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「退職」の2文字

休職か退職かを決めて申請書を職場に送らなくてはならないタイミングがきた。

郵送されてきた申請書上の選択肢として「退職」の文字を見てから、今の職場に、自分がただ執着しているように思えてならない。
実際、心身の不調に耐えられず、欠勤し始めた当初から、いやそれよりもずっと前から、気づいていたことだった。
ずっと、答えを先送りにしてきた。

内定先がココしかなくて勤め出し、成り行きで11年勤めた。出向や、部署内の小さなものを含めて、6回異動した。会社員は、組織の駒に過ぎないのだと、1年目から思い知らされる職場だった。とはいえ、かなりホワイトな方だ。入社当時に比べて、改善された点も多い。

8人いた同期は、3年目までに、3人残りになった。私は、辞める辞める詐欺をしながら、転職活動に勤しむことより、定時にあがり、アフター6を楽しむのに夢中になる波に乗ってしまった。同時に、異動の希望が通り、業種的にやりたかった部署に移ることができた。5年目の春だ。

それでも、理想が叶う職場ではないことや、給与に関する不満など、承知の上だったが、改善されるような幸運もなかった。目の前のことをやるのが得意で、考えずに、日々をやり過ごしていた。そんな中、任期2年の出向が決まり、同業他社を体験できたことも良かった。

ただ、残念なことに、出向はうつ病と不安神経症と不眠症を発症させるきっかけになった。職場環境がとことん合わなかった。

既に出向は解かれており、戻る予定の環境に心配を抱えてはいないが、希望も感じていない。寛解させて、職場に戻ることを考えた時に、積極的なモチベーションを、何も浮かべることができない。

10年働いても、仕事で充実感や達成感は、得たことがない。憧れる対象も、社内にいない。

休職を許可されるような時間の猶予があって、復職先として受け入れてもらいやすい職場が選択肢に残っているというのは、恵まれている。

ただ、「復職と転職を一緒にできるような力を、自分に感じないこと」、「転職時に確実にバレるくらい仕事を休んでいるので、転職のタイミングとして圧倒的に不利だと思うこと」、「うつになったら大きな決断をするなとよく聞くこと」、この3つが私の退職を留まらせている。復職に成功してから、次を考えたらどうですか?と。

キャリア設計が、もっと言えば人生設計が、まるでできていないこと、それが問題だ。書き出して、順番に整理して、考え続けていくしかない。
今までにも取り組んではきたが、最後までやり通せず、答えを先送りにしたままだ。明日から、もう少し頑張ろうか。気づいたら2月も終わるんだ。

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