書きなぐってきた、この無人島でのエッセイもこれで最後になる。 自分のこれまでの学びの棚卸しのために、そして、とりあえず一度は世間様に見て

無人島読書 vol.5 ~森と氷河と鯨 -ワタリガラスの伝説を求めて- ~

この本を手にしたのは、2年ほど前か。 久留米の美術館にて催されていた、「没後20年 特別展 星野道夫の旅」へ訪れた際に購入したものだ。 以前から、星野道夫氏のことは知っていたものの、著書や写真を手にする機会はなかなかなかった。 が、当時お付き合いしていた女性に誘われて、ようやくの出会いを果たせたのだ。 …それはもう、素晴らしく、美しい写真ばかりだった。 そのなかでも特に印象に残っているのが、クジラの骨の墓(遺跡)の写真だ。 たった一枚の写真が多くのことを伝えてくれる。

無人島読書 vol.1 ~光あるうちに光の中を歩め_トルストイ著~

無人島で100日間を過ごすにあたり、5冊の本を島へ持ち込んだ。 どれも、ぼくにたくさんの学びや気づきを与えてくれた本だ。なので、ぼくなりの解釈やストーリーを踏まえながら、本の紹介をしていきたいと思う。 最初の1冊は、「光あるうち光の中を歩め トルストイ著」だ。 物語の舞台は、キリスト生誕100年後のローマ時代。かつて学び舎を共にした2人の青年が、一人は迫害を受けていたキリスト教徒の道に、もう一人はローマの教えに従い、それぞれの人生を進めていく。 キリストの教えに従い生きる青

無人島読書 vol.2 ~嫌われる勇気~

無人島に持ち込んだ5冊の本。 今日紹介するのはその2冊目、アドラー心理学について書かれた「嫌われる勇気」。2015、2016年にはベストセラーにもなっため、ご存知の方も多いかと思う。 類に漏れず、ぼくもこの本にどハマりして、相当な影響を受けている。 初めて手にした時から今に至るまで、なにかに悩んでいる時には、この「嫌われる勇気」と次に紹介予定の「自分の中に毒を持て」の2冊を何度も読み直している。そうすると大概の場合、そのどちらかに自分の背中を押してくれる言葉を見つけることがで

無人島読書 vol.3 ~ 自分の中に毒を持て;岡本太郎著 ~

おそらく、いや、間違いなく。 今までの人生で一番に影響を受けた本だろう。 初めて手にしたのは、大学を留年して下宿を追い出されて大阪のゲストハウスに住み込みで働いていた頃か。 今でも覚えている。心斎橋の本屋でこの本を手にとって、最初の1ページ。 その1ページがもう。ね。 あぁきっとこの1ページがこの本の全てなんだなと感じて。 開幕初手で元気玉をぶち込まれた衝撃だった。 いまでもその1ページだけを読んでは目を閉じて、その言葉を反芻したりする。 この本がきっかけで岡本太郎氏

無人島読書 vol.4 ~わが息子よ、君はどう生きるか~

無人島生活、85日目。 ずいぶんと肌寒くなってこの1、2週間で落葉がすすみ、乾いた風が吹くようになった。 秋が来た。 夏の終わり、秋の始まりを感じさせる金木犀の香りはこの島にはなく、代わりに日々色づいていく柿が、秋の訪れを知らせてくれている。 100日、なんとなく決めた100日という日数も、気がつけば終わりが近づいてきた。 この島にきて100日を過ごして、ぼくは一体なにを手に入れたかったんだろうか。 サバイバルや冒険というよりも、隠居生活と呼んだ方が適するであろうこの