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【バイエルン考察】涙が出た第20節レヴァークーゼン戦を考える

バイエルンファンになって以降こんなに悔しさと悲しみを感じた試合はおそらく11/12シーズンのCL決勝以来である。
こんな無茶苦茶なバイエルンを見たのは初めてかもしれない。
アンチェロッティでさえもっとうまくやっていた。

第20節レヴァークーゼン戦を振り返る。
先発からトゥヘルは異例の5バック。それもセンターバックはウパメカノ、ダイアー、ミンジェの3人だ。怪我明け、新加入、アジアカップ明けの3人。なぜデリフトではないのか。
そしてミュラーの名前もなかった。
トゥヘルは状態のいい選手を差し置いてチームのバランスを崩して試合に臨んだ。

はっきり言ってこの試合のバイエルンは褒めるところが見つからなかった。試合のほとんどの局面で相手に支配され、シュートの機会に乏しく、ゴール期待値は0.27と決定機という決定機を作ることができなかった。

怪我明けのウパメカノは多くのプレーで精彩を欠いた。それは昨シーズンのCLのシティ戦を彷彿させるほどであった。
アジアカップ明けのミンジェも組み立てにおけるミスが目立ち、万全といえる状況ではなかった。
ゴレツカとパブロヴィッチは5バックに対してどこかやりづらさを見せていた。
それが顕著になったのは2失点目だ。アシストをしたテラは完全にフリーの状態。パブロヴィッチが気づいときには遅すぎた。完全にボールウォッチャーになったパブロヴィッチはグリマルドに気を取られ、テラとのワンツー許してしまった。
そもそもなぜこの様なシーン生んだのか。それは前線と守備陣との守備意識の乖離にあるだろう。あのシーンでは前線でプレスをかわされたことでカウンターが生じた。問題はそこである。スタニシッチの浮き球をアドリとウパメカノが入れ替わってしまった。本来であればそこで潰して再び攻撃につなげるのがバイエルンであるが、ウパメカノのプレス判断が遅れた。怪我明けで判断が鈍っていたのはあるかしれない。しかし、それよりも5バックにしたことにより重心が後ろ気味になってしまったことが僅かな初動の遅れを生んだと考えている。

完全に後手を踏んだトゥヘルは5バックから4バックに、ミュラーを入れて巻き返しを図るが時既に遅し。最後はフリンポンに決められて万事休す。
今シーズンを象徴するシーンが多々見られた試合はレヴァークーゼンの完勝。優勝はほぼ手中に収めたと言っていいだろう。

トゥヘルの守備戦術は正しかったのだろうか?
そもそもバイエルンは何点取られても勇気を持って攻撃をして点を取り返すチームである。守備に重きを置くと、コバチ時代のような不安定さが出てくるのは必然だ。このまま守備的なチームになるのならミュラーは黙っていないだろう。また、多くの主力を蔑ろにして新たな選手を欲しがる。デリフトやミュラーをなぜ出さないのか。監督の不可解な采配はとどまるところを知らない。

指揮官であるトゥヘルに注目が行きがちだが、この試合は選手の強度も非常に低かった。ミュラーのチーム批判でもあったが、監督だけではない。サネのプレスは甘く、ムシアラは簡単にボールを失い、守備陣は簡単に入れ替わられる。
このままではシーズン無冠も現実的だろう。
バイエルンはここから変われるのか、タイムリミットは刻一刻と迫っている。

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