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家政夫ミタゾノ6 第4話レビュー

今季のドラマ「家政夫ミタゾノ」は、観るたびに毎回声を出して笑ってしまう。本当に面白い。今回、初めて感想を書くことにしました(第4話)。

「家事とか勉強になる」と職場の同僚に勧められて見始めたミタゾノ。意地悪な奴に屈しない、勧善懲悪ヒューマンドラマ。

わかりやすいあらすじと見せかけて、時事ネタを差し込み、絶妙な風刺を効かせているのが特徴。子どもも安心して観られる良いドラマです(たぶん)。


📺ミタゾノファイル


第4話は、世間知らずの社長令嬢と一般庶民の純愛ストーリーがベースになっているが、以下の内容が見事にミックスされていた。印象に残っているのはこの5つ。

  • 飲食店における迷惑行為

  • 私人逮捕に寄せた動画

  • VAR(三苫の1ミリ)

  • 過保護かつ過干渉な教育の将来

  • 歪んだ親子関係の破綻

✅迷惑行為をこう描く

世間知らずのお嬢様が、お好み焼き店のカツオ節を直で食べてしまう場面。紅生姜でも福神漬けでも醤油でもない、カツオ節を神妙な顔で食べる。たしかに、食べたことがなければカツオ節をどうして取り扱って良いのかわからないだろう。あるいは、想いを寄せる魚屋を意識したものだったのか。

無銭飲食のくだりでミタゾノがVAR判定入れてくるのは反則だった。想像の斜め上をいく脚本、天才か。はじめは何の仕草なのかわからなかったが、ミタゾノの丁寧な動作と表情を見て理解。上から映し出すカメラワークもなめらかで、無銭飲食とVARの組み合わせは良いアクセントでした。

✅歪んだ親子関係

社長役の伊武雅刀さんが出てきた瞬間、小賢しい演技に安心感を覚えた。私としては白い巨塔の鵜飼教授をどうしても思い出してしまい、どんな裏工作・忖度が見られるのかと期待してしまいますが。自分の思い通りにならないことを許さない、基本的にこういう人がトップに上りつめる。今回の社長役も利己的な表現が輝いていました。

親が先回りして色々決めることに喜びを感じていると、子どもはそのうち自分では何もできないことに気付く。決断・選択すらもできない。他人の顔をうかがって、まるで他人の人生を生きるような。親子で生活する以上、不適切な子育てをしてしまうことはある。子どもの気持ちを押さえつけ、コントロールしている自覚があるのならばまだマシなのかもしれない。

こちらはミタゾノが不穏なときに流れるクラシック↓ グリーグ作曲、山の魔王の宮殿にて。あなたが若者ならば音楽の授業で聴いたことあるはず。

🍳今日の料理はアクアパッツァ

まず、キューピー3分クッキングに寄せたBGMが良すぎる。

令嬢の意地悪をもろともせず、アクアパッツァを作るミタゾノ。とーっても簡単ということだったので早速、我が家の夕食にも取り入れてみた。

番組で紹介されていた材料は、鮭の切り身とお吸い物の素、ミニトマト、オリーブオイルだっただろうか?お吸い物を調味料として使ったことがなかったので新鮮な発見だった。鮭の出汁が出て、大変美味しかったです。

お吸い物の素はお寿司を食べるとき用の常備品。これを使った↓

イタリア語で「アクア」は「水」、「パッツァ」は「暴れる」という意味がある。

ミタゾノでは、どんなに失敗した後でも新たな人生をやり直す姿が描かれている。少し現実離れしているにしても、希望を持てる終わり方には毎回救われます。

最終回が終わった後の追記:個人的にはこのレビューを書いた社長令嬢の回と、ポツンと一軒家の回がおすすめ。社会的に取り残された人間や、取り残された人間の生き方みたいな対比に、ミタゾノのスパイスがピリッと効いていたと思います。


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