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親指から旅に出たんだ

何年ぶりかに、西へ向かう新幹線に乗る機会があった。
目的地は、沿志奏逢なあの丘。

こだまに乗るのは、実に5年ぶりだ。

これはチャンスである。
最終目的地にわくわくしながらも、同時に親指がうずうずしている。

普段の行動範囲はほぼ集めつくした、《TRAIN TRIP》のステーションスタンプ。

対象の駅に近づいたらスマホでアプリを起動し、画面を指で押すだけでスタンプが集められる企画だ。

その駅に降りなくても、駅に近づけば押せる。
こだまは各駅の停車時間が長いから、たくさん集められる。

今回は小田原から乗車するので、手前の在来線からちゃくちゃくと。

平塚駅

平塚といえば、湘南平塚七夕まつり。

たった3色なのに、七夕かざりのあざやかさと、風に揺れる様子の再現が見事。ちなみに平塚駅の発車メロディーはつねに「たなばたさま」である。

大磯駅

正月の箱根駅伝で平塚中継所あたりで、必ずこの東海道松並木も映る。

江戸時代に整備され、旅人の休息地や旅程の目安にもなっていたという松並木。空を覆うように伸びる松のトンネルは、景色が一変して、タイムスリップ感を味わえる。

国府津駅

書けないし、読めない駅。たまに千葉県の国府台駅とごっちゃになる。

D51機関車、通称デゴイチはよく聞くが、D52はより牽引力がある機関車として設計されたという。愛称はデゴニ。
なんだかディアゴスティーニ感がある。

鴨宮駅

小田原の隣駅とは思えないほどのどかな駅に、ダンゴ鼻の0系新幹線の絵柄。

東海道新幹線建設に先立ち、試験走行などのデータを取った「鴨宮モデル線」の終点があったらしい。駅前には新幹線発祥の地記念碑がある。聖地じゃないか、知らなかった。

小田原駅

言わずと知れた神奈川西部のターミナル駅で、箱根観光の拠点。

小田原といえばカマボコかな、みかんかな、海鮮丼かなと思っていたら、天下の小田原城を忘れていた。
というより、食い意地を張りすぎた。

ここから、新幹線に乗り込む。

熱海駅

ギリ神奈川県?ギリ静岡県?と迷いがちな熱海。街ぶらロケの定番熱海。

天然温泉が豊富で、リゾート地として名を馳せる。冬に開催される梅まつりもモチーフに組み込まれていて、温泉にはらはら舞う梅の花があざやかだ。

三島駅

三島大吊橋、通称三島スカイウォークは2023年時点で日本最長の歩行者専用つり橋だという。

モチーフのロングジップスライドは、滑り降りながら富士山や森を眺められるそうだ。
この日のわたしは、残念なことに車窓からかつて通っていた予備校の本社を眺めていた。

新富士駅

問答無用の富士山。あと工場夜景だろうか。

ほかにも富士とつく駅が何駅かあると思うのだが、ほかの駅はどんな絵柄なのだろう。富士山のシェアとなると、山梨県の駅との配分も気になってくる。

静岡駅

これまでと趣向が異なるデザイン。静岡はプラモデルの街だからだろうか。

その中にも、お茶、いちご、みかん、サッカーといった静岡県ならではのモチーフが組み込まれている。細いところをねじって、パーツを取り外したい。「岡」だけになっても困るけど。

掛川駅

小田原から1時間、今回の目的地の最寄り駅に到着した。

長蛇の列のシャトルバスを待ちながら、親指でスマホ画面を押す。

掛川花鳥園があるしハシビロコウが出たりして、と勝手に期待していたのだが、いちご狩りのメッカということで、大きないちご。

若干、隣の静岡駅と張り合っている感がある。

在来線も集めたかったが、今回の旅の目的地がここだったので見送った。開演に遅れるわけにはいかない。

5年ぶりにつま恋リゾート彩の郷で開催された《ap bank fes’23》。

明るく白い空
これでもかという曇天
かすかな青空

写真映えはしないが、夏の野外フェスにおいては、曇天はとてもありがたい。気温もそこまで上がらなかった。

わたしが行った日は、演者も年齢層が高く、客層もなんとなくそんな感じだったので、本当によかった。

公式アプリより

たった6曲なのに、2時間くらい歌ってくれたような圧巻のパフォーマンスを魅せる宮本浩次さんが倒れなくて、本当によかった。

そして、心を浄化するような、声変わりを忘れたかのような小田和正さんの透き通る歌声が聞けて、あなたに会えて本当によかった。

捨てられない新旧リストバンド

5年前に乗ったこだまも、目的地はap bank fes。あのときも楽しかったけれど、今回はさらに充実感がある。

旅の最終目的地だけでなく、別のわくわくもプラスしてくれるステーションスタンプ。

これからも、旅のおともであり続けてほしい。

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