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自分の隣りにいる宇宙飛行士をこいつに乗せて打ち上げるつもりで、全部の作業をやっていたか?/宇宙兄弟 #106 ピコ・ノートン

「練習の練習はするな!」

中学生のときのバスケの練習において、しつこいくらい言われてきたこの言葉。理不尽大王だった監督の教えの中にあって、今なお大切にしている言葉の一つです。

練習ではスパスパシュート決めるのに、試合になったらびっくりするくらいさっぱり入らなかったり、 何気ないドリブル、パスでくだらないターンオーバーを連発してみたり… めちゃくちゃ長時間練習しているのにもかかわらず、そういったことは本当によく起こる。

これこそまさに、練習の練習というものに起因していて、本番をイメージした練習が足りていない人に起こりがちです。

ゆっくり1、2の3で構えてシュートを打つシーンなんて実際の試合の中ではほぼないし、敵に囲まれていることを想定していたらのん気に何気ないドリブルなんてつけるはずもない。

試合なんて出場する気が全然ない、のほほんなんちゃってバスケのみのゆるバスケットマンならそれもOK。しかしながら、一点でも多くとって勝利に貢献しようという意欲があるのであれば、これはすぐにでも変える必要がある。

センスがモノを言う側面は残念ながら絶対的にある。ただし、練習次第で補える領域もまた絶対にある。

バスケにおいても仕事においてもその点は共通しているものだと思っています。


ピコ・ノートン

ピコはNASAの下請けであるデンバー社の技術職員で、アスキャン(宇宙飛行士訓練生)のキャンサット(空き缶サイズの超小型衛星)制作訓練のサポート役。

訓練の中で、ピコは、なかなかうまくキャンサット制作が進まないアスキャン達に向かってこう言います。

自分の隣りにいる宇宙飛行士をこいつに乗せて打ち上げるつもりで、全部の作業をやっていたか?

明らかに宇宙船でもなんでもない、こんな小型のキャンサットにでさえ、ホンモノをイメージした作業を求める。これがプロ。

ラブサムバディな織田裕二のあまりに有名なあのセリフ、「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」もこれに通じます。会議室の中だけじゃリアルな本番のイメージができない。だからうまくいかない。

道場では最強といわれた藤原組長がプロレスにおいて今いちスターになりきれなかったのも、本番というものをどう捉えていたかという点に尽きる。世間がプロレスに求めたのは、派手な投げ技、空中技、スペシャルホールドやマイクパフォーマンスなど。一方藤原組長が志したのはより実践的な強さ、本当に効く関節技。

世間が求めるプロレスを本番と捉えるなら、藤原組長のそれはプロレスの練習にはなっていなかったと言えるのかもしれません。

「練習は常に本番のように」

この繰り返しをいつも心がけたい。

終わり


【宇宙兄弟】
人として生まれ、男として生まれたからには誰だって一度は宇宙を志す。宇宙など一瞬たりとも夢見たことがない、そんな男は一人としてこの世に存在しない。ある者は生まれてすぐに、ある者は学校のテストに、ある者は大学入試に、そしてある者は宇宙飛行士選抜試験に屈して、それぞれが宇宙飛行士の座をあきらめ、それぞれの道を歩んだ。しかし、あきらめなかった者がいる。偉大なバカヤロウ2名。この地上で誰よりも、誰よりも宇宙を望んだ2名。そんな、南波ブラザーズによる宇宙録。

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