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■なぜ商品の付加価値を高め、価格を下げても売れないのか?『「変化を嫌う人」を動かす』





久しぶりに面白いマーケティング本を読みました。

著者はマーケティングの大家フィリップ・コトラーも教壇に立つ
ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院教授の
ロレン・ノードグレンとディヴィッド・ションタル。



新規事業、新商品開発や商品リニューアルの際に
どうしても付加価値をいかに高めるかに腐心しがちだが、
顧客など相手の「抵抗」を解消することも大切だ、という主張。



快哉!
その問題分析の視点に思わず膝を打ちました。



新しいマーケティングコンセプトのようですが、
要はプロダクトアウト思考ではなく、
マーケットイン思考の発展形ですね。



西松屋をチェーン店として発展させた中興の祖
大村禎史氏は

 「メーカーの技術者は機能を付加するのが仕事だと
 思っているでしょ。チェーンストアのPBはその反対。
 要らない機能を省くのが仕事なんです」

と語ったとか。


アイリスオーヤマの大山健太郎会長も

・需要創造の仕組みであるユーザーイン、
 市場創造の仕組みであるメーカーベンダー

を強く主張されています。


川上と川下では当然川下のほうがマーケットに近く、
こうした発想・視点を持てるのでしょう。


ただ本書で惜しかったのは、
顧客の「抵抗」を解消する方法が、
結局ロバート・B・チャルディーニの「影響力の武器」の引用など
斬新さに欠けたところでしょうか。



まぁ、それは読者が自分で考えよ、ということですね^^





ちなみに、僕はオフショアルアーフィッシングが趣味で、
日本発祥といわれるルアーで真鯛を釣る
タイラバに凝っています。

タイラバの釣り方の通説は
「アタリがあっても合わせず、ただ巻き続ける」というもの。



その釣り方で、続々と新規開発されるルアー
(錘とネクタイ)を買って試し、針や糸を変えたり、
実釣では巻きスピードを変えてみたり、
ドラグをさらにゆるめたり
といろいろ工夫するのですが、なかなか釣れない。



そんなある日、爆釣している友人から

「ドラグは強くしておいて、アタリの前アタリがあれば、
 思い切って合わせれば釣れますよ」

と教えてもらいました。



まったく逆張りの発想。



同じベクトルでいかに細かな工夫をしても成果は上がらない。
押してダメなら引いてみろ。ということでしょうか





情報過多社会。何事も「増やす」「始める」以上に
「減らす」「やめる」ことが大切かもしれません。





備忘録は
※前川孝雄のはたらく論



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