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【バイエルン考察】シャビアロンソ監督招聘に反対

23/24ブンデスリーガ第22節
ボーフム対バイエルン 3-2

最近なかなか明るいニュースが出てこなくて辛さを感じているところではあるが、辛抱時として踏ん張る所存だ。
公式戦3連敗は9年ぶりのことで当時の自分が何を考えていたかは思い出せないが、間違いなく今の方が辛いのではないだろうか。なんと言っても大事なブンデスリーガのタイトルが絶望的になってしまったのは多くのファンやウルトラスにとって受け入れるのは難しい現実だ。

ボーフム戦終了後、ドイツメディアによると現時点での解任はないとのことである。

もちろんフットボールにおける監督人事は常にトップシークレットであるため、明日いきなり監督が変わる可能性だってある。ナーゲルスマン解任もロマーノ氏の発表が公式発表の数時間前だったはずだ。バイエルンファンでなくてもトゥヘルが遅かれ早かれ解任されることくらいは想像できるだろう。
問題はいつ解任されるかなのである。
公式戦3連敗で解任されないということは恐らくシーズン終了までは解任するつもりはないのだろう。それはつまり来シーズンのシャビアロンソ監督招聘を本格的に画策していることを意味する。
はっきり申し上げると筆者はこの動きに反対である。


そもそもシャビアロンソとは

バイエルンで2014-2017まで3年間に渡りプレーをし、引退後はレアルマドリードのアンダーチームや、ソシエダのBチームで監督経験を積み、昨シーズン後半からはレヴァークーゼンで指揮を執る42歳のスペイン人だ。
チームスタイルは前線からの高い強度のプレスをはじめ、縦に速い攻撃で相手の守備陣形が整う前に仕留める。圧倒的な連携と機動力で見ていても面白いフットボールだ。なんとも筆者好みのスタイルだ。
レヴァークーゼンは若い選手が多く、どんな相手にもハングリー精神を持って戦うチームとなっており、ブンデス、ポカール、ELを含めた3冠の可能性を残している。

シャビアロンソに足りないのとは?

ブンデスリーガで首位を独走し、すでに名将と言われつつある監督に足りないものとは?
それは失敗経験だ。ここまでリーグ戦無敗で勝ち点を積み重ねてきた。彼のトップチームの監督キャリアはほぼ1年目にすぎず、失敗や大きな問題に相対したことがない。これはビッグクラブの監督をする上で大きなマイナスだ。バイエルンのような大きなクラブではあらゆる経験が必要となる。レヴァークーゼン時代に受けていたプレッシャーとは桁違いであるはずだ。もちろん現役時代も超一流だった彼はその問題に対してもうまく対処することができるはずだ。バイエルンが仮にも長期的に彼を見られるのであれば、それは一つの選択肢になるだろうが、毎年のようにタイトル争いをしながら成長する必要があるのなら、彼に対する負担はあまりにも大きすぎるだろう。
さらに監督としてCLを経験していないのも気になる点だ。CLを経験していない監督がCLでいきなり優勝を目指すというのも少し違うだろう。

報道された後任リスト

シャビアロンソ以外にも様々な人物がトゥヘルの後任候補として挙げられている。2/19の報道でオールグーナースールシャールが後任なのではないかということが言われた。2/20にはジダン、モウリーニョ、スールシャールが候補とも報じられた。
まずスールシャールがどこから出てきたのが気になるが、マンユナイテッドでの彼がいい監督だったとはお世辞にも言えない。そもそもチーム戦術に乏しい彼がバイエルンの指揮を執るができるとは到底思えない。
ジダン、圧倒的カリスマ性でレアルをCL3連覇に導くなど実績十分の男だ。しかし、彼も戦術家というよりはモチベーターという面が大きい。確かにバイエルンの選手達に欠けたるところではあるかもしれない。しかし、モチベーターでは不十分であることはアンチェロッティの時に証明されている。彼も適任と言うには物足りなさがある。
モウリーニョに関してはトゥヘルと同じ道をたどることになるだろう。同じく守備的戦術を好むため、バイエルンのスタイルには合わない。そして、フロントの揉め事も多々あり、トッテナムやチェルシーではフロントとの確執が解任の原因に一部なっている。決しておすすめできる人物ではない。

シャビアロンソ自身はどうなのか

バイエルン戦の前に出た報道によるとシャビアロンソ自身はあと1年は少なくともレヴァークーゼンにいることを希望しているとのこと。つまり、来シーズンはCLを経験することになる。また、CLとブンデスをどちらも戦うことの負担とプレッシャーを彼は学ぶことができるだろう。その報道がリヴァプールのクロップ監督が退任を発表したあとに出されたものなので、筆者の憶測にはなってしまうが、彼がリヴァプールの監督に就任しようという意志は今の所はないように見える。リヴァプールが次の監督を1年で更迭するようにも思えないので、そうなると本人はバイエルン行きを最終的には望んでいるのかと筆者は推測している。もちろんレアルマドリードもアンチェロッティの後継として指名すれば、それは彼にとっては魅力的なオファーとなるだろう。筆者はそれでもいいと思っている。レアルやリヴァプールなどのビッグクラブを経験した上でバイエルンに来る。それはバイエルンはステップアップの踏み台ではないというアピールにもなる。さらにビッグクラブでの経験はバイエルンでの舵取りに確実に良い影響を及ぼすだろう。バイエルン就任は長い未来を考えればいずれ通る道となるだろう。筆者は適切な時期がが今夏ではないということを申し上げたいのだ。

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