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オズ(リターントゥオズ)

あらすじ
オズの国からルビーの靴で無事にカンザスに戻ってきたドロシー 
だがドロシーのするオズの話を誰も信じようとせず、不眠症になったドロシーを心配したエムおばさんはドロシーを精神科医の所に連れて行く
精神病院に入院になり、怪しい治療を受けさせられそうになったドロシーは間一髪の所で謎の少女に助けられるが、川に落ち少女と離れ離れになってしまう
ドロシーが目を覚ますとそこはオズの国で、カンザスの農場にいためんどりのビリーナも何故かそこに居るのだった
オズの国は以前と変わり果てており、友人の臆病ライオンやブリキの木こりも皆、石に変わってしまっていた

(物語の重要な箇所と結末に触れています)
名作オズの魔法使いの正式な続編(非公式らしいですが)として作られたこの作品ですが、前作の世界観は受け継ぎつつも、ダークファンタジーとして一括りに出来ないような作品に仕上げられています

まずこの映画には、非日常の体験をした人間が無事に帰還しても誰にも信じてもらえない、という怖さがあります この映画の主人公ドロシーはその為に精神病院に連れていかれ、怪しげな上にショックで廃人になってしまう治療を受けさせられそうになるほどでした

ドロシーは病院で謎の少女に助けられますが、その少女はオズの国の王女オズマ姫だった、というオチになってはいるものの、川に落ちたオズマ姫らしい少女の行方はわからず仕舞いであり、無事オズの国の王座についたオズマ姫の表情にあまり生気を感じられない為に良い意味ですっきりしない終わり方になっています

オズの国でドロシーが出会うホイーラーズと呼ばれる集団もトラウマになりそうなヴィジュアルですし、美女達の首を盗んで自分の身体にすげかえては楽しんでいる悪い魔女のモンビ姫や私利私欲の塊の岩石で出来たノーム王、そしてこの悪役達がドロシーが逃げ出した精神病院の医者や看護師達とリンクしている所がこの映画の悪夢的な部分を際立たせており、この映画で起きた出来事は全てドロシーの妄想だったのではないか、と観ている我々に思わせる怖さもある映画です(製作者がそこを狙っていたかはわかりませんが)

ドロシーの強い味方になるゼンマイ仕掛けのティックトックや、カンザスから一緒にやってきた人間の言葉を話すめんどりのビリーナ(大活躍します)、魔法の粉で命を与えられたかぼちゃ頭のジャック(ハロウィン仕様)や鹿の剥製ガンプ(愚痴多め)なども非常に魅力的で、子供の頃この映画を観て忘れられなかった大人が非常に多いのも頷けます

日本ではDVD化されず長い間幻の作品となっていましたが、現在はDisneyplusで観ることが出来るようになりました
個人的にも大好きな作品です


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