痛みについて勉強しなおす(25)---股関節の治療について勉強してみた②---

で、ここからMehmet Gem氏の「Simplified the Hip」コース(リンク)の自分自身のためのノートのシェアになりますが、始める前にひとつ。

いつも勉強させてもらっている「Better Clinician Project」ででも、各項目(例えば膝痛、足首捻挫、非特異性腰痛)の説明の時、必ず

→解剖学
→具体的な症状・サイン
→prevalence(有病率、どんな人に起こりやすいか)
→検査方法
→どんな治療法が勧められるか
→具体的なリハ(エクササイズ)の紹介

という様に進められています。BCPで勉強するようになる前までは私は具体的な患者さんの訴える症状・サインについては患者さんが何を訴えても大雑把に「痛みや痺れ」として認識していただけで、またprevalenceについてはBCPで勉強するまでは一切考慮に入れていませんでした。しかし今回の股関節のコースで勉強してそれらは改めて重要だと認識しました。なぜなら症状・サイン・prevalenceを考慮し、そして理学テスト、時には画像診断等を全て考慮して患者の病名がつけられ、そこからベストな治療方針を導き出せるからです。もちろん我々徒手療法家は「診断」はできないのでそこまで勉強する必要があるかは議論が分かれるところですが、医師の診断を得ないで来院してきた患者さんのおおよその病名は頭の中で想定できておくべき、と勝手に思っています。

あと前回に引き続いてもう一度聞きたい。股関節痛だと言って来院する患者がもしFAIや股関節OAなどの骨・関節の「変形」のための痛みだとして、本当にあなたが行うストレッチや整体や鍼のような手技でその変形までもが治るのですか?あるいは、変形は治らないにしても痛みは完全に取れるのでしょうか?もしそうであればその生理学的機序を是非とも知りたいのでどうかコメントをよろしくお願いします。

ではここからノートのシェアですが、決してGem氏のウェビナーの代わりになるものではありません。私の勉強過程でブログ読者の方々も同じように興味をもってくれたらいいなあ、という思いでのシェアです。骨格筋痛の治療を行うと謳っている徒手療法家達は整形外科領域の情報までももう一度勉強すべきだと私個人では思っています。もちろん、わけのわからない、誰かが勝手に始めた、想像上の、エビデンスもなにもない、生理学的解剖学的におかしい○○療法、✖️✖️テクニックを盲信している方々には何も申し上げることはございません(笑)。

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Mehmet Gem氏は数多い股関節の病気・病変・症状を7つに大きくわけ、マネジメントしていけばいいのでは?と提唱している(ように私は思った)。その7つとは、

@visiblebodyに感謝します

・FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)
・股関節形成不全
・変形性股関節症
・大転子痛症候群
・鼠蹊部関連の痛み
・内転筋関連の痛み
・腸腰筋関連の痛み

しかしその7つの説明に入る前にやはりレッドフラグについてはよく認識しておかなければならない。

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