見出し画像

環境保全型農業という罠

みなさん、環境保全型農業というのをご存知でしょうか?

環境保全型農業とは「農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和などに留意しつつ、土づくり等を通じて化学肥料、農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業」です(環境保全型農業の基本的考え方より)。

農林水産省HPより

こういった定義があることすら知らない人も多いのではないでしょうか。
そもそも日本語は曖昧な表現が多く、簡単に騙されやすい人がいます。
上記の引用からもわかるように、環境保全型農業に取り組む農家が、環境省の言う環境保全をしていないことは、以下の引用からわかります。

本ガイドラインにおける「環境保全」とは、事業者等の事業活動により環境に加えられる影響で、環境保全上の支障の原因となるおそれのある環境負荷の低減のための取組であり、具体的には

{1}事業者等の事業活動による地球全体の温暖化又はオゾン層破壊の進行、海洋の汚染、野生生物種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全のための取組

{2}公害などの環境保全上の支障のうち、事業者等の事業活動に伴って生じる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって人の健康又は生活環境に係る被害が生ずる公害の防止のための取組

{3}天然資源の使用削減、再利用、リサイクル等(水を含む)のための取組

{4}その他、事業者等の事業活動により環境に加えられる影響であって、環境保全上の支障の原因となるおそれのある環境負荷の低減のための取組

とします。 

環境省総合環境政策局環境経済課HPより

つまりは、環境保全型農業に取り組むには、環境負荷の軽減に配慮するだけで良いのです。

軽減の程度は少しの部分でしか定義されていない。

環境負荷の軽減について調べたところ、農薬と化学肥料の使用量を5割以下にすること、3つある取り組み(有機農業・カバークロップ・堆肥の施用)のどれかをすればいいだけで、かなり簡素な定義でした。

ビニール資材使用量などは定義なし

多くの有機農家や自然栽培農家がビニール資材を大量に使用することから見てもわかるように、ビニール資材の使用量を減らす取り組みは当てはまらないようです。
つまり、包括的ではなく、局所的な取り組みさえすれば【環境保全型農業】と言えてしまうのです。

資源収奪型の有無も記載なし

更に言うと、使用する肥料が遠方から運ばれてくるものでも、おとがめがありません。
実は、有機農業の中でも資源の奪い合いが始まっています。遠方からでもよい資源(と呼ばれるもの)を大量に運んで利用したり、よい資材(化石燃料由来)を利用します。
よって、二酸化炭素排出量を気にしなくても【環境保全型農業】と言えます。

謳い文句だけで買うことはやめる時代

これだけ情報が溢れている現代ですら、宣伝文句だけでポチッとしてしまう人がいます。
また、家庭菜園ですら二酸化炭素排出量が多い方が大多数を占めます。(肥料購入・ビニール資材購入の時点でアウト)
しっかり自分の目で見て確かめて安心を買うべきでは?と考えています。
ゆーちゃんふぁーむと言う変な農園があるので、そこから買ってもらえると嬉しいです。(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?