見出し画像

健康診断

私は健康診断が嫌いだ。

毎年私の大学では4月に健康診断がある。
今年ももれなくあったのだが、やっぱり私は
健康診断が嫌いだ。

なぜ嫌いかと言うと毎回健康ではないという印を
押され保健センターに回されるから。

健康ってなんなんだろう。

その基準って誰が作ってるんだろう。

過去の精神障害の項目
治癒
治療中
の2つの選択

私は治療中なのだろうか、治癒はしていない。
でも治療中にチェックをつけると絶対に薬を
服用しているか病院に行っているか聞かれ、
どちらもしていない場合治癒ですねと言われる。

今回は案の定低体重、低血圧で保健センターへ回された。

確かに私の体は問題が大いにあると思う。
実際このまま放っておくと、きっと私は将来
こどもを産むことができない。
ずっと心の奥深くに焦りと危機感と悲しみの
ドロドロとした塊がある。

その基準でいくと確かに健康ではないのかもしれない。

でも今私はすこぶる元気なのだ。
そしてごはんを美味しく食べられている。
貧血のくせにゆるくベジタリアンなのは指摘されるかもしれない。
でも気をつけて鉄分を他で補っている。
何より食べることを楽しめている。

精神障害を抱える人は常に自分が健康だと
思っている。麻痺している感覚がわからないんだ。
と言われるかもしれない。

そう言われると、わからなくなる。

デンマークに行った時、私の大好きな先生は
認知症のプロでもあり、精神障害者の対応もできる人だった。

先生と話していてびっくりした。

私「私一度決めるとそれをルーティン化
  してしまう癖があって。
 一時間歩くと決めたらそれをやらないと
 怖くなって自分を責めてしまうんです。」

先生「それって悪いことなの?
   一時間歩きたかったら
   それでいいじゃない。
   
   決めちゃうのは
   あなたが悪いからじゃない。
   
   病気の症状でしょ。
   あーこれは症状だって
   認識してるだけで十分じゃない。」

私 「でも全然食べられないし、
    食べるのが怖くて。
    それで動いてしまうんです。
    これはダメですよね。」

先生「いいこと、悪いことって誰が決めたの?
   ダメって思ってるのはあなたでしょ。
   
   ごはんだって全く食べられて
   ないわけじゃないんだし。
   私からするとだいぶ健康に見えるし、
   うまく付き合えてると思うよ、病気と。

   あなたがいいならそれでいいじゃない。
   これであなたが本当にしんどくて、
   今にも倒れそう。
   というか倒れてるなら話は別だけど。

   症状は確かにあるけど、世の中には
   いいこと悪いことなんてないの。
   
   いい、悪いって決めつけるんじゃなくて     
   ちょっと判断を脇に置いてみてごらん。」

不思議な感覚だった。これまで自分は病気で
治さなければならない、と思っていた。
でもこれでいいと言われた。

自分が変わらなければ、治さなければと思って
いたものはそうではなかった。

不思議と今の私は自分を責めることも、
自分に何かを課すこともなくなっている。

他にも色々な要因が働いているけれど、先生の
言葉は大きい。

健康ってなんなのだろう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?